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第1話 再会準備(匂い漬け再び) 

この物語は以前掲載しておりました『【続】S女サラの初心者M男五感掌握ネット調教】』の続編となります。

本話を読み進める前に、下記からご覧いただくとよりお楽しみ頂けると思います。

(前話)
【続】S女サラの初心者M男五感掌握ネット調教】
第34話【最終回】 二人で選んだ結末

(前作(第二章))【続】・S女サラの初心者M男五感掌握ネット調教

「まとめ売りⅠ(1~10話)」

「まとめ売りⅡ(11~19話)」

「まとめ売りⅢ(20~28話)」

「まとめ売りⅣ(29~36話)」


(前々作(第一章))S女サラの初心者M男五感掌握ネット調教

「まとめ売り(1~12話)」

「まとめ売り(13~23話+Episode Zero)」





「僕はサラ様が一番なのです。」



丁寧な文字でこう書かれていた手紙は、彼とお別れした日からきっちり1年後に私の家のポストに届いた。



彼と別れたあの日から今日で366日目。
ちょうど1年前の昨日、私はワンワンとの関係に一旦ピリオドを打った。


《一度、サラ以外を探しなさい。で、1年経って、それでも私を越える人に出会えなかったら連絡しておいで。》


酷く悲しそうな顔をした彼をまっすぐ見つめながらそう伝えたあの日の事を、今でも鮮明に覚えている。


当然、また連絡がくる確証なんて無かった。
反面、今日1日、普段以上にスマホの通知を気にしてしまっている自分も居た。


人の気持ちは日々移ろうもの。

自分から “ 他のS女と関係を持て ” と命じた以上、どういう結果になってもそれを受け入れる覚悟の上での選択だった。

そして彼も、そんな私の想いを分かった上で、二人で選んだ選択だった。


連絡が無かった寂しさと、諦めのようなものを抱えたままいつもと同じように仕事を終え、いつもと同じように帰路につき、1年前に彼を見送った時間と同じような時間にポストを開ける。

そこには《 速達 》と印が押された封筒が一通。


後ろに書かれているであろう名前なんて確認しなくても、差出人が誰だかはすぐに分かった。



---------



「また会いにおいで♡」



手紙の最後まで目を通した私は、高鳴る気持ちを抑えてワンワンにLINEを送った。

きっと彼も、1年ぶりにスマホのポップアップに浮かんだ私の名前を見て、口から心臓が飛び出そうになっている事だろう。

そっけなく、簡潔で、けれど♡の付いた、たった一行のLINE。

ワンワンなら、その一行で私の想いがちゃんと伝わるはずだ。
だって彼は、聡く、賢い、私が選んだ子なのだから。


しかしまぁ、もし万がいち連絡があるとしてもLINEだと思っていたのに、なかなか小粋な事をするもんだ。
直接住所を教えた訳では無いが、この際それは目を瞑っておいてあげよう。


糾弾なんていつでも出来る。

だって私たちの関係は、今、再び動き出したのだから。



---------


彼とLINEのやりとりを再開して早幾日。

すぐにでも再会の日程が決まる……かと思いきや、神様は相変わらず意地悪で気まぐれなご様子。

お互いの繁忙期が重なってしまい、どうにも日程の調整が上手くいかない。

加えて、関係が再開したとはいえ、また以前のようなパートナー関係を結ぶ事になるかは分からないから、射精禁止やオナニー禁止などの指示は一切出していない。

もしかしたら彼が自己判断で、以前出されていた “ 日課 ” なり何なりを実行しているのかもしれないけれど、それをわざわざこれ見よがしに言ってきたりもしない。

なんとも歯痒い時間を過ごしながら、どうにか逢う日が決まった時には、手紙を受け取ってから4ヶ月が経とうとしていた。



いよいよ明日は約1年半振りの再開の日。

再開されたやりとりの中で、何の因果か、関係を絶っていたこの1年の間にワンワンは転勤で私の住む街の近くに引っ越していたことを知った。

『 本当は転勤願いとか出してたんじゃないのー?w 』と軽口を叩いたりもしてみたが、どうやら本当に偶然だそう。

近くといっても電車とバスで50分はかかるけれど、それでも以前のように新幹線と在来線を使わなければいけなかった距離に比べたら、もはや目と鼻の距離と言える程だ。


私は記念すべき再会の日の為に、今日必着で1通の封筒をワンワンの新住所に送っていた。

中には、5日履きのストッキングのつま先。

そして、1枚の手紙。



『 5日履いて蒸らしたストッキングのつま先♡ 明日は仕事が終わったらマスクの下にコレ入れてから向かってね。待ち合わせ場所はココ⇩ 』

《 大〇区〇〇谷 サ〇〇リヤ ○○店 》
https://shop.sai●●riya.co.jp/sz_restaurant/spot/detail?code=●●●●



きっともう既に、封筒に気付いて中身を確認した後だろう。

そしてきっと中身を見て、初めて逢った時と同じように、いや、なんならそれ以上に興奮と喜びに満ちているだろう。

そんなワンワンを想像しながら私は私で、まるで遠足前日の子供のようなワクワクと喜びを抱えたまま、そっとベッドに潜り込んだ。




ー翌朝ー


今日は平日。
ワンワンとは、お互いの仕事が終わった夜から会う予定になっている。

すっきり晴れた日差しの中、いつもと変わらないモーニングルーティンをこなしていると、スマホが軽快な音を鳴らしながらワンワンからの通知を知らせた。




-ピロンッ♪-
≪ ワンワンからメッセージが届きました ≫


「サラ様おはようございます。今あらかた準備が終わりまして、あと10分程で家を出て職場に向かう予定です。」

「おはよー。あ、そういえば、1年半前に渡した私のパンツ、まだ持ってる?」

「はい。勿論持ってます。」

「じゃあ、そのパンツ回収するから持ってきて。」

「分かりました…。ずっと大切にしてたので残念です…。」

「いい子にしてたらアップデートしてあげる♡」

「かしこまりました…。」

「おっけー。じゃ、また夜にねー。」

「はい、ではまた夜に。」



そっとスマホのサイドボタンを押して画面を閉じる。

口元にうっすらと笑みを湛えた私は、いつもと変わらない毎日が始まるかのように、いつもとは違う時間へと続く玄関を開けた。




つづく





> 第2話 予告 <

遂に再会を果たしたワンワンとサラ。
パンスト in マスクをしたワンワンに早速サラが!?

そして再会後いきなりの恥ずかしい命令が下る!!



「元気だった? おちんちんは元気に勃起してる?」

「じゃあ、今からトイレで新品に戻してきてよ。」

第2話 かっこいいお〇んちんへの洗礼はこちら



ワンワンからサラに届いたお手紙はこちら!!

《 第二章 》S女サラの初心者M男五感掌握ネット調教・続
Epilogue ワンワンside -【SMの向こう側】

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S女 サラ
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