なな

【男性の抱く恋愛感情】のファンです。なのでそれをショートストーリーにして閉じ込めてます。私本人はいつも中庭にいます。noteでは中庭仲間が出来たらいいなと思ってマイペースに参加してます。

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最近の記事

Apple Pencilの調子がわるい。。故障かもしれない。イラスト作れない。めちゃくちゃさみしい。 画像はだいぶ前にiPadで落書きしたもの。どんなテンションで描いたのか、本人も謎。

    • 大好きな二人

      見て、FBIが潜入してるよ。 君の声がしたので視界を現実にスライドさせる。 公園のベンチに座ってるという設定に戻った僕の目に、黄色い文字でFBIとプリントされた紺色のトレーナーが目に映る。ほんとだ、と思い目で追ってると、身長100センチ程のFBIは砂場に駆け寄り穴を掘り出した。 「ね、潜入してるでしょ」 物凄い嬉しそうに僕を見る君。 冷たい風に木の葉が揺れる広い公園。 任務を遂行するFBI。 現実って、思ってるよりだいぶこっちに来ない。 「FBIって、潜入捜査するんだっけ

      • 僕はリーバイスの馬

        君が履いてるジーンズのラベルに嵌められた、 僕は馬。 ヴィンテージとか復刻版とかよく分からないし興味ないけど、君がやっと手に入れたとはしゃいでたから、良かったねと爽やかに言って、気付かれないようするりと、僕は君のお気に入りのジーンズに貼り付く馬になった。 君が歩けばタズナを引かれて僕も歩き 君が腰掛ければ僕も従順に立ち止まる。 君がジーンズを脱いだら僕に嵌められたタズナも脱げて赤いタグを掲げる硬いポケットに入り込み、君が戻るのをひたすら待つ馬。 それで楽しいのかと聞か

        • 俺の姉ちゃん

          離婚した姉が実家に帰って来た。 「結婚も離婚もできて楽しかった」 12歳上の姉はふんわりと呟き、俺が出した炭酸水を一気飲みして「生きてるのって面白いよね。色々やっても何にも張り付かない。ずっと新品」と続け、お母さんとお父さんまだ帰んないの?と俺に尋ねた。 「コストコ行ってるから長いよ、しばらく実家にいるの?」 姉は15歳上の男の人と出会ってすぐ入籍して、新婚旅行のタイミングでこの家から出て行った。 「分かんない。せっかく離婚したし、とりあえずなんか、彼氏でも作ろうかな」 せ

        • Apple Pencilの調子がわるい。。故障かもしれない。イラスト作れない。めちゃくちゃさみしい。 画像はだいぶ前にiPadで落書きしたもの。どんなテンションで描いたのか、本人も謎。

        • 大好きな二人

        • 僕はリーバイスの馬

        • 俺の姉ちゃん

          もうちょっとあっち側

          駅前でバイバイと手を振ったあの日が 君とさよならをした日だったのだと、 その日から3日経って気付いた。 最後のあの日のデートは君の行きたがっていた植物園で、ケニアから届いたばかりと言うドーム型の多肉植物を、座り込んでじっと見ている君のポニーテールを作った後頭部を見下ろしていると、それはまるでどこか別の星から届いた未知の植物のように見えた。 もうちょっと寒い時期に来てたらちょうど良かったのにねと温室で汗ばんだ額にハンカチを当て、僕の目を見ず、じゃあサボテンコーナーに進もうか

          もうちょっとあっち側

          あの子と漂流

          あの子が手作りのアメリカンドッグを食べたいと言ったので僕は今台所に立って人生で初めてアメリカンドッグ作りに挑戦している。 ソーセージに竹串を刺してバッドに並べる。 「料理得意なの?」 とあの子に聞かれ、まあ普通に、と返したのはいつだったっけと考えながら、僕は串に刺さったソーセージを卵で溶いたホットケーキミックスの中に従順に漬け込む。 「アメリカンドッグ食べてる時って、無人島に自分一人だけが住んでるって気分にならない?最強!みたいな」 あの子は楽しそうに僕にそう言った。 そ

          あの子と漂流

          壊れる前に

          まつ毛をビューラーでかける瞬間の君を見るのが好きだよ。 小さな金具でまつ毛を挟みギョロリと目玉を剥き出しにしながら鏡を見下ろしてる君を気付かれないように覗く時、その瞬間だけは僕が君を支配出来てる気になれるから。 お菓子の袋破る時、いつも切り込み入れすぎて中身が溢れ出て、結局お皿に移して食べる結末を何度も何度も繰り返してしまう君の衝動性を、叶うならずっと守り抜いてみたい。 料理を作り始めると怒りっぽくなるね。 僕が洗い物始める頃にはギャングみたいに上機嫌に戻るけど。 クレヨ

          壊れる前に

          カウンターのお茶にしか救えない孤独がある。

          卵でとじた物ならたいがい好き。 オムライス、 天津飯(飲みたい)、 親子丼。 ふんわり柔らかくて作為ない黄色が乗った丼が目の前に出されると、ああ僕は今常識の範囲内でなかなかウマく生活出来てるんだなと安心する。 奇抜でも豪華でもないけど、五臓六腑にきちんと収まり、慎ましくも満たされた食事。 カウンターの隅に置かれたピッチャーを掴み空になった湯呑みに暖かいお茶を注ぎ口に運ぶ。 この一連の流れでその日起きた嫌な事に「まぁしゃあないか」とスタンプ押せる日本人って、僕を始めとして

          カウンターのお茶にしか救えない孤独がある。

          一番お金がなかった時に

          一番お金がなかった時に、君と出会った。 君が行きたがったレストランやテーマパークはあの頃の僕には到底、割り勘でさえ叶えてあげることは難しかった。 広くてたくさん木の生えてる公園とか図書館の中庭とか、だからそういう場所に毎回君を連れて、スーパーで買ったショートケーキを二人で分けて食べた(ケーキはコンビニよりスーパーの方が安い)。 図書館の中庭のベンチに座って食べてたら、スタッフの人からここで食べ物を食べてはいけないと怒られて、慌てて片付けて逃げるように出て行った先の駐車場の片

          一番お金がなかった時に

          僕は多分かなりマジメ

          夜寝ている時にクーラーの温度を下げたら隣で寝てた君に怒られた。 今でも充分寒いのにって。 僕はTシャツ一枚で寝てるけど、暑いよ。 「長袖着れば?持ってこようか」ってキャミソール一枚で寝てる君に言ったら「Tシャツ脱げば?脱がせてあげようか?」って啖呵切られてそのまますぐ眠り込んだ。 十月初め。クーラーの設定温度は二十八度。 かすかに鈴虫、うるさいバイク、君の寝息。 汗ばんでる首筋をTシャツで拭っていると現代にワープしてしまったティラノサウルスみたいな気分に陥る秋の夜長。 脱

          僕は多分かなりマジメ

          全部に入る

          全部に入ると なんにもなくなったので 私もなんでもなくなった。 全部に入るつもりはなかったけど 全部しか残ってなかったから ああ面倒くさいなぁとグチりながら、 がっぷり呑まれた。 全部は私の首が好きだった。 私の首に、全部が集中したので 私の首はキツくて息が薄くなる。 こっちが入ったのに あっちが集まってくるとは なんて道理というものは、 ICカードみたいに信念がない。 なんにもいない全部のなかで、 私はピーナッツバターだった頃を思い出す。 パンさえ居てくれればそれで

          全部に入る

          はずかしい

          丸いものの中に私が入ったので あなたは焦った。 今日は昼前から仲間内で"仕切り直しピクニック"をする予定で、そんな、丸いものの中に入ってる余裕なんてないから。 「これは宣戦布告にも見える」 あなたが言うので 「そうじゃない。ただの回帰だ」 と私はたしなめる。 あなたはそうか回帰かと言ってホッとしたような、回帰と宣戦布告の何が違うんだと怒りを飲み込んだような、判断が分からない表情をした。 まあでも、どんな表情をしたところで、あなたは悲観に暮れていくし、悲観に暮れながら会員

          はずかしい

          チップスターなう

          ポテトチップスならカルビーより、 断然僕はチップスターだ。 なんと言ってもチップスターを語るうえで欠かせないのはその頼りない歯応えで、こんなにモロいジャンクフードって市場的に許されるんだろうかと、初めて食べた時にジャンクフード業界に気を馳せたのを覚えてる。 「許す許されないじゃないのよジャンクフードの市場って。投げかけなの。ボクシングじゃなくてプロレスなのよ」 君に出会った頃、お互いの好きな物に関して(僕はチップスターで君は道路標識)話してる時、君はそんなこと熱く語ってた

          チップスターなう

          僕は君のシャンプーになった

          君のシャンプーに、今夜なった。 君の手のひらでモコモコに泡立ちそのまま柔らかな髪にダイブした瞬間はテンションが上がった。 君の髪の毛とお湯とバスタブの匂いが一丸となって僕を包み込んで突き刺したら、穏やかで不自由な泡の完成。 意外に強い力でガシガシ頭皮を洗っていく君。 そんなに毎晩、残された力を振り絞るように髪の毛を洗ってたんだね。 君から振り落とされないように必死で張り付きながら僕は君から突き上げる力強い振動を始めて目の当たりにする。 初めて二人で遊んで駅前で別れたあ

          僕は君のシャンプーになった

          断崖絶壁

          君と断崖絶壁になりたい 突き詰めても 突き詰めなくても 辿り着くのはその一点 君と僕だけ 生きてるうちに 森羅万象からバックれて 人類繁栄にあざむいて 役に立つようで足しか引っ張ってこないべったり張り付いたド正論をかなぐり捨てたい 君と断崖絶壁 振り向いても 振り向かなくても 転がり落ちたいのは奈落の頂上 あのね 人の欲望ってよく出来てるよ。 そんなはしたなく命を燃やした後に限って、 町づくりボランティアとか 参加したくてたまらなくなるんだよ。 5丁目のゴミステー

          断崖絶壁

          濃く長い影ができる8月

          今日も暑いから 最低ラインが気持ちいい とにかくこのアスファルトを歩いて辿り着けたらそれだけで合格。 晩ごはんはダルくて作る気しないから あずきバーでタンパク質と糖分コンプリート。 井村屋に感謝 井村屋も俺に奉謝 辛い時に助けられ 求めることで支援している俺達の循環に賛歌! ああ感謝って、韻を踏みたくなるなあ。 やっちゃいたくなるもんなあ、 感謝って浮かぶとさあ。 サラバ 感謝 二子山親方! やっちゃうよなあ俺なんかは。 風呂上がったらウェルチ飲もう。 一気飲みしてや

          濃く長い影ができる8月