
終火④話「忘れられないクリスマスイブ」
12月24日のクリスマスイブの日から、私は涼太のアパートに泊まりで行く予定だったのに、急遽日帰りで帰る羽目になった。
本当は、涼太のアパートでささやかではあるが、クリスマスパーティーを二人でするつもりでいたのに、25日にちはどうしても外せない用事が出来たと言うのだ。
12月22日の涼太のからのLINEの文面を読んで、本当は涼太に「外せない用事って何?」問いただしたかった。
けど……
なんとなく怖くて聞く勇気がなかった。
なんとなく、なんとなくだけど……聞いちゃいけない気がした。
涼太のアパートで、ささやかではあるがフライドチキンとケーキを食べた。


その時の涼太の笑顔を見ていると、明日のことなど深く考えなくても良いのかも?そう思えてきてしまう自分が居る。
会ってない時は、あんなにも不安な自分が居るのに、何故だろう?
涼太の笑顔には不思議と不安を取り除かせるくらいの力がある。
涼太の笑顔に今までも、何度となく救われてきた自分が居る。
そしてケーキを食べる前に涼太が私にクリスマスプレゼントを渡してくれた。
涼太が私にくれたクリスマスプレゼント

「空けて良い?」
なんだろう?とワクワクしながら私は箱の中を見る。
すると……

「わぁ~ハートのネックレス!ありがとう!」
私は少し甘えた声で「涼ちゃんつけて~」と言う。涼太が後ろからネックレスを付けると私を抱きしめてきた。その流れでキスをしてきた涼太と良い雰囲気の流れになりかけたが、私は帰るのが辛くなるからその先は拒んだ。
そして私から涼太へのクリスマスプレゼントも渡した。

「はい、私からのクリスマスプレゼント! 開けてみて!」
「わぁ~メガネだ」

涼太が箱を開けた瞬間くしゃっとした笑顔になった。無邪気な子供のようなこの涼太の笑顔が大好きだ!
「でもね、レンズは入ってないの。度が合わなかったら困るからフレームのみ。レンズは、来年一緒にメガネ屋さんに行って入れようか?」
「うん。ありがとう」
涼太はレンズの入ってないメガネをかけて嬉しそうにしていた。
こんなにも幸せなクリスマスイブを過ごしているのに、涼太のアパートに泊まらずに帰らなくてはならないなんて、一体明日の外せない用事って何?
何なんだろう?
でも……
怖くて聞けない!
また私の心の中で、その疑問が沸々と沸いてきた。
そして、その理由が分かったのは、お正月も過ぎた1月も半ばの頃だった。
またその理由は次回に話しますね。
気が向いたら近々続きをアップしようと思います