【怨霊観戦記】第6期V名人 C級空組 奄美くろ 対 茶鹿秀太


※なにこれ!

 VTuberの将棋大会、V名人戦の観戦記です。観戦記とか初めて書くし、まぁ全局は無理なんで、自分が中継や聞き手担当になった対局や、気になった対局について観戦記を書いていこうと思います。ちなみに私はウォーズ初段なので、将棋の面では適当言ってる可能性があるので鵜呑みにしたら、つらいピヨ……

〇対局情報

対局日:2023年8月4日(金)21:00〜
先手:奄美くろ
後手:茶鹿秀太
中継:Unfelth
聞き手:都賀町えいだ

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〇対局前

 奄美くろさんはVSリーグや鋭藍戦などなど、V名人戦だけではなく他棋戦でも活躍している方で、将棋Vリスナーなら見たことはある方だと思う。採用する戦法が特徴的で、序盤での作戦勝ちが多いイメージがある。
 対する茶鹿秀太(しゃろくしゅうた)さんは、ご本人曰く「真剣に将棋やった歴は3週間」とのことで、かなり緊張している様子。反則負けだけはしないように頑張りたいと語っていたが、過去、S級も運営陣も棋戦では反則してるので大丈夫ですよ!

 このカードはリーグ1位の奄美くろさんと、新規参加者で見るのが初めてな方が多いだろうの茶鹿秀太さんのカードとなった。さすがに実力的にはV-B級の選手相手でも勝ち星を挙げる奄美くろさんが上だとは思うので、強敵相手に茶鹿秀太さんがどこまで食らいつけるかという感じの対局になると思う。

〇対局内容

・22手目 △5三銀左

 初手から先手の奄美くろさんがノーマル四間飛車、後手の茶鹿秀太さんが飛車先を突きこす居飛車の船囲いの駒組で、オーソドックスな対抗形の出だしとなった。
 △5三銀左という真面目に勉強し始めて3週間とは思えない手に、中継陣は大盛り上がり。先手のくろさんもここでいったん手が止まった。▲4六歩、▲3六歩と高美濃を目指す先手に対して、△6四歩に△5五歩と位を取る展開に。

・36手目 △6二飛

 銀冠に組んだ先手に対して、後手は△5三銀と右銀も中央に挙げながら△6二飛と右四間飛車に構えた。中継陣も指摘しているが、後手は△2五歩と突いてしまっているので、手筋の△2五桂が出来なくなってしまっているのが少し難点。
 後手はすぐに攻め掛からず更に歩を前に進めていき、先手は▲6三銀や▲9八香と守りを固める。

・41手目 ▲5二飛

  ここで奄美くろさんが2分以上使って▲5二飛。
 この手前の局面で中継陣は▲2五桂が無いのと、▲4四歩と▲5五歩で角道が止まってしまっているので後手の右四間飛車が攻めづらいのと、先手が銀冠で形よく駒組で来ているので、局面は互角ながらも先手持ちという感じという感じだった。
 ▲5二飛と、6筋の効きが減ったのを見て△6五歩とつっかける。▲同歩、△同銀、▲6六歩打、△5四銀引、▲5六歩と今度は先手から動く。

・51手目 ▲5五銀

 △同歩、▲同銀に攻めの手△6四歩に対して、3分使って▲5五銀と銀をぶつけていった。△4五歩や△6六歩も考えられたが△同銀と取り、この時点で奄美くろさんが持ち時間4分、茶鹿秀太さんが持ち時間9分と、持ち時間に5分の差ができている。
 本譜はこの後▲同銀、△同飛、▲5九飛と引いた。△4五歩や△6六歩が見えるが、△4三金と上がって囲いに手を入れる。

・60手目 △同銀(5四銀)

 ▲5五歩打を無視して△6六歩と歩を取り、△6七歩成を急ぐ。しかしこれで銀損となってしまったため、後手が少し有利だった形勢が戻ってしまったように見える。感想戦では▲5五歩打に銀引きは、とにかく飛車を動かしたかったから銀を引く手は見えなかったとのこと。
 ここで奄美くろさん持ち時間が切れて、1分将棋に突入。
 

・67手目 ▲9七角

 △5五歩打と後手が五筋を抑えるも、先手の8四銀打が痛打。桂を跳ねて、飛車を浮いてよけるも▲9七角で飛車に当たり、後手としては先手に手番を握られる形となる。△7五歩と受けるも受けになっているか怪しい手で、▲同角に△3一角とするも、▲6四角、△同角、▲6二飛打と痛い手を打たれて、4二角と打つ。

・78手目 △4五歩

 角を追われて龍を作られ左側が制圧される形になり、持ち駒に銀があるためクロさんペースに見えるが、後手から4五歩から攻めの手を見せる。△3七桂と跳ねて、△4六歩、▲同金、△4五歩、▲4七金と進行し、△6七歩成とと金を作ることに成功。▲6四歩と歩を垂らす手にと金を寄せていって、6五の桂馬を活用して金桂交換に成功。

・99手目 ▲5二と

 しかし後手の攻め手が続かずに、▲5二ととついに後手の守りに手が付いてしまう。△同金、▲同龍、△4一金、▲6一龍、△8八角成と馬を作るも△9八馬と香を取った瞬間に、▲2五香打からの▲2三香成が痛打。△同玉、▲4一龍と壁を突破されてしまう。

・119手目(投了図) ▲2二龍

 後手の持ち駒が歩と2枚の香車で、先手の持ち駒は金銀桂と豊富。△8七馬から6九の飛車を取るも、「くろさん、いけー!」という声援がコメント欄から飛ぶ中、▲4二龍、△4三金、▲2四銀打、△同玉、▲2二龍とされて投了。以下、2三の合い駒しかないが、▲2五金打の一手詰め。

○本対局の感想

 茶鹿さんはくろさんが振り飛車党ということで、その対策として左銀急戦を用意してきた模様。中盤辺りは形勢は茶鹿さんが若干有利に向いた局面もあったりと、正直初心者とは思えない、かなりいい勝負をしていたと思う。
 感想戦で茶鹿さんは、51手目あたりの形が事前研究で友達と「この形面白くね?」となった形らしく、とにかくこの形を目指してそれから考えようという作戦で、本人曰く「序盤しか勉強する時間が無かったから、深さは無かったですね」とのこと。

 奄美くろさんは流石の指し回しで、初戦を勝利で好調な滑り出しを決めることが出来た。まだまだ、真澤門下の三歩未知さんにV竜王戦では白き悪さんに白星をあげた野っ太郎さんと油断ならない面々との対局が待っているが、この一勝は初戦の勝利はモチベーションも上がったと思う。
 茶鹿秀太さんは初心者と言いつつも、中盤は有利になるくらいの実力の高さを見せつけ、リスナーの印象に残るような見事な戦いっぷりだったと思う。負けてしまったものの、この対局自体は楽しく指せていたそうなので、よかったと思った。

 正直なところ、将棋配信もしてないししょしんしゃみたいだからなぁと、あんまり期待はしてなかった茶鹿秀太さんが想像以上に強くて、これはC級空組はかなり要注目な組になりそうと思った。
 でも、私は野っ太郎さんを応援してるよ!がんばれVRC将棋の民!(唐突な依怙贔屓)


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