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北海道のワインがまちを創る

四季が明瞭な北海道でのワインづくりはいま、国内外のワインラヴァーを虜にするほど、風土の個性を醸す奥の深い味わいが生まれ、ブドウが栽培される土地の個性や気象条件が注目されています。

1876年(明治9年)サッポロビールの原点となる「開拓使麦酒醸造所」が開設。葡萄酒の醸造が行われたという記録があり、その後時を経て1963年十勝の池田町に池田町ブドウ・ブドウ酒研究所(十勝ワイン)が開設。ヤマブドウを原料に地域づくりと研究を試みるワイン醸造がスタートいたしました。

2002年には空知の三笠市に山﨑ワイナリーが開設。自社畑と醸造所を所有し、ブドウ栽培から醸造まで一貫したワインづくりを行うドメーヌとして北海道ピノ・ノワールを開花。
冬には積雪2m以上にもなる空知エリアでワイン専用品種の栽培における可能性を見出します。

同じく空知エリアでは、1996年北海道へ移住された中澤一行さんが、今や日本ワインの最大生産量を誇る小樽市北海道ワインでぶどう栽培を学んだ後、三笠農場の農場長を務められました。
中澤さんは2002年に独立し、岩見沢市栗沢町に自身の畑を開墾。1st Vintageは2006年。栽培スタートから22年を経た現在は2.7haの畑で約20品種を育てています。その殆どが栽培当初からワイン専用品種ヴィニフェラです。
2017年からはkondo vineyard近藤良介さんと共同で開設した栗澤ワインズで醸造しています。

1970年代、ピノ・ノワール黎明期からワイン専用品種を育ててきた果樹農園が隣接し、北海道でのワインづくりを牽引する後志の余市町では2010年、余市ワイナリーに次いで36年振りとなる二軒目のワイナリー、Domaine Takahikoが開設。4.6haの農地を購入し、1.5haで13系統のピノ・ノワールを栽培。フラッグシップ「ナナツモリ」はデンマークの星付きレストランnomaで提供され、余韻が長く風土の個性や香り、旨味を伴う滋味は国内外のワインラヴァーを魅了します。

フラッグシップ「ナナツモリPinot Noir」他
近隣のブドウ畑で栽培するブドウで醸造瓶詰めするTakahikoSoga銘柄

昨年末で北海道では71軒のワイナリーが開設し、かつては南西寄りであったブドウの栽培エリアは道内各地へ点から面へ。
品種はピノ・ノワール、シャルドネ、ソーヴィニヨンブランを中心にviniferaが栽培面積を広げています。
道南エリアの函館にはブルゴーニュの名門ワイナリーが参入、de Montille&Hokkaidoとして2023年から自社醸造を開始しました。

2025年以降も開設数の増加が見込まれる北海道は、世界が注目するワイン産地へ。
日々、ニュースで取り上げられ北海道の新たな産業として育ててゆくべき、これからが大切な道のりと言えます。

ブドウの栽培が農産物として、ワイン醸造が産業として地域を代表する産品となり、地域の景観を描き始めているのです。
北海道のワインが間違いなくまちを創る過渡期にあり、消費拡大への仕組みづくりが大変重要な課題であると考える日々。
今年の目標もこの課題に尽きる一年となりそうです。

新年も、北海道のワインに、未来に乾杯🥂

2024年秋 de Montille&Hokkaidoより









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