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題名 「友人への言葉」

若きあの頃の馴れ初めが
遠く感じてゆく中
鮮明に思い出され
懐かしさを辿るように
今は近くに感じる。
二人で歩き出す道
背を押し声をかけたあの日
笑顔を見せ淡々と
時より影のある横顔を見せ
自分が知らぬ深き思いが
そこには存在していた。
二人しか分からぬことに
絆と溝が深まり
これからの道を決めていく。
長い月日を連れ添い
さまざまな思いを抱え
導いた答えは互いの別離
ただ無言で彼女を見送った。
短い時を経て届いた便りは
連れ添った人との
永遠の別れを告げる風
手を合わせ
そっと目を閉じ
ゆっくりと身体を傾ける。

         紗羅

今日の朝
友人の誕生日と
今週会う約束をしていたから
LINEを送りその返信には

「一昨日元旦那が亡くなり
今日火葬の日だと」返って来る。

20年以上夫婦として連れ添い
1年前に別れを決めて

それぞれの道が始まっていた。

「手を合わせに行こうか…考え中で」

「行って後悔、行かなくて後悔の
 どちらかなら行った方がいい。」

 「本当に行きたいのか?」
 「世間体のためなのか?」
 「罵られるのが怖いのか?」

こんな文章が綴られていて
彼女の中ですごく葛藤しているのが見える。

職場の仲間に
どうしたら良いかと相談したら

「現実から目を背けないように!」
 そう言われたらしい。

私が友人に返したLINEは

「誰かにこの話をしている時点で
 もう行くことは決まっている。

 どんな事情があれ
 これが本当に最後。
 葛藤している小さな思いなんて
 もう時効でしょう。」

少し強めで
煽るように伝えてみたけど

「誰かに背を押してもらいたかった。」
そう返信が来た。

肝心な時くらい
思考や感情を捨て去り
素のままでいたいよね。

そう思う今日の始まりです。

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