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【チェンソーマンの作者】藤本タツキ先生の経歴|圧倒的努力で人気漫画家へ【ルックバック】
こんにちは。saraです。
今回ご紹介するのは、ダークヒーロー漫画「チェンソーマン」の作者として有名な藤本タツキ先生です。
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「チェンソーマン」は、2019年から少年ジャンプにて連載が開始され、2022年現在までの累計発行部数は1,200万部を突破。
2022年からは「ジャンプ+」にて続編である第二部の連載、そしてアニメ放送もスタートするなど、爆発的な人気を誇る大人気作品となっています。
また、2021年に発表した長編読み切り作品「ルックバック」は、読者に加え、同業者である漫画家からも多大なる反響を呼び、「鬼才が描く衝撃作」として多くの読者の心を揺さぶりました。
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そんな藤本先生は、「天才」と称される一方で、その衝撃的な作風から「変人」「狂人」とも称されている漫画家さんですが、
その背景には常人では成しえない「努力」の積み重ねがあり、デビュー前は「漫画家になるか死ぬか」という覚悟でひたすら漫画と向き合って漫画を描き続けていました。
また、デビューしてからも現状の絵に満足することなく、どうすればもっと絵が上手くなれるのか常に試行錯誤し続ける強いハングリー精神の持ち主でもあります。
今回はそんな藤本先生の経歴や、チェンソーマンが誕生するまでの経緯についてご紹介していきます。
動画版はこちら(YouTubeも見にきてくれるととても嬉しいです。)
経歴
1992年10月10日生まれ、秋田県出身。
幼少期のころからとにかく漫画好きで、よく絵を描いていたそうで、
ストーリーを考えることも好きだったことから、中学生の頃には自分で架空の漫画雑誌を作り、脳内で7本もの漫画を同時連載していたそうです。
ちなみに、この脳内漫画は、高校生になってからも続き単行本16巻分になった作品もあるそうで、その作品の連載が最終回を迎えたときには、感動のあまり涙が出そうになって堪えたこともあると語っています。
高校生になると、ウェブコミック投稿サイト「新都社」に漫画をアップし始めます。
そして、17歳の時に読み切り作品「庭には二羽ニワトリがいた。」を月例の漫画賞へ投稿し、この作品が現在の担当編集でもある林士平さんの目に止まり、担当編集が付くことになります。
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当時の作品について林さんは、「17歳という若さと、常識をはみ出る時に滲む「熱量」に可能性を感じた」と振り返っており、この頃から藤本先生の漫画家としての才能が垣間見えますね。
担当が付いてからもひたすら漫画制作を続け、高校卒業後は、東北芸術工科大学美術科洋画コースに進学。
担当編集に「とにかく画力をあげてほしい」と言われていたこともあり、在学中は、自分よりも絵が上手い人がいるのが悔しくて、
「4年間でこいつらより上手くならなければ、俺はもうこいつらを殺す。絵が上手いまま野放しにしてたまるか」と覚悟を決めてひたすら絵の上達に打ち込みます。
藤本先生は後に「絵が上手くなり始めたのは大学生の頃」と振り返っていることから、この大学での努力が画力の底上げに繋がったことが分かりますね。
また、藤本先生は、当時の自分について「もっとデッサンをやっておけばよかった」と度々発言していることから、自身の画力への探求心が今もなお尽きないことが伺えます。
画力向上の努力をしながら、ひたすら漫画制作を続け、大学在学中の2013年に、読み切り作品「かみひこうき」で第3回クラウン新人漫画賞特別賞を受賞。
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さらにその2か月後には、「佐々木くん銃弾止めた」で第5回クラウン新人漫画賞の審査員特別賞を受賞します。
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ちなみに、この時の賞金で液晶タブレットを購入し、以降の作品は液タブで制作するようになったそうですね。
大学を卒業した後は、「漫画家になるか死ぬか」という覚悟で家賃2万円のアパートで貧しい生活をしながらひたすら漫画制作を続け、「ジャンプスクエア」に作品を投稿し続けます。
当時は、アルバイトをするのが嫌だったそうで、この頃の生活費の全ては読み切りの賞金で賄っており、デビュー前は、貧困に苦しみ拾ったものを食べたこともあるそうですね。
怒りなどの感情を漫画にぶつけているという藤本先生は、その感情を原動力にして、すぐにネームを描き、読み直すことなく担当さんへ送るというスタンスをとっていたそうで、
平均して週2~3本、多い時は毎日1本というかなりのハイペースでネームを作っていました。
そして、2013年に読み切り作品「恋は盲目」で第9回クラウン新人漫画賞佳作を受賞。
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これがそのまま「ジャンプスクエア」にて掲載され、23歳という若さで漫画家デビューを果たします。
作ったネームの多くがボツになりながらも、毎日懸命にネームを作り続けたことが、23歳という若さでのデビューに繋がっていると言えますね。
その後も連載を目指して漫画制作を続け、
「シカク」や「予言のナユタ」などの読み切り作品を掲載。
他にも多くの漫画を作り続けたことにより、藤本先生はこの頃から「自分の好きな作品や好きなシーンを上手く自分なりに取り込んで漫画を描けるようになった」と振り返っており、
担当編集も「予言のナユタ以降、藤本タツキらしさが毎作品しっかり込められるようになった」と話しています。
そんな活動を続ける中で、連載を目指し「ファイアパンチ」をジャンプスクエアの連載会議に出しますが、残念ながらここでは2回作品を落とされてしまいます。
その後、担当編集が「あの作品を世に出さないのはありえないだろう!」との想いから、少年ジャンプ+に作品を持ち込み、2016年から「ファイアパンチ」の連載をスタートさせます。
ファイアパンチ
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売れる漫画が描きたいと思っていた藤本先生は、「ファイアパンチ」を描くにあたり、長く愛されている「ドラえもん」・「サザエさん」・「アンパンマン」などの作品を参考にして設定を練り上げたそうです。
そして、「自分の顔を分け与えて食べさせる」というアンパンマンの設定が奇抜かつ面白いと感じ、
そこからヒントを得て「飢餓にあえぐ村人に自分の肉を分け与える主人公」という奇抜な設定が誕生します。
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また、タイトルである「ファイアパンチ」も、アンパンマンの必殺技「アンパンチ」から着想を得ており、そこから「炎」を目立たせるために、寒い世界が舞台の設定へとなっていったそうです。
さらに、藤本先生は話題作りのために「物語が展開される中で、読者が事前に予想していた展開からまったく別の方向へ進んでいくマンガを作りたい」と思っていたそうで、
これにより、ファイアパンチは1巻では復讐劇、2巻ではそれを否定するギャグテイスト、3巻ではさらにそれを否定するヒーローもの。といった様に、読者の予想を裏切る方向に次々と物語が変化していくのが特徴の漫画となっています。
「ファイアパンチ」は、その斬新な設定、過激な描写、予想を裏切る超展開でネットを中心に話題沸騰の漫画となり、2016年~2018年まで連載され、全83話・全8巻で完結を迎えます。
ちなみに、ファイアパンチ連載時には「地獄楽」の賀来ゆうじ先生、「SPY×FAMILY」の遠藤達哉先生、「ダンダダン」の龍幸伸先生など、そうそうたる漫画家さんがアシスタントをつとめていたそうですね。
チェンソーマン
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ファイアパンチの連載終了後、担当編集と「次は少年ジャンプで連載をしたい」との話になり、少年ジャンプでの連載を目指して連載会議用にチェンソーマンのネームを作り始めます。
チェンソーマンは、最初はストーリーからではなく、キャラクターのデザインから作り始めたそうです。
ファイアパンチを連載している時には既に考えていたそうで、「胸のスターターを引くと、頭からチェーンソーが出てくる」というアイデアを、アシスタントと話しながらビジュアルを固めていったとのことです。
また、チェンソーを主役に選んだ理由は、一番荒々しくてかっこよくて、ストーリーに出した時に一番皮肉をつくれる武器だと考えたためだったと語っています。
担当編集は藤本先生から「この主役を描きたい」とチェンソーマンのデザインを見せられた時、「悪役にしか見えない」と反対したそうですが、
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後に「普段は人間の少年の姿をしている」という話を聞いて、そこから主人公のデンジが誕生したとのことです。
また、担当編集と過去の少年ジャンプの連載をチェックした結果、「最近は性欲に忠実なキャラがいない」との結論に至り、そこから性欲に忠実なデンジの設定が決まっていったそうですね。
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こうして誕生したチェンソーマンは、2018年から少年ジャンプにて連載をスタートさせます。
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少年誌とは思えない過激な描写と予想の斜め上をいく圧巻のストーリー展開で瞬く間にジャンプを代表する大人気作品となり、2021年に怒涛の展開で第一部が鮮やかに終幕。
2020年に「このマンガがすごい!2021」オトコ編の1位にランクインし、11巻までの累計発行部数は1,200万部を突破する大ヒット作品となっています。
2022年からはジャンプ+にて続編である第二部の連載、そしてアニメ放送もスタートするなど、まだまだチェンソーマンの熱は続きそうですね。
ルックバック
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そして、2021年7月に「ジャンプ+」にて、長編読み切り作品「ルックバック」を掲載します。
ルックバックは、ジャンプ+で無料公開されるとすぐさま話題沸騰となり、たった1日で250万閲覧数を記録。読者に加え、同業者である数多くの漫画家から絶賛され、心を揺さぶる衝撃作として注目を集めました。
ルックバックは「このマンガがすごい!2022」オトコ編で1位にランクインし、藤本先生は前年度の「チェンソーマン」と合わせて、 2年連続の1位の獲得となっています。
ちなみに、藤本先生は無類の映画好きとしても有名で、チェンソーマンやルックバックは、多くの作品のオマージュとなっていることでも話題になっていますね。
まとめ
今回は、「チェンソーマン」の作者として有名な藤本タツキ先生をご紹介しました。
「天才・変人・狂人」と称されることが多い藤本先生ですが、
それは学生時代からひたすら漫画と向き合い、覚悟を持って努力をし続けてきた背景があるからこその呼び名と言えますね。
(個人的な感覚ですが、新妻エイジ感がすごいですね...。)
学生時代からひたすら漫画を描き続け、ジャンプを代表する大人気の漫画家となった藤本先生。2022年からスタートするチェンソーマンの第二部の連載と共に、アニメ放送もとても楽しみですね。
最後までご視聴いただき、ありがとうございました。
またね。