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題名 「思い出の地」

帰れない場所が
儚い極光のように
切なく煌めいている。
懐かしい余韻が漂い
足を止めたい心と裏腹に
刹那の時は刻々と過ぎていき
もうここには居られず
前を向けと告げられる。
視線を後ろへ
振り返ってみても
辿り着くところは
今と言う時の空間。
ここに居ながら
足踏みをしているようで
時の流れに押されていく。
自分の手を引きながら
先へ連れていくように
戻らぬ過去を指さし
その手を胸に当てる。
溢れた思いをこの心は抱え
息を継ぎながら
大切な日々が進みゆく。

         紗羅

過去に戻りたいかと問われたら
今の自分は「いいえ」と即答。

ただ、昔に訪れた懐かしい場所を見ると
心を留めたくなる。

幼少期に連れて行ってもらった
天丼が美味しいお店があり

土曜日のお昼
保育園のお迎えのあとで
母親と一緒に行った。

土曜日=美味しいご飯

午前保育の後で
良く行くことが多かったため
そんな子供時代の記憶が残る。

当時、母親の妹の旦那さん
叔父さんには

「5歳で天丼なんて生意気だ」
そんなことを言われたりしたけど(笑)

うるさいなぁ〜くらいの
知らん顔の自分を思い出す。

月日を重ねて…
母親と叔父さんは永眠につき

天丼が美味しかったお店は
住宅地になっている。

その場所を通ると
懐かしい光景や記憶が
思い出の地として
心に残り、心は揺れていく。

生きていれば
良いことも、悪いことも
有無を言わず時は過ぎてゆくけど

自分の大切な時間は
何気ない日常にあるのだと改めて思う。

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