【読むPodcast🎙】札幌千秋庵のおかしなはなし #01

2024年3月18日 18:02

※今回の【一日千秋】はPodcastと連動した記事になっています

札幌千秋庵では、2024年3月18日の山親爺のパッケージリニューアルと、山親爺のCM復活を記念して、山親爺に関する音声コンテンツを作成しPodcastで配信しています。是非Podcastを聴いて頂ければと思いますが、記事で読みたいという方向けに、Podcastのコンテンツを基にした記事を作成しました。一部補足も加えながら記事化していますので、あわせてご覧ください。

鈴木：う～ん！やっぱりおいしい！今日は、札幌千秋庵おかしなはなしvol.01ということで、このおいしい山親爺の話、最近リニューアルしたというあの話、お送りしていきます。ちょっとその前にもう1枚いただきます。

鈴木：札幌千秋庵のおかしなはなしは、札幌千秋庵の新商品や歴史について深く掘り下げる番組です。今回も札幌千秋庵の中西社長にお話を聞いていきます。

中西：山親爺は昭和5年からのロングセラーで、発売から今年で94年が経っています。

鈴木：94年の歴史というとかなり長いですが、はじまりはなんだったんでしょうか。

中西：札幌千秋庵で（山親爺を）発売したのは昭和5年ですが、そもそも山親爺というお菓子は千秋庵のルーツである函館千秋庵総本家の4代目の松田咲太郎さんが開発した商品です。松田さんが開発したところまで遡ると恐らく100年以上の長い歴史があります。

鈴木：すごく長い歴史があるんですね。そこからどのようにして札幌千秋庵にたどり着いたんですか？

中西：まず千秋庵の大本は函館総本家、ここからのれん分けをしていったんですが、最初に小樽千秋庵ができました。小樽千秋庵の当時の工場長が札幌千秋庵を開業したという歴史があります。のれん分けした千秋庵でも山親爺を販売してもいいよということで、各社で山親爺という商品を発売したようです。

鈴木：そして、札幌千秋庵で発売し始めて94年ということなんですね。

中西：札幌千秋庵は1921年に創業していて、その9年後の1930年から札幌千秋庵でも山親爺を発売しています。函館総本家の方にもお話を伺ったところ、創業者の岡部式二が松田咲太郎さんから山親爺の製法を教わっている姿を六花亭（昔の帯広千秋庵）の創業家の方が見ていたと聞いています。

鈴木：94年前はかなり目新しいものだったのではないでしょうか。

中西：以前は、バターやミルクはまだまだお菓子に使われる前の話だったので、そういった素材を洋風の煎餅に仕上げたというのは当時はかなり新しかったんじゃないかなと思います。

鈴木：何かキャッチコピーはあったんですか？

中西：昔のパッケージやリーフレットには、よく「高級洋風煎餅」という風に書かれていたので、身近な商品というよりはちょっと高級感のある商品だったかもしれないですね。

鈴木：レシピや材料は変わっていますか？

中西：レシピは昔からの製法でほとんど変わっていないと聞いています。

鈴木：山親爺はどんな風に作っているのでしょうか?

中西：水だねと呼ばれる水分値が多い生地になっていて、それを型に落として、その型をはさんで上火と下火で焼く「はさみ焼き」と呼ばれる製法で作っている商品です。

鈴木：実は先日初めて工場見学をさせていただいたんですね。たくさんの人の目があり、人の手があり、こうやってひとつひとつ手作りのような形でつくっているんだなと感動しました。

中西：機械をメインで使っているんですが、どうしても微妙な変化が出てくるので、人の目で調整しながら作っています。

鈴木：かなりじっくり焼きますよね。

中西：そうですね、大体6分くらい焼きます。じっくり火を通しながらパリパリとした独特の食感のある煎餅に仕上げています。

鈴木：山親爺の機械はかなり年季がはいっていますよね。

中西：昭和56年からずっと使い続けていると聞いています。古い機械の方が電子制御とかが入っていないので、実は長持ちするんですよね。機械的な部分は摩耗して時々故障しますが、メンテナンスしながらずっと大切に使っています。昔ながらの機械、昔ながらの製法でつくり続けているのが山親爺です。

鈴木：山親爺と言えば、やっぱり私たちの世代はCMがすごく印象的でもあったんですが、なんと今日からリニューアル版が放送ということになったんですね。

中西：はい。今日から新CMの放送が始まります。

鈴木：ぜひYouTubeやテレビをみてチェックしてもらえればと思うんですが、新CMを作ろうとなった経緯を改めて教えてください。

中西：山親爺を多くの方に改めて広めていきたいなと考えた時に、昔流れていたCMソングを思い描く方は多いと思いますので、CMを復活させようというプロジェクトがスタートしました。まず、前回もお話した通り、歌唱をYUKIさん、編曲を蔦谷好位置さんに行っていただいて、楽曲のところはプロにお任せして、我々はアニメーションのところを制作会社さんと一緒に作りました。

鈴木：YUKIさんにお願いした理由は?

中西：CMを作り直すなら有名な方に歌っていただけたら嬉しいなと思ったところから話がスタートしました。いろんなアーティストさんがいらっしゃる中で、YUKIさんが北海道でライブをされたとき、ファンの方がYUKIさんにアンコールをねだるときに山親爺のCMソングを歌っていて、YUKIさんもその後のアンコールで山親爺のCMソングを歌っていたと聞いて、まったく関係がないわけじゃないなと思い、ダメもとでYUKIさんにオファーしたところ幸いにも実現しました。

鈴木：実はわたしそのライブに行っているんですよ。

中西：本当ですか！

鈴木：CMソングを歌っているYUKIさんを覚えていて、すごくわたしも嬉しいです。道民にとってはYUKIちゃんが歌ってくれるんだ！という喜びがあります。社長はレコーディングには立ち会ったんですか？

中西：レコーディングには立ち会えていないのですが、楽曲が出来上がってすぐの現場にはお邪魔させていただいて、YUKIさんと蔦谷さんにご挨拶をさせていただきました。

鈴木：印象的だった言葉はありますか？

中西：こちら側がありがとうございますという感じなんですが、YUKIさんと蔦谷さんの方からも「携わらせていただいてありがとうございます」というお言葉をいただけたのはうれしかったですね。お二方ともワクワクして楽しんで、今回の制作に携わってくださったと聞いています。

鈴木：出来栄えはいかがですか？

中西：出来栄えは120点というか想像の上をいく仕上がりになっていて、昔から知ってくださっている方にとっては懐かしいですし、歌唱もYUKIさんなので喜んでいただけるかなと思います。聴いたことがない方もどこかノスタルジーを感じられるようなCMに仕上がっています。

鈴木：YUKIさんらしさも出ている?

中西：ものすごくYUKIさんっぽい歌になるかなと思ったのですが、最初に聴いたときはオリジナルの原曲の雰囲気を感じて、でも聴いていくうちにYUKIさんらしさも感じられるいいバランスで歌っていただけたと思っています。

鈴木：蔦谷さんのアレンジはいかがでしたか？

中西：アレンジの部分は大きく変わっています。昔の曲はシンセサイザーなどの楽器を使っているのですが、その辺りは変わっています。ただ、そこまで「変わりすぎていない」と言うか、世界観は残しつつも近代的にアレンジしていただいて、さすが蔦谷さんだなと思いました。

鈴木：北海道の皆さんは、昔のCMのアニメーションが記憶に残っていますよね？

中西：かなり記憶に残っているんじゃないかなと思います。アニメーション部分は昔のCMをほぼトレースしています。古いCMでは画角が4：3で、今のテレビは16:9なのでそこを直したりだとか、ノイズをなくすなど、現代のデジタル技術で映像は綺麗に作り直しています。

中西：アニメーション自体は昔の熊のキャラクターのままなので知っている方は懐かしいと思っていただけると思います。一部新しいキャラクターとして鹿が登場しています。今回のプロジェクトに携わっていろいろ調べていくうちに、直近のCMよりも前にCMがあったことを知ったんですが、白黒で曲も違うものだったのですが、そこに鹿が登場するシーンがありました。なので今回、北海道ならではの動物、キタキツネとかシマエナガとか冒頭で登場させようという話もありましたが、ガチャガチャしすぎないように鹿だけを新しいキャラクターとして登場させています。アニメーションの中に登場しますので、注目していただければと思います。

鈴木：一番最後たしか男性の声でナレーションが入りますよね？何と言ってるんでしたっけ?

中西：「贈り物、お土産に札幌千秋庵の山親爺」ですね。

鈴木：今回も新しいCMでこのナレーションは入っていますか？

中西：入っています。

鈴木：このナレーションの声がすごいんですよね？

中西：オリジナルの原曲（もとのCM）にかなり声質が近いんです。制作会社から音声のサンプルが送られてきて、最初に聞いたときにこれは近いぞ！と、雰囲気も似ているし、声質も素敵な方だったので、岩尾さんという方なんですけど、ぜひ岩尾さんでとお願いしました。出来上がりを聴いてみたら本当に原曲に近くて、私もびっくりしたんですけど、素敵な方にナレーションを入れていただけたなと思っています。

鈴木：新ＣＭが本日からリニューアル版として放送されています。今すぐ見たい、すぐに知りたいという方は、札幌千秋庵のYouTubeをご覧いただけるとよいかなと思いますので、みなさまチェックをお願いいたします。

中西：お願いします！

鈴木：さて、次回vol.02です。次回はパッケージのお話です。本日から店頭に並び始めている山親爺の新パッケージ！すごい素敵なんです。いろいろ聞いていきます。お楽しみに！