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題名 「冬の落とし物」
いつもの道には冬景色
今の季節を物語る。
流れる静かな時
少しずつ去りゆく証を残す。
氷の世界に陽が昇り
キラキラと輝きを増す深霜は
溶けて綺麗な雫となり
地へ落ちながら
眺めた視線の先に
ゆっくりと消えていく。
木々や草木もまだ眠り
枯れ葉一つ無いこの道は
閑散と淋しげに映り
冬陽が当たる風の揺めきは
目覚めを呼びかける。
まだ見えぬ春の便りに
どこからかやって来る兆しの予感が
この心に次の季節を思わせ
今の季節が落としていくものを
そっと拾うように留めていく。
変わりゆく日々の中
自身もその中を回るように
今日を噛み締めながら
春待つ行方を見つめ微笑んだ。
紗羅
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今日の詩は完成しました。
詩は空想のさらに上をゆく
起承転結を求めない
問いかけたらそのままで
投げかけたら何処かへ行ってしまう。
詩の文章に物語はなく
心を持たずいつも旅をしている。
でもこの後書きは
日記やエッセイとなり地に足がつく現実
自分の心が文章に表現され
思いや考えが全面に溢れ出す。
このまま少し踏み込んでみると
小説が浮かんだ。
詩とは対照的に物語があって
どんな結末になっても
起承転結は存在しながら
現実でも空想でも
文章は何処にも行かずに
目の前にきちんとある。
詩は心を持たず空にあり
日記やエッセイは深い心の情熱を持ち
小説は間をゆく人と心の物語
そんなことを
詩を書き終えたあとに考えながら
「心を持たずに心を持つ」
ふらっと自由に行き来出来る人であり
そんな詩を書きたいと思いました。