【読むPodcast🎙】札幌千秋庵のおかしなはなし #02

2024年3月19日 17:44

※今回の【一日千秋】はPodcastと連動した記事になっています

札幌千秋庵では、2024年3月18日の山親爺のパッケージリニューアルと、山親爺のCM復活を記念して、山親爺に関する音声コンテンツを作成しPodcastで配信しています。是非Podcastを聴いて頂ければと思いますが、記事で読みたいという方向けに、Podcastのコンテンツを基にした記事を作成しました。一部補足も加えながら記事化していますので、あわせてご覧ください。

鈴木：う～ん、やっぱりおいしい！おいしい山親爺ですけれども、CMはみなさん見ました？なんか感動しちゃいますよね～。さて、リニューアルしたのはCMだけじゃないんです。
今回は新しくなったパッケージのお話、詳しいことをいろいろ聞いちゃおうと思います。

鈴木：札幌千秋庵のおかしなはなしは、札幌千秋庵の新商品や歴史について深く掘り下げる番組です。vol.２では札幌千秋庵のデザイナー嶋田佳那子（しまだかなこ）さんにお話を伺います。

鈴木：さて、前回は「山親爺のCMをリニューアルしましたよ」というお話を中西社長に伺いました。そんな新しいCMと同時に山親爺はパッケージもリニューアルいたしました。
3月18日から店頭に並んでいるということですが、今日は札幌千秋庵のデザイナー嶋田佳那子さんにいろいろとお話を聞いていこうと思います。よろしくお願いいたします。

嶋田：よろしくお願いします。

鈴木：嶋田さんが担当された?

嶋田：はい、担当しました！

鈴木：札幌千秋庵に入社してどれくらいですか？

嶋田：入社したのが2023年の5月16日なので…まだ１年経っていないですね。

鈴木：そうなんですね！札幌千秋庵のことはもちろんご存知で?

嶋田：そうですね。

鈴木：（札幌千秋庵に）どんなイメージがありましたか？

嶋田：まず真っ先にあったのが、両親がCMの話をしていたのを聞いて「山親爺」と「千秋庵」という名前を知っていました。あとは大丸札幌店で生ノースマンを販売しているのを見ていて、そんな札幌千秋庵でデザイナーを募集しているということで応募しました。

鈴木：現在は札幌千秋庵でどんなお仕事を担当していますか？

嶋田：パッケージのデザインや店頭に並べるPOP、金額を書いたプライスカードなどの細々としたものも担当しています。

鈴木：2023年に入社して、パッケージのリニューアルに携わったということですが、まず、誰からどんなお話がありましたか？

嶋田：社長の中西さんからお話をいただいて、生ノースマンのリニューアルを担当したデザイナーの方にサポートいただきながらデザインを進めてほしいと言われました。

鈴木：率直に（新しい山親爺のデザインの）イメージはわきましたか？

嶋田：いやぁ…全然（イメージが）わかなくて…。まず自分がここまで全部担当すると思っていなかったので…（笑）山親爺をリニューアルするってなると、やっぱり北海道のみなさんにとって思い入れの強い商品だと思っていたので、そのイメージを大事にしたいと思いました。

鈴木：一番最初は何から始めていくんですか？

嶋田：まず、山親爺のこれまでの歴史を掘り下げて、今までどんなパッケージデザインだったかを調べて、どんな方向性に持っていくかを決めてから作業しました。

鈴木：一番最初に見つけたテーマみたいなものはありましたか？

嶋田：山親爺が「洋風煎餅であること」と、「北海道に開拓の歴史があること」から、アメリカの開拓時代などのオールドアメリカンなイメージがありました。
それからその時代のものを調べていくうちに、スキーのポスターやアメリカの国立公園のポスターからインスピレーションを受けて（山親爺の新しいパッケージデザインに）「イラストを使おう」と思いました。

鈴木：札幌千秋庵のCMはリアルタイムでは見てなかったんですよね？

嶋田：はい、見たことなかったです…。

鈴木：そんな世代の嶋田さんがそのオールドアメリカンというテーマに出会って、そこからの作業はどのようにして進めましたか？

嶋田：オールドアメリカンのイメージで最初は進めていたんですが、イラストを細かく書いていくうちにそこから少し離れたところに落ち着いたかなと思います。やっぱりCMの雪山と、青空を背景に熊がスキーで滑っている姿が象徴的だったので、参考にしたオールドアメリカンの資料をもとにイラストを描いて、これがこれからの山親爺かなと思いました。

鈴木：消して書いて消して書いて…と黙々と作業を進めていく感じでしたか？

嶋田：イラストのテイストは模索しました。もともとすごく渋く作られたデザインだったので、そのデザインも大事にしたいし、かといって渋すぎてもどうかなと思って…

鈴木：そもそも黒缶の山親爺は私たちにとって定番で、おじいちゃんおばあちゃんの家に必ずあるというお馴染みのパッケージでしたが、食べた後に何かしら入れて長く使うというイメージもあるんですが、そういったことは想定されましたか？

嶋田：再利用しやすいように（山親爺の）ロゴをあえて入れていないです。

鈴木：お店で並んでいる外箱には入っているけど、缶には入っていないんですか？

嶋田：どこにも入れていないです。イラストだけです。

鈴木：新しいですね！普通商品名って缶にも入れたくなるかと思いますが…

嶋田：今までも入っていましたし、私も入れようかなとも思ったんですが、長く使うことを考えると商品名が入るとインテリアとして置きにくいかなというのもあってロゴを入れてないです。

鈴木：さすがですね！あとはこだわった部分はありますか？

嶋田：レトロなブリキ缶らしさを出したかったので、蓋の淵の部分をシルバーであえて残しています。

鈴木：確かに！これは黒缶のときもそうなんですね。黒缶から着想を得た部分はありますか？

嶋田：最初は黒缶をベースにデザインしようかとも思いましたが、すべての箱に山親爺のロゴが入っていて、その背景がオレンジ色だったんですよね。

鈴木：熊がデザインされている紋章のような…たしかにオレンジになってますね。

嶋田：このオレンジをキーカラーにしてロゴはオレンジで配置しようと決めました。

鈴木：山親爺の（文字の）フォントはどうされましたか？

嶋田：昔から使われていた筆で描いたような文字の線を整理して、新しいロゴにしました。

鈴木：いろいろなフォントが見つかったんですって?

嶋田：そうです、いろいろなパターンがありまして…（笑）

鈴木：現在のパッケージだけでも様々なフォントが使われていたんですね？

嶋田：これまでも少しずつリニューアルしていたので、そのタイミングで新しいフォントが登場していろいろなパターンが存在しています。

鈴木：今回採用されたのは、重厚感のある山親爺のロゴで、それを調整してオレンジで描いたということですね。嶋田さんはこの新しいパッケージどのようにご覧になっていますか。

嶋田：CMを知っている世代の方にはCMを思い出してもらえるような、CMを知らない世代の方には新鮮に映るパッケージになったと思います。

鈴木：パッケージのこの山々はモデルになったものはあるんですか？

嶋田：札幌市内から見える山を参考にして描いています。

鈴木：スキー場はどんなイメージですか？

嶋田：山奥で熊は滑っていると思うので、スキー場というよりは、木がなくなっているところを熊が滑っているシーンをイメージにしています。

鈴木：私、すごく楽しみにしていることがひとつありまして…
先着で嬉しいおまけがついてくるんですよね？

嶋田：そうなんです。昔、小さな熊のフィギュアが入っていたんですけど、今回新しいパッケージの熊のイラストを元にしたフィギュアを入れています。

鈴木：今、新・旧で目の前に置かれていますけど、あえて昔の方から説明をすると、ご存知の方も多いと思うんですが、いわゆる木彫りの熊のような手のひらに乗るくらいのマスコットがたしかに以前も入っていましたよね！

嶋田：わたしは知らないんです…（笑）

鈴木：それが随分と熊がスタイリッシュになられて(笑)

嶋田：最初このフィギュアを作ってもらう会社さんにイラストで起こしてもらったんですけど、もっとイメージに近づけたいと思ってイラストに書き足して要望を伝えて、今の形になりました。

鈴木：どの辺が嶋田さんのこだわりポイントですか？

嶋田：パッケージのイラストが「等身がある」というか、小顔に見えるので、３Dのデータでも小顔でしゅっとしていたり、姿勢が違ったので、イラストでもう少し背中を丸くしたり、顔のバランスをかわいらしい感じにしたいと伝えました。

鈴木：嶋田さんの中で、「山親爺の熊といえばこういう熊だ」というイメージはかなりはっきりあったんですね。

嶋田：かわいらしいものがいいかなと思っています。

鈴木：可愛いフィギュアが先着限定で入っております。これは缶だけですよね？

嶋田：缶だけです。

鈴木：周りの方々や社長からはどんな声がありましたか？

嶋田：なんで青くしようと思ったの？よく思いついたねと言われました。

鈴木：今までのイメージが黒ですから、そこからみなさんが想像しないような色になったという声ですね。社長はなんといっていましたか？

嶋田：すごく好意的に受け取ってくれて、「いいものができたね」と言っていただけました。

鈴木：2023年に入社して札幌千秋庵で94年続いているロングセラー商品のこれからを担うパッケージを作ったわけですから、店頭に並んで多くの方が手に取るのが楽しみですね。

嶋田：みなさんがどういう反応してくれるか、お店に並んだ姿も楽しみです。

鈴木：ぜひみなさん、マスコットも先着ということですから、お早めにお買い求めいただければと思います。
さて、札幌千秋庵のおかしなはなし、今回含めて3本アップされています。
ぜひ聴いてみてください。

お相手は鈴木彩可でした。