ナイキのウェアを着ても、土俵には入れない女の子が入るべきアレ #セルフケア日記
セルフケア日記は、
私が20代だった頃に知りたかったこと、
30代になって試しているセルフケア、
アップデート途中の価値観などについて、
日々綴ります。
先日、ナイキジャパンが公開した動画コンテンツに驚きました。あの社会派のプロモーションがお得意のナイキですら、日本だとバグるのか、と。
今回は、動画に対する義憤と、イライラをおさめるときにいつも入っているアレについて。
本来、「女の子だって何でもできる」のはわかってんねん
おすすめしたい動画ではなく、積極的に再生回数を増やしたくないので、動画ではなくツイートのリンクを貼っておきます。
動画はある妊婦が産婦人科で「おそらく女の子ですよ」と、お腹の中の子の性別を告げられるところから始まります。咄嗟に、妊婦は社会に出た娘が受ける冷遇を、付き添いの男性は夜道の心配をします。そして、周囲はさまざまなステレオタイプを想起します。「日本の女の子は43.7%の所得格差があるんだって」といったファクトも登場(調べ物をなさったんですね!)。やがて妊婦は周りの決めつけに対して「いい加減にしてよ!女の子だって何でもできるんだから!」と、怒ります。そこから先はスポーツで活躍する女性の姿や、政治家になった女性の姿が続きます。そして、土俵で四股を踏む女性の姿で締めくくられます。
いや、ちゃうねん。本来、「女の子だって何でもできる」んは知ってんねん。ずっと前から知ってんねん。
問題は、それを阻む社会であって、そのせいで何にでもなれるわけではないということ。例えば、本来は医大生になれたはずのに、女の子であるがために減点をされて医大から落ちたりすること。彼女が医大生になれるポテンシャルがあったのは知ってんねん。この動画はそれを打破することを女の子に委ねているいる点に寒気がします。
また、最後にうつるのが土俵と言う点も、神経を疑います。相撲のプロの世界では、女性は土俵にはいることを許されません。選手や行司としてはもちろんのこと、救命目的であっても、降りることを促される女人禁制の場です。土俵に入れるように、せいぜいがんばってみろというメッセージでしょうか。吐き気を通り越して、胃液が出そうです。あら、お口の中がサワーテイスト!
本国ではアメフト選手を起用した社会派のプロモーションで株価の最高値を更新した
みなさんご存じのナイキは、アメリカのブランドです。アメリカ本国では時代を汲んだメッセージを取り入れた社会派のプロモーションがお得意です。
記憶に新しいところでは、スローガン「Just Do It」の30周年を記念する広告キャンペーンに元NFL選手のコリン・キャパニックさんを起用した大成功事例があります。
2016年、キャパニックさんがアメリカ国家斉唱中に起立せず、地面に片膝をついたことが話題になりました。彼がこのような行動をとったのは、「黒人や有色人種を抑圧するような国の国旗に敬意は払えないので起立はしない」と、人種差別に抗議するためです。
そんなキャパニックさんのキャンペーンへの起用を受けて、一部の愛国主義者たちは激怒。ナイキ商品の不買運動を起こしたり、商品を破壊したりし、炎上しました。
これはプロモーションの一環なので、成果は数字でみるべきでしょう。愛国主義者は怒り狂ったものの、キャンペーンは大多数から支持され、ブランドのファンは増えました。ネット通販で売り切れとなった商品は61%に急増、キャパニックさんの名前が入った女性用ジャージも完売しました。また、株価も史上最高値の86.06ドル(約9638円)を更新しました。
炎上しているときは、誰が薪をくべているのかを見るべし
さて、一口に炎上事例といっても総スカンで袋叩きに遭うことは少なく、だいたいは支持者もいることで、賛否両論になります。両論があると、ただそれだけで「議論が起きていて良い」と評価する人もいますが、果たしてそうでしょうか。私はその「賛」「否」の構成メンバーをよく見るべきだと思います。
例えば、本国のキャパニックさんを起用したプロモーションでは、苦しい立場にあるマイノリティの当事者からの「賛」と、主に白人側で構成される特権を維持したい属性側からの「否」で議論になりました。ナイキが発信したのが、いま起きている差別をやめよう、現状を変えようというメッセージだったからです。
今回の日本のプロモーションに苦言を呈しているのは誰でしょうか。社会から冷遇され、夜道が心配な女性です。要は、日本のコンテンツに含まれていたのは新しいメッセージではなく、現状の歪みを強化するメッセージになっているわけです。
わざわざ広告として、こんなのもう見たくない。だって、私たちの日常だもの。
私はフットサルとジョギングをするので、定期的にウェアを購入します。でも、日本でナイキの商品を二度と買わないと思います。こんな古臭いブランド、ボスビッチの私にはふさわしくない!
やってられない日に入るアレ
義憤をまき散らして終わるのは癪なので、イライラしたときに使うグッズを紹介し、お茶を濁して締めくくります。
最近、退職した同僚はよく「土俵入り」していました。「今朝も土俵入りしてきたわ!ははは!」と、いつも軽快に笑っていました。
元々、彼女はあまりに理不尽なことがあると塩を撒く習慣があったそうなのが、理解のない男性上司のもとで働いた結果、理不尽なことが立て続き、このままだと家が塩だらけになる!と、入浴時に浴槽内で塩を撒いていたそうです。それを「土俵入り」、と。
私も影響を受けて、イライラする日はエプソムソルト入りのお風呂に入るようになりました。体がぽかぽかと温まります。余計な成分が入っていないので、肌が弱い友だちにもプレゼントしました。ボタニカルの香りの温泡と組み合わせで使っています。
怒ったり、落ち込んだり、塩でお湯を濁らせたり、お茶を濁したりしながら、日本の女の子たちが何にでもなれるように、少しずつできることをやっていきましょう。
みなさん、毎日忙しいと思うけど、自分を大切に。塩ファサー!
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