終火①話「出会い・2年前の夏」
私はカーテンの隙間から差し込む光の眩しさに目を覚ます。
スマホのLINEを何度も何度も読み返すが、出てくるのは溜息と涙ばかり。
昨日のことは夢だったら良いのに。
一昨日に戻れるなら戻りたい。
いや、二年前の夏に戻りたい。
だって………
彼と出会った夏だから。
二年前、私は休日に独り海に来ていた。
晴天で青々とした海。キラキラ輝いていて太陽の光が反射して眩しかった。
その時、公園内の駐車場にある自販機でペットのお茶を買おうと財布から500円玉をだした。自販機の投入口に入れようとしたら、入らずに転がてしまった。
転がる500円玉を追いかける私。
草花の咲いている花壇の中に転がって行くのが見えたのだが、そこから何処に転がったかわからなくなり必死に探していると、私の目の前に顔が。
「きゃぁ――っ!」
すると公園内に居た人が数人、私の悲鳴と共に寄って来た。
「どうした! 大丈夫か?」
60歳代くらいのチワワを連れていた男性が声をかけてきた。
見た目は少し強面な感じで、少しお腹が出ていて頭がハゲていて色黒な感じだった。
「あっ、いや、何でもないです」
そう言うとその男性はその場から去って行った。
「あっ、ゴメン」
一人の青年が私に謝ると話しかけてきた。
「パンツのお尻のポケットに入れていたスマホが無くて、この辺で
落としたみたいで探していて」
「良かったら、私のスマホから電話かけてみましょうか? 番号教えてください。かけてみますから」
結局スマホも無事に見つかり、私が落とした500円玉は見つからなかったけど、お礼にとペットのお茶を奢ってもらった。
その時にスマホの電話番号を結局は交換したような感じになり、共通の好きな音楽の話題で話も弾み、ほぼ毎日LINEで会話をし気付いたら付き合う仲になってました。
そして、その夏の花火大会には浴衣を着て彼と花火を観ました。
そうそう彼の名は鈴原涼太(すずはらりょうた)
身長170センチくらいの高身長でシュッとしている細身でメガネを掛けているメガネ男子。
私より二つ下の20歳。横浜の大学に通う大学生で夏休みの間は実家に帰って実家のお手伝いをしているようだ。
父親が船でしらす漁をしている漁師で、母親はしらすをお店で販売していたのだ。
この港がみえる公園は自宅から歩いて10分くらいとあって、結構散歩に来ているようだった。
この時も、私はたまたま来ていたから涼太と出会えたわけだ。
私は、この田舎町でOLをしている。
「涼ちゃん、明日の花火は浴衣着て行くから、浴衣着てきてね」
「お―っ、わかった。加奈ちゃんの浴衣姿観れるの楽しみにしてるから」
そして私と涼太は夏の花火と共に恋する気持ちもヒートアップしていくのである。
思い付きで「終火」から勝手に私が妄想して描き始めた恋愛小説ですが
続きはまた気が向いたら近々アップするのでお楽しみに~♪
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