【更新したよ】VSCC卵予選の個人的な予想と観戦記 Aブロック
※なにこれ
「書いていいよ」と運営から言質は取った、VSCCの予選に参加する選手の細かい情報と、どんな感じの戦いになるかと予想したり、終わったら観戦記も書いてしまおうというアレですyo。
「長い物には巻かれろ、人気のある企画には乗ってけ」が信条なので、ここぞとばかりに乗りに乗って行きたいと思いますyo。hey Yo。イェーイ。
○前の記事
○本家のツイート
○予選放送枠
○選手情報
1、検察側の証人
・視点配信
・解説
将棋は半世紀ぶりに指すという、将棋歴は1番ありそうな、初見ではなんと呼んだらいいか困る名前の検察側の証人さん。
使用戦法はノーマル四間飛車で、駒組の仕方を見るに以前から指していた戦法なんだと思う。アニキである一梨透さんが振り飛車党と相性は非常に良さそう。棋風は持久戦を好むような感じで序盤では硬い駒組を目指す指し手が多く、攻め方もじっくりとした手が多い感じを受ける。
ウォーズでの棋力は局数をこなしていないためまだ級位が確定していないが、月別のほうでは5級ほどと言った感じ。将棋配信はVSCCへの参戦が決まってからウォーズ配信を行っており、基本的には裏で練習している様子。
2、かにみそ
・視点配信
・解説
大会開始から将棋を初めて、同じVPL所属である細谷拓真さんをアニキに参戦したかにみそさん。将棋歴については、このブロックでは1番浅い。
使用戦法はノーマル四間飛車で、アニキである細谷さんの影響が伺える。棋風は初心者には珍しい受け棋風で、戦法とは非常によく合っている感じは受ける。自分から攻めるとか固く囲うというよりは、相手の攻め駒を追い回して攻めを切らせるような手を好む様子で、自陣にもどんどん駒を使っていくような棋風。
ウォーズの級位は確定してはいないが8~7級ほど。結構将棋のコラボ配信もやっているが、基本は裏で勉強したり、ぴよ将棋をやったりというのが中心で、あまり野良対局自体はやっていない様子。
3、XK⇒ペケ子
・視点配信
・解説
参加者凸待ち配信では熱い将棋愛をアピールした、見る将のペケ子さん。将棋歴は将トレから初めて1年前から配信でウォーズをやっており、参加者の中でも長い方である。
使用戦法は見る将らしいという感じで、相掛かりや角換わりも指す居飛車党。アニキであるうーたさんも居飛車党で、戦法については色々アドバイスを受けている様子。棋風はなかなかに思いっきりのいい攻め棋風で、中でも駒得や相手の急所を攻めるような筋のいい手を好む感じがあるように思う。
ウォーズでの級位は5級と、今回の参加者の中では参加時点で1番高く、配信では基本的には野良対局を行っている。時間制限のある対局は1番指し慣れているので、今回の大会では10切れの経験が生きてくるかもしれない。コラボ配信では、VSCCで落選してしまった鞠乃ひよさんと指し、対抗系の将棋で勝利している。
4、ぽめ
・視点配信
・解説
今日も元気に配信でポメラニアンビームをかましているぽめさん。将棋歴はアソビ大全で指しているところを将棋Vに見つかり、そこから将棋を初めてまだ4ヶ月ほどと言った感じ。
アニキは以前から関わりのある電子れいずさんで、使用戦法は棒銀を主体とした居飛車党と言った感じ。棋風はかなり攻めっ気の強い感じで、駒組にはあまり時間をかけずに自分から手を作りに行くような手が多く、鋭い手がよく出る印象を受ける。
ウォーズの級位は予選前に6級から5級に昇級した。色々な人に教わったり対局したりとアクティブに活動しており、特に「ぽめしち」のコンビで蟹久保しちみさんとよく将棋関係の配信をしていることが多い。ちなみに現在のぽめしちは4勝2敗だそう。
・見どころとか
Aブロックはおそらく、総合的には1番棋力の高いブロックにはなったんじゃないかなと思う。
かにみそさん以外の3人は大会前からの将棋経験ありと、かにみそさんには少し大変な組み合わせにはなったのかなという印象がある。棋力的にはそこまでの差は無さそうだが、時間制限のある将棋を指し慣れているか指し慣れていないかという点では、経験値的な差は出そうかなと。
今回、居飛車党が2人のノマ四間が2人という、事前情報では奇抜な戦法を使う人が居ないので、序盤でハラハラするような展開にはならなさそうな気はする。作戦勝ちを狙うにはひと工夫必要かもしれない。
○観戦記
・1局目 先手:ぽめ 後手:検察側の証人
大会最初の一局は、ぽめさん 対 検察側の証人で、先手居飛車、後手四間飛車の対抗形となった。後手が美濃囲いに囲い終わる頃、先手は金無双急戦の形から3五歩と早々に仕掛け、居飛車側から仕掛ける展開に。ぽめさんは用意の作戦だった様子で、検察側の証人さんは初めて見る手だった様子。▲3五歩を△同歩と取る展開に。
中継陣は二人とも「本格的な将棋だ」と感嘆の声をあげ、コメント欄のはにみちゃんも「中継のきりこちゃんよりも上手い」との評。
先手は4六銀から3五銀と歩を取り込み、飛車先を攻めることに成功。先手は龍を作り桂馬を拾えた展開で、形勢としては先手優勢。後手は4筋の歩を伸ばしていき、攻め合いの展開に持ち込もうとするも、▲3四角打から5二角成の強襲が炸裂。
これを△同金と取り、後手は詰め筋に入ってしまう。▲7一銀打、△9二玉、▲8二金となり、先手ぽめさんの勝ちとなった。中継陣はこれは強いと大盛り上がりで、ゲスト解説の電子れいずさんも「セイトが優秀すぎて、言うことが無い」との評。
先手のぽめさんとしては作戦通りといった感じで、終始上手く指せていた。最後の詰みを読みきっての角切りも非常に鋭く、練習の成果をいかんなく発揮したと思う。
後手の検察側の証人さんは、駒組がしっかりしており粘り強い応手でなかなか勝負を決めさせない指し回しだったが、惜しくも角の強襲を防ぎきれずに敗れてしまったという印象。
・2局目 先手:かにみそ 後手:XK⇒ペケ子
1局目と同様に対抗形の将棋となった。先手が四間飛車、後手が居飛車で始まり、初戦とは違ってゆっくりとした展開の将棋に。お互いに駒組を進めていき、先手は銀冠、後手はミレニアム囲い(トーチカ囲い)という展開に。囲い終わったところで△8六歩と開戦、後手から飛車から切っていき飛車角交換を持ち込んで攻めていく。
後手は馬を作り銀を取り、先手は龍を作り桂を取れるという展開で、両方とも悪いとは感じていない様子。ポメヒさんは「形勢的には居飛車がよさそうだが、実戦的には先手が飛車二枚持っているのでまだまだ難しい将棋」との評。
先手はセンス良く▲3五歩とミレニアムの弱点を攻めていく方針で、後手は美濃の弱点を睨む△6四角打と、お互いに囲いの弱点を攻める将棋に。▲7二龍と飛車を中段に効かせる手に、曰く△3七銀打と放り込んで勝負していく。この手にはかくきりこさんも思わず「おぉ、マッスル」との一声。
▲同桂、△同桂、▲同金上に△3五桂打とふんどしの桂を決めて攻めていく。後手は△4五金と打って行き、6四の角を使って攻めていく方針で攻めていき、先手はこれを受ける展開に。ここから先手は時間に追われて行き後手の鋭い攻めを受け切れずに、後手が攻め切り勝ちとなった。
先手のかにみそさん、後手のペケ子さんどちらも作戦通りしっかりと囲い込む展開で、駒組は十分にできたという印象。後手のペケ子さんが狙いの攻め筋から攻めた行った局面からも、かにみそさんはしっかりとした応手で形勢は互角といったところ。
かにみそさんの受けの手もいい手が出て難しい将棋だったが、一瞬の隙を逃さなかったペケ子さんに軍配が上がったという印象の将棋だった。
・3局目 先手:検察側の証人 後手:XK⇒ペケ子
前局と同様に対抗形の将棋。先手は四間飛車、後手はミレニアムに行く方針で、序盤は中継陣が「なんかやだぁ。手つきが初々しくない」「早い早い早い」と評するほど、どんどんと手が進んでいく。お互いに囲いを進めていって、先手が▲6五歩と角道を開けて先に動いて行った。数手挟んで、▲4四角と先手から角交換をしていき、▲7二角打と打って行く。
馬を作る先手に対して、後手は飛車先の歩を切ってから△3九角打を決めて、中継陣がビックリの△6七歩打を決めたりしながら馬と龍を作ることに成功してポイントを稼いでいく。先手も馬を引いて粘り強い指し回しで、上手く飛車を追いかけまわして後手が着実に駒得をしていく展開に、しっかり自陣に駒を打って粘る姿勢を見せる。
後手はミレニアムが固いので、6九歩成からと金を作ってじっくり攻めていく方針に、先手は拾った桂香も自陣に打って受け切るという姿勢。固い囲いにじっくりとした攻めを見せて、じわりじわりと先手玉の囲いを崩していき、一瞬の隙に4八の地点に後手の龍が入り込み、そこから見事詰まし切った。
おそらく、今回の予選では一番長くなった将棋で、少し形勢が悪くなった後も先手の検察側の証人さんの粘り強い指し回しが光る対局だった。
お互いにいい手が出ており、後手のペケ子さんもなかなか攻め手の難しい局面となったが、一瞬の隙を見逃さなかったペケ子さんに軍配が上がる結果に。
・4局目 先手:ぽめ 後手:かにみそ
3局目が終盤戦に差しかかかる中、時間の都合で同時進行で4局目がスタート。こちらも先手は居飛車、後手が四間飛車の対抗形となる。先手が中継陣が秀逸と評する金無双急戦から初戦同様の3五歩を仕掛け、棒銀が決まる展開に。
ポメヒさんは「細谷アニキがちゃんと教えておいてほしかった」との評。しかし、ここから後手の受けが光り、形勢は先手が少し有利かといった具合になる。
先手が龍を作る戦果を挙げるも、駒割りは互角と後手がしっかり受けた形に。角道を開けると後手から角交換をし、3筋の歩を伸ばして攻め手を模索していく。先手は角を打ちこんで馬を作り、中継陣は振り飛車としては正念とを迎えたという局面に。順調に攻め手を進めていく先手に対して、後手も受けながら勝負形を目指していく展開に。
後手は駒損しながらも、と金を作り先手の守り駒を上手く剥がしていき、先手玉はかなり薄くなっていく。後手がしつこく先手玉を攻めていく手に先手は受ける展開となるも、流石に駒が無くなってしまい後手の攻め手が続かなくなってしまったところで、先手が反撃を開始。後手が豊富な持ち駒を使って攻めていき、後手も何とか食らいつこうといい手を出していくが、先手が攻め切って勝ちとなった。
先手のぽめさんがしっかりと棒銀を決めるも、後手のかにみそさんがそこからの受けがしっかりしており、先手としても危ない場面のある難しい将棋となった。
ぽめさんとしては、詰め方や攻め方にしっかりと勉強したところが生かされて、勉強が生きた将棋となった感じで、後手のかにみそさんは自分の棋風がしっかり出ており、粘り強い棋風を発揮した内容の将棋となったと思う。
・5局目 先手:かにみそ 後手:検察側の証人
お互いに四間飛車党ということで、今回初の相振り飛車となった。ほぼ同形でお互いに四間飛車に構えて美濃に囲んでいく駒組となる。積極的に歩を伸ばしたのは後手で、対する先手側は矢倉を目指すような駒組をしていく方針で指していく。先に動いたのは先手側。高美濃に囲う後手に対して▲8六角と上がり、▲6五歩から開戦を迫る。
中継陣が解説を放棄する中、先手側にうっかりが出てしまい、△同歩、▲同飛、△同桂となり、飛車を取られてしまう展開に。しかし先手が果敢に後手陣を攻めていって馬を作る戦果を挙げたりと、しばらくは先手が攻めて後手が受ける展開となる。
中継陣やコメントも「手の作り方が上手い」というほど、先手がしっかり後手陣を崩していき、形勢的にも大分盛り返していってるように見える。
駒得しているものの攻め手に悩む展開を迎えている後手番が、角を活用していこうと△5五角と出ていく。後手は積極的に角を使い、先手が歩を突いて攻めていくというお互いに攻め合う展開となり、いい手が出るも駒損している先手が苦しくなっていく展開に。気が付けば後手玉が入玉模様になり、先手は駒が無くいじりじりと寄せられて、先手が寄せきる展開となった。
序盤で飛桂交換となり、先手のかにみそさんとしては苦しい展開になるも、そこからの攻め方がかなり上手で、だいぶ形成を盛り返している場面もあった。しかし、後手の検察側の証人さんがこの受けをしっかりと受け止めて、最終的には見事詰まし切る結果に。互いに持ち味の出た将棋となったと思う。
・6局目 先手:ぽめ 後手:XK⇒ペケ子
最終局は、勝てば予選突破という熱い展開に。相掛かり調の将棋で後手が角道を開けて、先手は角道を開けずに棒銀を仕掛ける将棋となった。先手の棒銀に対して後手はしっかりと受けて、銀桂交換という局面。攻めの銀と守りの桂馬を交換し、先手が一歩得しているという感じで、初心者らしからぬ難しい将棋となっている。
後手は銀を上がり飛車を浮いて形を作り、先手は角道を開けて角の活用を図っていく。後手が角交換から飛車をぶつけて飛車交換をし、お互いに飛車角を手持ちにする。▲2一飛打に対しては△3一歩と底歩を打って、△3九飛打と打ってお互いに攻め合っていく展開に。後手の飛車交換の判断が良く形勢は後手に振れた様子。
後手の飛車打ちに6八玉と上がり、飛車の効率では後手が有利かといった感じ。先手としてはいい手が欲しい局面で▲3五香打に、△6九銀打として攻め合いの将棋になる。お互いに薄い玉の中、後手陣も先手からの怖い打ち込みがある中だったが、後手の鋭い攻めに先手は受けが難しく、後手が攻め切った。
急戦調で攻め将棋の先手のぽめさんの攻めを、後手のペケ子さんが上手く反撃したという感じの将棋になり、短い手数で終わったものの、あと一手差といったような激戦の将棋となった。
途中、後手から飛車をぶつけて飛車交換に持ち込んで後手の思惑通りの局面となったが、それに対して3五香打は手抜いても守ってもかなり厳しい攻めの手で、後手玉もかなり危ない形となっているが、これに対して上手く後手が反撃の手を出し続けられたのが勝因だったかもしれない。
・総感
今回の予選Aブロックは、優勝候補と目されていたペケ子さんが3勝0敗で予選通過となったが、それぞれの対局がかなりの接戦ではあったと思う。
今回のブロックは居飛車党2人の振り飛車党2人ということで対抗形の将棋が多かったが、それぞれが個性のある序盤戦で、思ってた以上に特徴が出る将棋になったという印象がある。
特にぽめさんの金無双急戦は印象的で、序盤早々に有利を築けていたのはそれだけしっかり戦法が練られている証拠で、中継陣も絶賛していた通りすごいと思った。
かにみそさんは、とにかく手の作り方にセンスがあるといった感じを受ける将棋で、粘り強い受け棋風と相まって非常に特徴的な棋風となっていた。
検察側の証人さんは、渋い指し回しが多かったイメージで、しっかり腰のすえたような落ち着いた印象を受けた。
ペケ子さんは、じっくりとさしてとにかく相手の隙を見逃さない指し手が多かったのかなというイメージで、そういった指してが勝因になった対局が多かったと思う。
最初っからこんな将棋で、かなりハードルがアゲアゲになった気がしないでもないが、これからのブロックでもどんな将棋が見れるのか楽しみ。
ちなみに私は裏で、天神八潮さん、あじあじさん、と三人でヴァロラントしてました。楽しかったです。