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第2回PR塾開講

サポセンのイノ2です。

先週の異常な暑さから一転、平年以下の気温までぐっと下がり体調管理が難しい季節ですね。
インフルエンザも大流行してますので、手洗い、うがい、マスクと感染症予防対策をしっかりして、クリスマス、年末、お正月と元気に過ごせるようにしましょう!

また記事の投稿が遅くなってしまいましたが(反省)、11月3連休のど真ん中11月4日(土)、第2回PR塾開講しました。

今回のテーマは「広報は総合力」。

講師は久留米市役所職員で地域福祉マガジン「グッチョ」の編集長である秋山太さん。
2013年に広報課に配属され、2018年の広報くるめの大型特集で福岡県広報審査会広報部門1位を獲得。2020年に地域福祉課へ異動し、そこで、地域共生社会を身近に感じてもらおうと2021年7月に「地域福祉マガジン【グッチョ】」を創刊。2023年九州アードディレクターズクラブアワード審査員特別賞を受賞した公務員だけと公務員っぽくないすごい方なんです。
今日はその様子を少しばかりお届けします。

午前の講義の様子

そもそも広報って

日本広報学会の定義(2023年6月)によると、広報とはPR(パブリックレーションズ)という言葉が日本語訳されたもので、今年の6月に同学会が定義を発表しました。
その定義では「組織や個人が、目的達成や課題解決のために多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションによって、社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能である。」
うん。長くてヨコ文字もあっていまいちピンと来ないです。

秋山さんは、
「人との関係づくりであり、発信するだけの一方通行じゃない。」
「情報発信することはもちろん大事なことだが、それだけじゃなく、人との関係づくりから広報は始まっている。」
と解釈しているとのことです。

7年間の広報経験からグッチョの創刊まで

大型特集記事の復活

これまでの役所人生の中で広報に携わったことのない秋山さんは人事異動により広報課に配属され、当初何をして良いかわからないことだらけだったそうです。
一番最初に考えたことが、「読みたいと思われる媒体を作りたい」ところから始まったそうです。
そこで目をつけたのが、久留米市の広報紙「広報くるめ」の大型特集記事の復活を目指しました。
大型特集記事を作るために取材をしていく中で、実名を出すのか、顔を出すのか、どこまで赤裸々に内容を書くのかなど企画を通すにあたり、いくつもの壁にぶち当たることになりますが、転換点になったのは「取材対象者と愚直に向き合うこと」だそうです。
役所はアリバイ広報(当たり障りのない記事)をしがちになってしまうのですが、取材対象者と向き合うことで、人には話しにくいことも語ってくれたりする中で、そこまでしてくれる取材対象者が喜んでくれるもの、作った広報紙をただゴミとして捨てられたくないという強い思いからいくつもの壁を乗り越え見事大型特集記事を復活させることに成功しました。

地域福祉課への配属

広報への熱い思いを持ちながら取り組んだ広報課の仕事ですが、役所には部署異動がつきものです。
7年間所属した広報課からまったく畑の違う地域福祉課へ異動し、市の地域福祉計画を広報することになったそうです。
チラシの予算はあったが、それ以外の予算はなく、どう広報するか考えた結果、まずはWEBコラムから始めました。
地域福祉計画のプランに応じた取り組みを取材し、官民関係なく、むしろ市民活動を多く取り上げ、月に1~2本の記事を執筆し配信していきました。
既存の広報くるめとも連動して記事を掲載していましたが、秋山さんは物足りなさを感じていたそうです。
そんなときに転機となったのは、福島県いわき市の地域包括ケアを伝えるWEBマガジン「igoku」との出会いです。
こちらも福祉系のことを記事にしているのですが、秋山さんのやりたいことの旗印になったそうです。
「Igoku」が気になる方は下記をご参照ください。

グッチョの創刊

そんな旗印となるものに出会った秋山さんは地域福祉マガジン「グッチョ」の創刊を計画しました。
グッチョとは筑後地方の方言で「何か一緒にし合う」という意味を持つ言葉で、地域マガジンのコンセプトである“〇〇し合えるまちへ”を知ってもらうきっかけになるのではと思って名づけだそうです。
グッチョは地域福祉課の職員が企画を立てて、現場取材から執筆、写真撮影まで、全てが職員の手作りで行い、日常の中で感じた“支え合い”“助け合い”をコラムで紹介しているマガジンです。
地域福祉という柱はあるもののあらゆる垣根を超える、日常にあると認識してもらえるメディア媒体となるべく、基本的に話題はなんでもOK、企画の根底はみんなのためになる記事を書くことだそうです。
そんなことを続けていると当初乗り気ではなかったある職員が取材を続けていく中で、取材対象者に興味を持ち、熱量が変わっていく瞬間に立ち会うこともあったそうです。
秋山さんはグッチョという媒体を持てたことで、多数との関係づくり、ステークホルダーとの関係づくりを築き、信頼ある関係性があるからこそ情報は伝わり繋がっていると考えているそうです。

最後に技術的なものを少々

・一文を短く。敬語・接続詞に要注意。一度敬語・接続詞を全部消してみるのも一つの手。
・一言目で惹きつけるために書き出しはキャッチ―に、見出しには結論を書こう。
・写真は落ち着かない感を排除するため水平垂直を整える。
・まずは対象をはっきりとさせ、撮りたいものを中心に据えると間違いない。
・写真に力をこめるために勇気を出して、あと一歩近づいて撮影。

午前の講義の感想

秋山さんの広報に対する熱い思い貴重な経験を冗談も交えながら話していただき、あっという間に時間が来てしまいました。もう少し時間を設けて講義してほしかったくらいです。
講義の内容が濃ゆすぎて伝えきれていない部分もありますが、秋山さんの経験は行政広報に携わる人に是非聞いてほしい内容であり、NPOなどの団体広報にも通じることだと思います。
予算を潤沢に使った広報の仕方もあると思いますが、予算がない中でアイデアを絞り、作り、発信を続けることで成果になった好事例だと思います。
是非一度「グッチョ」を読んでみてください。

続いて、午後からは午前の講義でインプットされた内容をアウトプットする内容で行いましたので、その内容をお届けします。

関連講座 団体広報を見直そう

午後の講義の様子

講師は株式会社三角形/PR企画会社代表の福岡 佐知子氏。
PR・企画・プランニングを手掛ける会社の代表を務め、様々な団体広報に携わっているプロから午前中の講義の内容を踏まえたうえで講義していただきました。

PRの成果とは

まずはじめにPRの成果とはなにか。
イベントの参加人数の大小といった数字で測ることが一般的で解りやすい指標だと思います。
今回の講義でのPRの成果とは「人の行動が変わる」です。
行動が変わるとは、団体活動のPRをすることで、
NPOや地域課題に興味を持つ人、イベントに参加する人、団体の当事者として行動をはじめる人など、人の行動に影響を及ぼしていることが一つ成果と言えると思います。

なぜ活動をしているのか。

では、なぜ団体活動、地域課題を解決するために活動しているのか。
活動をされている方それぞれにはじめたきっかけ、経緯があると思います。その活動に対する想いをPRするために、
「誰に」「どうやって」「いつ」伝えるのか分けて考えてみます。

広報を見直す①「誰に伝える?」

情報を誰かに伝えるためには、正確な情報(いつ、どこで、誰が、何をする)と空気の情報(雰囲気、行間、SNS)の2種類あり、この2つを明確に分ける必要があります。
正確な情報に偏ると内容が固くなってしまい、SNS流行りの影響で空気の情報が先行してしまうとミスリードが起こる可能性があります。
このバランスをそれぞれ決めることが大事となり、これがブランディングです。
ここで、誰に伝える?ための目安として、距離で表すと身近な距離(町内や区内)ほど、正確な情報で、距離が離れるほど(県内や県外)空気の情報がグッドです。

広報を見直す②「どう伝える?」

次にどうやって伝えるか。
まずは何を使って伝えるか、考える必要があります。
普段意識して使っている広報媒体はいくつありますか。
広報媒体=広報手段です。
たくさんある媒体におぼれてしまわないように、媒体をどう使うか、それらすべて使うのか、伝える情報、相手によって使い分ける必要があります。

広報を見直す③「いつ伝える?」

最後にいつ伝えるのが良いか。
・すべて数字になおす。
・定期的に観察する。・・・3カ月、1年、イベント毎など。
・思った結果が出なければ期間を決めて、やめるかやり直す。
上記のことに注意しながらまずは1年の計画を立ててみてください。
そのスケジュールからいつ伝えるのが良いか、その手段ややりたいことを見直していきましょう。

午後の講義の感想

福岡さんの講義はいろいろな団体の広報に携わっているからこそ、それぞれの活動内容、特性を見極め誰に、どうやって、いつ伝えるのか、常にブランディングしているため、とても勉強になります。
広報の成果はとても見えにくいものです。
でも、その広報が人の行動を変えるかもしれないと思うと、気持ちが熱くなりませんか?取り組むことにモチベーションが生まれませんか?
団体広報で悩んでいる方、行き詰っている団体、一度福岡さんの講義を聞いてください。
次回まだ聞けるチャンスがあります。

では、最後に次回予告!

次回予告 第3回PR塾

第3回PR塾チラシ

1月27日(土) クラウドファンディングを企画する

PR塾3回シリーズ第3弾!
講師に㈱ボーダーレス・ジャパン クラウドファンディング「ForGood」代表の小松航大氏をお招きします。

団体活動や事業をするためには資金が必要です。
そのための手段としてクラウドファンディングは今もっともポピュラーな手段と言えるでしょう。
ただし、クラウドファンディングをすれば寄付が集まるわけではありません。
ではどうやって寄付を集めるのか。
それは事業をPR(広報)する力です。
次回はそんなPR力を学ぶ講義を考えております。

下記フォームから申込みできますので、ご興味のある方は是非お申し込みをお待ちしております。
https://ttzk.graffer.jp/city-kitakyushu/smart-apply/apply-procedure-alias/PR3


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