【LUNA SEA同タイトル小説】『SHADE』

【LUNA SEA同タイトル小説におけるマイルール】
*LUNA SEAの曲タイトルをタイトルとする
*タイトルの意味と、曲から受けるインスピレーションをもとに創作する(歌詞に沿った話を書くわけではない。歌詞の一部を拝借する場合はあり)
*即興で作る
*暗めなのはLUNA SEAの曲のせいです(笑)特に初期…
ノーマルの創作はこんな雰囲気です

うーん、小説じゃないですね…。
なんだこれは(笑)
即興なもので、思いつかなかったのでしょう…(^^;

『SHADE』

 この世には、日陰でしか生きられないモノもいる。
言うなれば、いつも日なたから逃げているようなモノ。
彼もその中のひとつ。今日も、たくさんの日なたから逃げている。
 夢の中でさえ、日なたはやってくる。明るい光。
楽しげな空気。笑顔さえも彼には逃れるべきものなのだ。
彼はいつも逃げている。たくさんの日なたから。
 目の前に大きな建物があった。教会のような高い塔。
それの一角は白く眩しい。しかし、もちろん日なたがあれば日陰がある。
 彼は日陰にある扉から、中へ入った。逃げるように。転がり込むように。 塔の中に一歩踏み込むと、鐘の音が聞こえた。
教会の鐘の音だろうか。外からではなく、内から鳴り響いている音。
壮大な音。やがてその音は彼の頭の中でこだまする。
 鐘の音を聞きながら彼は、逃げ続ける。あらゆる日なたから。自分の求める日陰へ。
 塔の中には扉が無数にあった。扉を開け奥に行くと、その直線上にまた同じ扉があった。
その扉の奥にもまた扉があった。
 彼は逃げ続ける。扉を開け続ける。
 日なたに捕まるわけにはいかない。彼は陰なのだから。
 鐘の音は鳴り止み、バタンと扉の閉まる音がした。
 現実のような夢。夢のような現実。
 彼は日の当たらない日陰で生きて行く。日なたがある限り。


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