この星の上 ~ 縁

おのずと明ける夜はなく
夜を明かすのはこの 僕らだ

おのずと繋がる縁などなく
がらくたの中から拾い上げた一本の糸を
繋げたのはこの 僕と君だ

空の中で雲は砕け
海の中で波が砕ける
裂傷を描くかのように伸びる水平線は

君と僕を結ぶ 一本の 糸

今、繰り返すよ

僕が君に
君が僕に

投げつけてきた言葉たちを

掻き集めては投げ、
投げてはまた掻き集めて、
何度でも何度でも

繰り返すよ

僕と君との間に
幾重にも重なる時間の層は
幾重にも重なる言葉たちの屍

幾重にも重なる言葉たちの屍は
幾重にも重なる君の僕の 骸

それはやがて

苗床となり

続く縁の続く時間の苗床となり、

昨日今日明日
この星の上で
明日今日昨日
何度でも僕らは僕らの骸を踏みしめ、

僕は君に 君は僕に 知らしめる
僕らが在ったことを
僕は僕に 君は君に 知らしめる
僕らがここに在る そのことを

何度でも
何度でも

僕は僕の言葉を紡ぐ
君は君の言葉を紡ぐ
そして
僕らは僕らを 紡いでゆくんだ

何度でも

この星の上

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にのみやさをり
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