「それでも言葉はやまない」
石壁の隙間から 水が滲み出してくる
じわじわと じわじわと
音もなく 気配もなく
でも確かに水は 滲み出してくる
わたしの身体も
言葉にそうして侵蝕されて
もうすっかりぼろ雑巾
あなたの垂らした言葉が
君の投げた言葉が
わたしの鎧を貫いて
そこから滲み出してくる 赤黒い血
そんな言葉要らなかった
あんな言葉知りたくなかった
けれどひとたび聴いてしまったら 言葉は消せない
消えてはゆかない
じわりじわりと 滲み出すばかり、傷口から
そんなあなたの君のわたしの、
言葉たちに身体を貫かれ、
やがて殺されてゆくこの身体たちは
じわじわと じわりじわりと
殺されゆく この身体たちは
赤黒い血みどろ それでもまだ
立っている。
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