秋になると
詩的な気持ちになるのは
なぜだろう

秋の草
植物たちの声は
とても優しくて微かだから
夏の間
人間たちの声に合わせて
君たちの声を聴くのを忘れていたかも
しれなかった

人の命は
ろうそくのような
ともし火
あるいは固有の香りのよう
まるい光を
限られた物語のなかで
発光している

どんな光も平等で
それぞれの物語を精一杯奏でていた
だからありがとう
喜び笑い苦しみさえ
この宇宙の中で光に包まれていたから

決められた物語を全て手放して
風に流していい季節になったから
時代がまわったのだから
魂よ、安心して
数億もの輪廻を超えて
ただ怒ったり泣いたり嬉しかったり
もうそれでじゅうぶんなのだから
草原の中で
天真爛漫に
祝おう

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