ちいさなTOWAの記録 (ベビーの入院)
生後2ヶ月でね、うちのベビーが風邪をひきました。
大人がかかればただの風邪。
でもそれは、初めてかかる赤ちゃんにとってはとても怖い病気だったのです。
ゲボゲボゲボゲボって変な音の咳が始まったのはまだ首も座っていない頃のベビーのTOWA。酷い咳の度にため息をつくように「あぐ〜」‥って言ってた。
RSウィルスって知ってる?
近所のクリニックを受診してからも、溺れてしまいそうな程痰のからんだ咳が続き、母は不安で不安で、ベビーの頭が上になるように縦に抱っこをしたままソファで夜を明かしました。
その後もベビーの病状はますます悪化して行ってね、お着替えをさせようと思ったら胸のあたりがぺこぺこ凹むみたいな呼吸になっていることに気がついたんです。陥没呼吸って言うんだって。母は慌ててもう一度受診したんだよ。
そしたらね、縦抱きのまま即大きな病院へ行ってくださいって。どうしよう、どうしようって頭の中が混乱したまま、看護師さんが呼んでくれたタクシーに飛び乗って病院へ向かってね、点滴が始まり、ただただ泣き続ける我が子はそのまま入院となりました。
RSウィルスは4、5日目が一番ひどくなるそうで、生後2ヶ月くらいの赤ちゃんは自分の力では耐えられないんだって。
だから入院管理が必要なんだっていう説明をうけました。
コロナ禍だったからね、面会は母親でも一日30分だけ。付き添ってあげられない悔しさと、夜中にも何かあって病院から連絡が気やしないかって心配で不安で眠れなかった。
飲ませてあげられないおっぱいも張って、胸も心もものすごく痛くて、早く母乳を届けてあげたいという想い一心で長い夜を過ごし‥
翌日、母乳を片手に面会へ行くと、まさかのね、重症化してぐったりとした息子がそこにいました。
声をかけても全然目を覚まさなくて、あっという間に帰る時間になってしまって‥
最後にそっと耳元で名前を呼んだんだよ。
そしたら突然息子の目が開いてね、母は驚いた!‥そしてまたすぐにね、スッと寝てしまったんだ。母の声が届いたのかな。
ずっとこのままそばにいてあげたいよ。
その翌日には、更に重症化した息子が病室のベッドの上にいました。呼吸が上手くできなくて苦しくなっちゃったんだって。鼻に管が通っている我が子を前に声もでなかった。
この状態の我が子を見て、もしあのまま自宅で看病していたらと思うと恐ろしい。病院の先生方の助けがなかったら‥
その後は少しずつ回復してくれた息子。
もうね、怖かった。
怖かったよ。
退院の日、早く顔が見たくて母は家を飛び出した。着替えの服すら持たずにね!
あの日ベビーは着の身着のまま即大きな病院に向かい入院となったから着替えがないんだったよ!
唯一持っていた薄〜いおくるみに包まれてチャイルドシートに乗せられた中身裸ん坊のベビー。
8月で良かったよね‥
はだかんぼうで、ごめんね‥
そしてね、こんな失態も笑い話にできる日常が戻ってきてくれた事に感謝しかないのです。
我が子がこの腕の中に帰ってきてくれた。
おかえりTOWA。
苦しかったね‥
もう大丈夫だね。
生きててくれて、本当に、本当に、ありがとう。