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「霧」なしでは成立しなかった、韓国映画「別れる決心」の奥深さ。

サスペンスタッチで幕を開けるやいなや、瞬く間に独特な映像美に魅せられ、ヘジュンとソレの上質な大人の愛の表現(言葉での「愛」を簡単には使わない)に釘付けになる、まるでフランスの古典文学を映像化したかのような映画「別れる決心」(2022年韓国 原題:헤어질 결심 監督・脚本:パク・チャヌク)をご存知でしょうか。

2023年日本公開後1年半が経つ今、パク・チャヌク監督の描く繊細で美しいサスペンスとロマンスの要素を併せ持つ本作について考察している方も多く、特に韓国では大旋風を巻き起こしたこともあり、韓国通の皆様には馴染みある映画かもしれません。

「別れる決心」を映画館で観てからというもの、その後Amazon Prime Videoで観るたびに(何度も繰り返し観てしまうのです)脳裏から離れなくなるのが、チョン・フニとソン・チャンシクが歌う、挿入歌の「霧」です。

挿入歌「霧」のリレコーディング

劇中で主人公二人が耳を傾け、エンディングクレジットでは観る人すべてを泣かせたであろう「霧」。私が公開時に劇場で観た時、エンディングで席を立った人は一人もいませんでした。号泣していた私が気がつかなかった可能性もあるため、席を立ち帰る人は全く目に入りませんでした、としておきます。

2024年6月、tvNSTORY「今、この瞬間」の中で、新たなビハインドストーリーが明かされました。

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