取材カメラ「追い」で撮るか、「受け」で撮るか…? 「今日からやる会議」 P日誌:太田
こんにちは。プロデューサーの太田です。8月22日では「東京スプーン&フォーク 〜Loftプレゼン編〜」を放送しました。まさかの熱い結末を迎え、放送後、吉本ばななさんをはじめ、たくさんの人に「アレだったら買う」などの好意的なコメントをSNSで拝見し、スタッフ一同めっちゃテンションが上がっています。
この回、ドキュメントとしてもドキドキする回だったと思います。ではなぜドキドキしたのか?「ドキュメンタリーの編集方法」という観点から、この回を少し補足したいと思います。
「ビジネス全然関係ないじゃん」と思われた方、そんなことありません!誰もがスマホで動画を撮れる時代、動画でプレゼンする時代もいつくるかわかりません。そこで「YOUは何しに日本へ?」で6年間、成田空港に通い続けた自分が編集について少しだけ書かせて頂きます。
(蛇足ですが、僕が「YOU〜」で発掘した一番の有名人はハンコ王子のロマ君です。ロマに声をかけたのは7年前の秋でした。。。)
話を戻します。8月22日の放送を観てください。TVerで観られます。「全部丸々観てらんないよ」という方、ご安心ください!10分くらいから、1分30秒間、観ていただけたら十分です。
観ていただけましたでしょうか・・・今の1分30秒の中に、テレ東ドキュメンタリーのコツ2つが詰まっています。まず、
(1)基本、カメラは「追い」で
図で書くとこんな感じです。
3歳の描いた絵みたいですね。。。ドキュメンタリーの基本は「発見感」です。取材対象者と視聴者の発見するテンポを揃える必要があります。このシーンは、さらば・カミナリがプレゼンする相手であるLoftの方々を発見し、「プレゼンだ!」と改めて思うシーンです。皆さんも大切な商談に行く時に、商談相手に会った瞬間、緊張しますよね?それです。だから近づいていく「追い」カメラが正解となります。これをドキュメンタリー慣れしてないスタッフだと「受け」で撮影してしまいます。
なぜ「受け」で撮影するかというと、撮りこぼしがないんです。追っかけで撮影すると障害があったり、表情を取りこぼす可能性もあるんです。
このヘタクソな図解でお分かりいただけたでしょうか?
「受け」で撮影すると全て撮れます。だから良い気がしてしまいます。だけどドキドキ感がなくなってしまうんです。カメラで表情がちゃんと撮れていようが関係ありません。皆さんも自分で撮った写真を見返していて、ちゃんと撮れてないけどいいね、と思う瞬間ありませんか?。。。それです。ドキュメンタリーの基本はそれなんです。
(2)「カット」をかけた後が使いどころ
本編で言うとディレクターが「一回仕切り直しで」と言った後の森田君の「えっ?大丈夫?」以降が使いどころです。本当はカメラマンさんには、カメラを下ろした後も回し続けてほしかった。。。けど、普段はそういう番組じゃないから仕方ないですね。
リアルで言うと森田君、本当に焦っていて「俺、もうあの話しちゃったけどどうしよう。。。」とみんなに相談をしていたんです。そこを声だけでもいいから使うと、グッとリアリティが増します。
一昔前のバラエティ番組であれば、ディレクターが「今の森田君の話は聞かなかったことにしていただいて、仕切り直して、そこで初めて聞いたテイでお願いします」と説明していたと思います。ところが今は違いますね。(他局のドキュメントバラエティを名乗る番組では、いまだに旧式のスタイルでロケしてそうだな、と思うものもありますが、テレ東は違います)
ちなみに、もう一つ補足すると面白いのは「リアル失敗」。ここでいうと森田君が勘違いして先走って掴みの話をしてしまいます。さあ、その後どうしたのか?が面白いのです。ここではタクミ君が見事、別の話でしのぎますが、もし仮に、誰もなんの話も思いつかず沈黙が続いたら・・・それも面白かったと思いませんか?
以上、たった1分30秒の映像ですが、これがある事でこの後のプレゼンにドキドキできるのです。
皆さんも、ドキュメント映像形式でプレゼンをすることがあれば、参考にしてみてください!
PS 写真は、「会議」収録のお弁当です。お金がないので一つも余りません。。。笑
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