SAP MMの組織定義について解説
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今回のnoteはSAPのMMの組織定義について考えていきます。
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私は10年ほどSAP関連のエンジニアをしてます。
私の経歴はnoteに書いてますので、リンクを貼っておきます。
併せて読んでもらえると理解が深まると思います。
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それでは、組織定義について書いていきます。
1.SAPの組織定義とは
SAPでは、会社や生産工場などを「組織」として定義しております。
これらの各組織は、誤った関係の組織で操作することを防ぐため、関連付けることができ、構造的になっているため「組織構造」と言われます。
例えば、”会社A”の社員が、”会社B”から発注を出したりすると大問題ですよね。
そういった問題が起こらないように、しっかり組織構造を設定すればSAP利用者が誤った操作ができないようになっております。
今回のnoteではMMで利用される”組織の定義”について書いていきます。
2.SAP MM関連の組織定義
それではSAP MMの組織定義について、解説していきます。
(1)会社コード
SAPで定義する”会社コード”とは、財務報告義務のある法人単位に会社を設定する組織です。
簡単に言うと決算報告資料をどの単位で作るかで決まってきます。
MMの組織では最上位の組織になり、会社コードの下にプラントや購買組織などを紐づけ在庫管理や購買管理しています。
事業規模が大きい企業の場合、”会社コード”を事業単位に設定するケースもあります。
例えば”IT事業部”や”エネルギー事業部”のように経営活動がまったく事業体部で分けたりしますね。
また、1つのSAPの中に複数の会社を定義できますが、まったく別の会社を定義するのは色々な問題(SAPのライセンス費どうするか?セキュリティどうするか?など)があるので、グループ会社などで構成するのが一般的です。
例えば下記の図では、”会社A”と、”会社Aのグループ会社B”のような構成になります。
(2)プラント
SAPで定義する”プラント”とは、工場や営業所など、事業の活動拠点を表す単位に設定する組織です。
私は製造業の経験が多いので、プラント=工場として使うことが多かったです。例えば、北海道工場とか沖縄工場とかですね。
会社コード1つに対して、複数のプラントを設定することができますが、1つのプラントを複数の会社に設定することはできません。
下記の図でいうと、会社コードBの保有するプラントCを会社コードAに設定することは出来ないという事です。
会社Aが会社Bの工場を使って勝手に生産活動を出来ないように制御しているという事ですね。
(3)保管場所
SAPで定義する”保管場所”とは、プラント内にある在庫品目を保管する場所の単位を設定する組織です。
保管する場所というのは、在庫品目の用途毎に設定します。例えば調達部門が使う在庫品目だったら調達用保管場所とか、総務部門が使う在庫品目だったら総務用保管場所といったイメージです。
保管場所で在庫品目の数量が管理されます。例えば、「調達用保管場所にプリント用紙100枚あります」みたいな情報が在庫情報としてSAPで管理されます。
なお、1つのプラントに複数の保管場所を設定できますが、1つの保管場所を複数のプラントに設定することはできません。
在庫関連の知識は以下のnoteに書いてますので併せて読んでもらえると嬉しいです。
(4)購買組織
SAPで定義する”購買組織”とは、取引先との価格交渉や、取引先に対して発注などの購買活動する組織です。
”購買組織”には会社コードやプラントに割り当てることができます。
発注時に利用され、どこの購買組織で発生した発注伝票か起票時に設定する必要があります。
購買関連の知識は以下のnoteで解説してますので併せて読んでくれるとうれしいです。
3.まとめ
今回は、SAPのMM関連の組織定義について解説してみましたが、どうだったでしょうか?
文書だけだとわかりづらい内容だと思ったので、図で表してみましたが、会社⇒プラント(工場や営業所)⇒保管する場所 など、徐々に詳細な領域を組織として管理するような仕組みになっています。
このような仕組みになっているのは、前の章でも書いた通り、会社Bが会社Aのプラントや保管場所を勝手に使えないように制御するという理由もあります。
SAPを学ぼうとする”あなた”に何かの役に立てれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。