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【マレーシア】自意識過剰と防衛心の狭間で揺れる二段ベッド

こんにちは、

今日は旅人としての私の過去の話をしたいと思います。
この記事に出会った方の中には、これから一人旅をされる方もいらっしゃるかもしれないので、

過去にこんなことがあった人がいるらしい

と言う程度にお読みいただき、旅の安全は自分で守っていただければと思います。


マレーシア一人旅

あれはもう10年くらい前、まだ20代のかわいい娘だった頃の話です。
(今も美容医療して運動して頑張って生きてるからかわいいです。)

私の当時の趣味は海外一人旅でした。
もともと新卒で3年でお金をため、会社を辞めて世界一周に行こうという夢を持っていました。
結局仕事が面白くなっちゃって辞めなかったんですけどね。
(それがよかったのかよくなかったのかは誰にもわからないけど、私が今幸せなのでOKだと思っています。)

その頃の私は連休さえあれば海外に一人で行き、行ったことのない場所を制覇していく、地球のスタンプラリーを超絶ゆっくり行っていました。

そんな中である年のゴールデンウイーク、私は一人でクアラルンプールに行きました。

初めてのエアアジア、初めての深夜便。
到着からワクワクが止まりませんでした。

時期も時期だったため、空港到着後も日本人がたくさんおり、
若い娘だったのでたくさんのその場限りのお友達ができました。

早朝に空港についてから市中心部まで一緒にバスに乗ったITベンチャーの社長(今思うとあの人たち本当に社長だったんかなぁ)、
山奥の郵便配達員さん、
彼氏が急に予定を入れちゃって暇になったから一人旅に来た年齢の近そうな女の子、
観光地で一人旅同士で写真を互いに撮りあった年齢の近そうな男性…
いろんな人としゃべるのがとっても楽しかった。

彼との出会い

日本人との交流も楽しかったのですが、この旅で宿泊したのがゲストハウスだったということもあり、外国人旅行者とも知り合いました。
私は男女混合ドミトリーでしたが、同じ部屋の中東人、アブドゥルという男性と知り合いました。
国籍はイランって言ったかイラクって言ったか覚えていません。
どうやら期間を決めずに旅しているようです。

アブドゥルは片言の英語で話しかけてきて、
最初はフレンドリーに接していたのですが、だんだん英語で話すことに疲れて来てしまったので、
「ちょっと外に観光に行ってくるね」
と言って彼との会話を終了させ出かけました。

後から気づいたのですが、私が宿泊した2段ベッドが3つある6人部屋には彼と私しか宿泊客がおらず、
それなのにあろうことか。私は、彼の真下のベッドを選んでしまいました。

(正確には、他にも白人の女の子が1人いましたが、夜間ドミトリーで姿を見ることがありませんでした。)


そして夜


1日目の夜、私が部屋に戻ると、アブドゥルは既にベッドで休んでいました。
空っぽの他の2つの2段ベットと、満床の2段ベット(アブドゥルと私)。
実に不自然でした。
このベッドを選んでしまったことがアブドゥルに私が気があるとでも思わせてしまったのだろうか、
はたまたこの考え自体が自意識過剰なのではなかろうか、
と私の中でモヤモヤしながら、眠りにつきました。

前日にLCCの夜中のフライトで到着したので、体は疲れていて眠いはずなのに、蒸し暑くてなかなか眠れない。
部屋の中にはアブドゥルと私の2人だけ。
今更になって、これってもしかして事件になったときに誰も助けてくれないんじゃないか?と気づきました。
彼はフレンドリーに話しかけてはきたけれど、外国人だし、何を考えているかはわからない。
金品を狙われるかもしれないし、命を狙われるかもしれない。強●される可能性だってある。

急に恐ろしくなった私に追い打ちをかけるように、
アブドゥルは寝返りをすると同時に、上段のベッドから長い手を私のベッドのほうに垂らしてきました。
そして、まるで私にアピールしているかのように手をひらひらと動かし続けるのです。


怖い…


寝たふりだ。
寝たふりを決め込むんだ。

そう思った。私は、ひたすら体を動かさず、安定した呼吸だけを立てるようにし、
ただ、相手が急にこちらにおそいかかってきたときには、すぐに逃げられるようにとシミュレーションをしながら時が経つのを待ちました。

そしてなんと、

アブドゥルが動いた!

そして私に話しかけるのです。

「蚊が多くない?」



あれ、もしかしてこの人別に大丈夫な人?
そう思いも一瞬よぎりましたが、危ない人である可能性はまだ消えてはいないので、私はほぼ無視して眠りました。
今思うとあのもう一人の女の子が部屋に戻ってこないのって、こいつにセクハラされて逃げてるんじゃ・・・
そう思いながらも、あまりの疲れに徐々に眠くなってきて眠りにつ生きました。

そして、朝を無事に迎えることができました!

めっちゃ蚊に刺されてたけど。


翌日私がクアラルンプールで何をしていたのかは機会があれば別の記事にするとして、
(あ、イオンのドラッグストアで虫よけスプレーとかゆみ止めクリームを買いました。余談ですが)

夜宿に帰るとアブドゥルはそこにいて、私にニッコリ微笑みかけるわけですよ。
でも一度危ない人だと思ってしまったら、もう私は敵扱いで露骨に無視していました。
今思うと、犯罪を予防するにはこれぐらいして全く問題ないと思います。
むしろ、そのままもう1泊同じドミトリーに宿泊したのが危なっかしいなぁと思います。

この時の旅はGWの4日間で、1日目の夜中日本発、4日目の早朝クアラルンプール発、
つまり実質丸二日しか滞在時間はなかったんですね。
なので、アブドゥルを無視したその日の夜、私は早くも帰り支度をしていました。
宿のスタッフに早朝にタクシーを呼んでもらうようお願いし、荷造りをし、翌日は朝4時半には起きないとフライトに間に合いません。

私、とっても寝起きが悪く、目覚ましがないと起きられないので、
本当に申し訳ないけどバイブの音だけ出てしまうかもしれない。

しかもみんなが出ている時間に荷物をごそごそすることは確実。
そう思って、一応悪人の可能性もあるアブドゥルに事情を説明しました。

彼は「何時に起きるの?」と聞いてきたので、
なんでそれ聞くんだろうと思いましたが4時半と伝えました。

まあでもこの日はほかのベッドにも宿泊者がいたので犯罪は起きないだろうと思い、私は早々に眠りにつきました。
この日は蚊もいなかったしエアコンがよく効いておりぐっすり眠れました。


そして翌早朝


目を開けるとアブドゥルが視界にいました。
こいつやっぱり犯罪しようとしてる・・・?

そう思って反射的ににらんだところ、アブドゥルは言いました。

「4時半だよ。」

あれっ・・・
起こしてくれたの・・・?

やっぱり、いいやつだった・・・?

めっちゃ自意識過剰だった・・・?

まあそう思ってももう遅いので、
ささやき声でThank you.と言って速やかに部屋を出ました。


今回はたまたまいい人だったから良かったけど、
これをきっかけにMixドミトリー(男女混合ドミトリー)に宿泊するのはやめました。

何が言いたいかっていうと、

・旅の最中の安全は自分で守ること
・人を信用しきってはいけない。自意識過剰ぐらいでちょうどいい
・でも「外国人は悪いやつだ」みたいな大きな主語で物事をとらえないこと

です。

もうすぐお盆休みの方も多いと思いますが、皆さん、旅に行く方は気を付けながら楽しんできてくださいね!

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