アフタヌーンティーを愉しむ〜ブルガリホテル東京〜②
アフタヌーンティーを愉しみながらも視線は常に自分を取り囲むインテリアを捉えてしまいます。
窓を覆うカーテンの色と素材が気になり、つい触ってしまい反省することもしばしばです。
カーテンはしっかりした生地ですが、透け感もあるゴールド。高さのある天井からたっぷりと豊かに床まで落ちています。背後から太陽の光を受けるとゴールドはますます輝きを増すと想像できます。
アフタヌーンティーをたっぷり堪能した後、ホテルの方にお願いをしてまだ準備中のレストランスペースでも写真を撮らせていただきました。
レストルームに至る入り口に立つと、一番奥の正面に飾られている写真に視線が引き寄せられます。もちろん、廊下全体は天井に埋め込んだダウンライトで均一に光が落とされています。ただ、一番目に留まる写真に光が当てられ、その存在を際立たせることで廊下の奥行きを静かに強調しています。これは自宅でも使える手法です。廊下の突き当たりや部屋の入り口に立った時、一番遠い壁にフォーカルポイント(視線を誘導する)を設けることで、部屋の広さや明るさを脳に認知させることができます。
トイレ内部の壁を黒と白で貼り分けたのも、お洒落である以上に機能面に気を配る計画かと思います。
ホテルライクなトイレの代表例が黒一色のインテリアです。床、壁、天井を黒で統一し、できるだけ存在を感じさせない細い光だけを設置するスタイル。お洒落でスタイリッシュな空間を演出できます。
今回ブルガリホテル東京のレストルームは、お洒落であると同時に機能面でも考えられていました。自宅のインテリアにも取り入れたい計画もあるので参考にしてください。
黒の壁を床から約90㎝まで。そこから天井までは白の壁材が貼られています。
腰壁と呼ばれる床から90㎝までは不特定多数の人が土足で出入りするスペースでは、汚れ対策にもなります。
腰壁より上の部分を白にすることで、鏡に映り込む背景の
明るさが変わります。
食後の化粧直しには明るい鏡の方が適していると思います。その辺りが機能的に考えられていると思いました。
エレベーターホールにあるスィーツショップもオーク材と黒でまとめられています。ここでは、ゴールドが一番印象に残る色として正面壁に使われています。
レストランスペースは、エントランスやエレベーターホールとは違い、一転して朱色が多く使われています。朱色以外は、床や天井にも使われているオーク材の色に近いベージュやマスタードイエローなど温かみのある色を重ねています。食事を愉しむスペースに相応しい色使いだと感じました。黒いテーブルとモノクロームの写真が空間を引き締めています。
今回は、アフタヌーンティーを愉しむためブルガリホテル東京を訪れました。
アフタヌーンティーはとても満足のいくものでした。
また、ホテルの方に許可を得て写真を撮らせていただいたことで、ホテルの内装計画を実際に目にすることができ、考察するチャンスをいただけました。
ホテルライクインテリアは、小さなことから真似をするこてができます。
ぜひ、ご参考にしてください。