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第4回「気候変動おしゃべりカフェVol.1『自分らしい行動』を深掘りするための対話とは?」のコーディネーターレポート
はじめに
皆さん、こんにちは。
札幌市環境局主催の「さっぽろ気候変動タウンミーティング(以下「タウンミーティング」と言う。)」のワークショップコーディネーター、ファシリテーターをしている対話の場づくり屋 SNUG代表の長谷川友子です。
このnoteではタウンミーティングの各回のレポートをお送りします。今回は第4回目のタウンミーティングの様子をお届けします!
「タウンミーティング」とは?
タウンミーティング全8回の流れ
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「さっぽろ気候変動タウンミーティング」は、札幌市環境局主催の全8回のワークショップ。
前半4回を「基礎編:ふむふむ、もやもや期」として気候変動の基礎を学ぶ時期、後半4回は「行動編:やってみよう期」と位置付け、気候変動や気候変動にまつわる課題を多角に学ぶことができるプログラムを予定しています。
タウンミーティングが目指す姿
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タウンミーティングは「市民が気候変動をはじめとする社会課題について対話する文化をつくる」という大きなビジョンのもと開催しています。
そのために、まずは札幌市内で市民が集まり、気候変動をはじめとする社会課題について学び、考え、行動していくため市民対話の場を試行錯誤しているのです。
タウンミーティングが大事にする二つのキーワードとは?
「公正な対話の場づくりの探究」
このタウンミーティングでは、立場や属性の異なる人々が集まります。ですから集まった人々が安心して対話できることが大切です。
そこで、話し合いの中にある当たり前を問い直し、どんな立場でも安心して発言できるような「公正な対話の場づくり」をタウンミーティング参加者全員とともに目指しています。
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具体的には、対話する上で知識ではなく一人ひとりの感情や学びを大事にしたプログラムを実施しています。
気候変動について詳しい方も、専門家も、初めて気候変動について学ぶという方もそれぞれの立場から安心して対話し、学び合うことができる対話の場づくりを目指しています。
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「自分らしい行動の試行錯誤」
でも、気候変動というキーワードで集っている参加者が対話して終わりではもったいない!そこで、このタウンミーティングでは、参加者が気候変動という大きな課題に向けて「自分らしい行動の試行錯誤」ができるような場づくりを目指しています。
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「自分らしい行動」とは、誰かの強制や同調圧力により行われる行動ではなく、一人ひとりの好奇心や疑問が動機となって行われる豊かで持続可能な行動のこと。
しかしそういった行動をするには、対話により関係性をつくり、時間をかけお互いの相互理解が必要です。
このタウンミーティングは回を重ねながら、参加者同士での「自分(たち)らしい行動を試行錯誤」できる関係性、対話の場を目指しています。
タウンミーティングを支える「ユースファシリテーター」たち!
タウンミーティングでは2024年9月から10月にかけて計3回のユースファシリテーター養成講座に参加したユースファシリテーターが活躍中。
グループ対話のファシリテーションはもちろん、参加者の意見の共有や各パートの説明も担うなど回を追うごとにユースファシリテーターの活躍する範囲も拡大中。
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また、各回タウンミーティングの前にユースファシリテーターミーティングを開催。
ユースファシリテーターも主催の札幌市環境局、コーディネーターとともにタウンミーティングのプロセスやプログラムについて話し合うことで、より多様な声をプログラムに反映させることを目指しています。
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第4回「気候変動おしゃべりカフェVol.1『自分らしい行動』を深掘りするための対話とは?」のコーディネーターレポート
第1回から第3回までは気候変動の基礎を学ぶために各回講師をお呼びしてタウンミーティングを実施してきました。今回第4回は市民対話のみのプログラムを実施しました。
開催日時:2025年1月15日(水)18:00-20:00
会場:bokashi
参加者数:13名
第4回のタウンミーティングの様子とは?
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今回は平日夜の開催。参加者の皆さんは学校帰りやお仕事終わりに参加してくださった方もいらっしゃいました。
参加者みんなでお菓子やあたたかい飲み物を手に取りながらタウンミーティングがスタート。
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まずは本編に入る前に、ファシリテーターから参加者へ全8回のタウンミーティングが目指す姿や目的などを参加者に共有しました。
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その後、これまでのタウンミーティングについて、グラフィックレコーディングを通して振り返りました。
今回の振り返りは、各回のグラフィックレコーディングを描き続けている菅原愛未さんことあみさんが担当。
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あみさんからは、各回のグラフィックレコーディングを描いているからこそ見えている視点をもとに、これまでのタウンミーティングについて説明してくれました。
タウンミーティング流 OST(オープンスペーステクノロジー)とは?
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さて今回のタウンミーティングの目玉は「気候変動おしゃべりカフェ」の名前の通り、参加者同士がおしゃべりするプログラム。
OST(オープンスペーステクノロジー)という対話の手法をタウンミーティング用にアレンジし、参加者同士の対話を行いました。
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OSTとはハリソン・オーエン氏が開発した対話の手法です。
複数の参加者からテーマを出してもらい、テーマの数だけ分科会のような対話を開き、テーマを出していないほかの参加者は対話に入りたいテーマを選び対話に参加することで、会場全体を使用しながら自由な対話の場づくりを行います。
OSTが通常の分科会と異なるのは、テーマを出した人がほかの分科会に移動することも自由で、分科会に参加していた人が対話の途中で新たなテーマを出し、新たな分科会を開くこともできるという参加者の主体性を重んじる点です。
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分科会を開いたとしても「もう十分話し終えたな」と思った場合、その分科会を自由に閉じることもできます。対話が終わった参加者たちは、会場内で行われているほかの分科会に自由に対話に参加することができます。
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そんなOSTについての説明をファシリテーターからしたあと、早速テーマ出しと発表の時間。以下の問いに向かって考える時間を過ごしテーマについて考えます。
「あなたはタウンミーティングの参加者と、どんな行動をしてみたいですか。」
テーマを思いついた人が発表する時間
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自由に対話する時間がスタート!
参加者は自由に会場全体を使って自分のための時間を過ごします。
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対話したことを全体に共有しよう
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次のアクションのための対話をしよう
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全体共有をしたあとで、参加者全員でOSTでの対話やその成果をもとに、私たちが実現したいことを具現化するために必要なことを対話しました。
対話した内容の一部を共有します。
・タウンミーティングの参加者同士の繋がり方のアイデアの洗い出し
これまでDiscordというアプリがタウンミーティング参加者をつなげていましたが、中にはDiscordを使用するのが難しいという声が上がりました。一方でLINEはプライベートのやりとりも含むためDiscordくらいの距離感がちょうどいいという声もありました。
そこで、任意で参加できるLINEのオープンチャットを作ってみることに!
・誰もが些細なことでも日々の気候変動について思ったことをつぶやけるようなオンラインでの仕組みづくり
タウンミーティングの参加者は気候変動について考えている時間、頻度、関心の度合いがばらばらです。しかしタウンミーティングに参加していないときに感じたことや情報、ささいな行動などを共有できる仕組みがあれば、参加者同士エンパワーされるのではないかという意見もありました。
・もっと対話する時間をつくりたい!おしゃべりカフェをまたやりたい…という声もありました。
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参加者同士で対話する2時間のプログラムは早くも終わりの時間に…!
第4回のタウンミーティングを終えて
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今回のおしゃべりカフェでは、参加者が「気候変動についてやってみたい」と思っていることを対話しました。
OSTの時間はたくさんのアイデアが対話によって生み出されました。しかし、その後の「次のステップを対話する時間」では場の空気がやや変化し、「行動すること」や「行動にまつわることを発言すること」へのハードルがある方もいらっしゃったように見えました。
でも、それも無理ないですよね。なぜなら、「行動」という言葉から責任感や緊張感、何かいいことをやらなくてはというようなことを思う方は多いはず。
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タウンミーティングはまだまだ続きます。参加者みんなでこれからもっと「自分らしい行動の試行錯誤」について、タウンミーティングでの対話を通して探究していきたいです。
「やってみたいと思っているけれど一歩踏み出せない原因はなんだろう?」「行動することのハードルの高さはどこから来るのだろう?」などをさまざまな角度から自分たちの足枷となっている仕組みや慣習、思い込みなどを一つひとつ点検し、自分らしい行動の試行錯誤ができる場になればと考えています。
第4回のグラフィックレコーディング
今回のグラフィックレコーディングはユースのあみさんこと菅原愛未さん。ありがとうございました!
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OSTで生まれた模造紙の数々もここでご共有します。
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【実施済!】第5回目のさっぽろ気候変動タウンミーティングのテーマは「気候正義と世界のいま」。
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開催日時:2025年1月26日(日)14:00-17:00(実施済)
会場:xStation01
講師:宇佐美誠さん(京都大学大学院地球環境学堂 教授)
こちらの開催レポートもお楽しみに!
第6回目のさっぽろ気候変動タウンミーティングのテーマは「気候変動と市民の活動を考える」。
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開催日時:2025年2月15日(土)14:00-17:00
会場:xStation01
講師:両角達平さん(日本福祉大学社会福祉学部 講師)
お申し込みはこちらから!
おわりに
さて、第4回のコーディネーターレポートはいかがでしたか。
今後もこのnoteではコーディネーターのレポートやタウンミーティング参加者のインタビューを掲載予定です。
それではまた、6回目のタウンミーティングでお会いしましょう!
さっぽろ気候変動タウンミーティング
コーディネーター・ファシリテーター
対話の場づくり屋 SNUG
代表 長谷川友子