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題名 「一人の道」

この世に生を受ける時
誰かの中で生まれ
誰かの元で育ち
温もりと冷たさは共に広がり
地を生きる道が始まる。
すべては自分の手で掴み
広げた手を見つめたら
心の空へ飛ばしていく。
道が狭まればこの身体は痛みを伴い
道が広がればこの身体は解放される。
それを知るために進みゆき
己の心を水が流れるせせらぎに変え
止まるその日がやってくるまで
どこまでも追いかけていく。
一人歩む道は過酷の日々
それを味わう度に削ぎ落とされ
自分は生まれ変わり
移りゆく今は一変しながら
陽だまりの道が存在する。

         紗羅

昨日友人との会話で
「新たな仕事を覚えることになった。」

そんな会話が始まり

「知らないことを覚えるのは面白い
知ることで0の可能性が1になる。」

彼女はそう言った。

正社員で事務仕事をしながら
サービス業のバイトもやっていて

会社側から
設計の仕事を手伝って欲しいと言われ

現場の人からも
こちらの仕事をやってみないかと
声をかけられていた。

彼女の出した決断は
今は事務仕事をやりながら
それに関わる設計の仕事を手伝い

現場の仕事に入ると
楽しいバイトの仕事が
出来なくなるから今は断り

また縁があるようならやってみたいと思う。
そんな話をしてくれた。

この話の流れに
他の誰かの存在や言葉は見えない。

すべてを自分で決めて答えを出し
今はこの道をゆくと語る彼女に
清々しさを感じ
心地良くも感じた。

彼女には5年くらい付き合っている
パートナーがいて

全くの真逆で向上心を持たない人だ。

仕事の話をした時には
「俺はそんな気持ちにはなれない」
「歳も重ねてきたし
これ以上頑張っても意味がない」
「もう充分に頑張っている」

彼女が周りから評価されていることに対しては
「俺が評価されないのは周りが駄目だから」

そう言われたとのこと(苦笑)

仕事の話になると
いつも合わないようで
ネガティブな発言になると
話題を変えてしまうらしい。

話を聞いているだけだと
マイナス要素が強くて
あまり良い気分はしないけど

彼女なりの道があり
悪いところは置いといて
良い所だけを掻い摘んで
その時間を共有して楽しむ。

そう言っていたことがあった。

「心の使い方が絶妙な人」
彼女のことをそう思っていて

彼女の道は
険しくも明るい光が差している。

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