【怨霊観戦記】第6期V名人 B級鳥組 三寒詩音 VS 紫陽花さくら
※なにこれ!
VTuberの将棋大会、V名人戦の観戦記です。観戦記とか初めて書くし、まぁ全局は無理なんで、自分が中継や聞き手担当になった対局や、気になった対局について観戦記を書いていこうと思います。ちなみに私はウォーズ初段なので、将棋の面では適当言ってる可能性があるので鵜呑みにしたら、つらいピヨ……
〇対局情報
対局日:2023年8月5日(金)21:00〜
先手:三寒詩音
後手:紫陽花さくら
中継:常盤台メイ
聞き手:みっと兎実
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〇対局前
三寒詩音さんはV名人戦初参戦ということで、かなり緊張していた様子。紫陽花さくらさんは今期はそろそろA級に上がりたいと語っており、まぁまぁプレッシャーを感じている様子だった。
詩音さんは嬉野流使いということで、紫陽花さんはおそらく嬉野流対策をしてきているとは思う。個人的なイメージだが、紫陽花さんはこういった一点狙いの戦法についてはしっかりとした対策を持ってるイメージがあるので、詩音さんにとっても難しい展開になるんじゃないかと思う。
〇対局内容
・5手目 ▲7六歩
戦形は先手の詩音さんが宣言通りの嬉野流、後手の紫陽花さんは飛車先をつく居飛車の出だしとなった。が、しかし、先手は早々に▲7六歩と角道を開けていく。これに対して後手は△2六歩と飛車先の歩を交換して、▲7七銀と上がって受ける手に対して△2二飛と引き、オーソドックスな相居飛車の形となった。
これには中継陣のメイさんも「珍しい形」とコメント。感想戦では詩音さんは、相居飛車では嬉野流だと左辺が薄くなるので矢倉を組に行ったとのこと。
・30手目 △6五歩
△3六銀と上がり、先手が矢倉模様に囲いを作っていくのに対して、時間を使って△6四歩と突く。中継でメイさんが継盤で解説しているように△2五銀から攻めていく手も考えられたが、紫陽花さんは△6五歩と仕掛けていき、鎖鎌銀のような手筋での攻めを見せる。
これに対しては▲2四歩と飛車先を突き、△同歩、▲同飛。△2三歩打には横歩を取ってから▲6四飛と回り手があり、時間を使って5一金と両取りを回避する手を指した。
36手目の時点でかなりの時間差があり、詩音さんは14分19秒、紫陽花さんは9分42秒と、三寒詩音さんがかなりの早指しで指している。
・41手目 ▲2五飛
▲3四飛と横歩を取る手に対して△4四角と受けた。▲2四飛、△2三歩打、▲2五飛と引いて銀に当てる手に対して△6四歩と銀を支えて、▲4六角と6四の歩を狙う手には△3三桂と跳ねて2五の飛車に当てていく。▲2八飛に対して、狙いの△7六銀。
感想戦では、紫陽花さんとしては△6五歩に対して取り込む手ではなく▲6七金などを本線に読んでいて、そっちのほうが嫌だったとのコメント。
・47手目 ▲5五角
△9九角成を警戒してか、7六の銀は取らずに▲5五角と角の効きを遮断する手。しかしこれが悪手となり、△8七銀成、▲同金、△同飛成と金銀交換の上に龍を作られてしまい、ここで後手有利に形勢が傾いた。▲8八歩と抑えるも△7八金打と先手の左辺が崩壊してしまう。
△7六銀に対して▲同銀は△9九角成、▲7七桂、△9五歩のような手には▲3四銀打という手が中継陣から指摘されていて、感想戦では後手の受けが難しいとの判断だった。
・57手目 ▲8七角打
角交換をしてから▲8七角打と7八の金を取りに行く手。△8九金と桂馬を取り、▲6三歩打と怪しい手裏剣を飛ばす。これに対して△6五桂打と先手の角道を遮断しながら7七の銀を狙う手。中継陣からも「いい桂馬が入りました」との反応。
・68手目 △7六角打
▲4九玉と早逃げし、△7七桂成に取られそうな角を▲3二角成と切っていき、▲2一銀打、△4三玉、▲2三飛成と攻めていく。ここで時間を使って、攻防に効いた△7六角打。中継陣の解説でも言われているが△5八角成と金を取る手が、▲同玉、△8八龍で寄りの形になるので、▲5九銀と引いた。△6八銀打と手厚く攻める手に対して▲3八玉と逃げ、△5九銀成、▲同金、△8八龍と王手に▲2七玉と上部に活路を求める。
・76手目 △4五角打
ここで「目から火が出そう(黒羽蒼 談)」な王手龍の△4五角打。これにはみっとちゃんも「これは兎鍋になっちゃうやつです~」とのコメント。▲3六歩と王手を防いで△2三角と先手の龍を取られる。▲3二銀打と粘りの王手角取りをかけるも清算されて攻め手が残らず、先手としてはかなり苦しい局面に。
・93手目 ▲同玉(4五玉、反則手)
苦しい中も▲2八歩打と下からの飛車打ちを防ぐも、△2六歩、▲3八飛打とどんどんと追われていき、最終的には4五龍の王手に同玉と取ってしまって、これが反則手となり後手の紫陽花さんの勝利となった。
詩音さんとしては8分40秒ほど時間が残っており、もっと時間を使って読みたかったところか。
〇本対局の感想
三寒詩音さんは対局後のコメントで、緊張していながらも将棋の調子が良かったようで、ちょっと後悔の残る悔しい敗戦になったと語っていた。紫陽花さんとしては準備通りの展開とのことで、この辺りは「さすあじ」といったところ。
中盤に差し掛かるあたりまでは互角の進行だったが、△7六銀の対処がやはり急所だった様子で、この辺りのやり取りは経験が出た感じか。感想戦でも結構のあたりを掘り下げており、難しい変化もいくつかあった様子。
ちなみに三寒詩音さんが対局を動画で上げるらしいので、チャンネルを要チェックだ!