小さな幸せをキッチンから
ご訪問いただき、ありがとうございます。
料理研究家の鈴木沙織です。
タイトルは私が料理研究家になってからずっと心に持っている言葉です。
今日はそんな食に関する思いを少しだけお話させてください。
■『食』って?
皆さんにとって、『食』はどんなものですか?
活力源だったり癒しだったり・・・色々あるんじゃないかなぁと思います。
私にとっては何かというと、食は幸せそのもの。
例えどんなに辛い時だったとしても、美味しいものがあれば元気を貰える。
幸せな時は、美味しいものによってその幸せが何倍にもなる。
食は幸せと笑顔を作り出す魔法だと思うんです。
■人生の中の『食』
思い返すと、私の人生の思い出は常に『食』と一緒でした。
笑顔の側でも、涙の陰でも、死の淵でも・・・
必ず思い出すのは『食』の温かくて優しい確かな記憶。
例えば・・・
祖母と夏休みや冬休みになる度に食べに出かけたフードコートのちょっぴりのびた天ぷらうどんや市内唯一のファミレスのナタデココ。
手術前の家族旅行で初めて訪れたディズニーランドのミッキーマウス形のオレンジアイス。
治療のための食事制限中、学校給食で出されたメニューの中で食べられるものがご飯だけしかなくて、とても悲しかった記憶。(学校の規則でお弁当の持参が許されていなかったのです)
迎えに来てくれた母と学校の帰り道にこっそり食べた、香ばしい香りの焼き鳥やふわふわのぺこちゃんのほっぺ、あつあつのあじまん。
料理初心者の父が私と弟と3人での留守番時に一生懸命作ったはじめての手作りご飯=味がしない水ご飯。
青果物を扱う会社に勤めていた目利きの祖父が選んでくれる、つやっつやで果汁が溢れ出る果物と祖父のしわくちゃな手。
思い返すときりがないくらい沢山の思い出があって、そのそれぞれに必ず食べ物が出てくるんです。
山あり谷あり・・・寧ろ8割が谷という人生を歩んできたけれど、紆余曲折を経て、今こうして料理研究家という天職に出逢えたのは、運命だったのかもしれないと感じています。
病気での食事制限、手術や入院、いじめ、ストレスからの激太り、生まれ変わりたいと必死だった日々、自分を追い込みすぎて陥ってしまった過食・・・
どの時期にも必ずはっきり思い出す『食』があって、辛かった過去もその『食』があったから乗り越えて来られたのかもしれないと思ったりもします。
今こうして健康で毎日を楽しく生きられることが、本当に幸せだなとしみじみ思うのです。
■私が伝えたいこと
過去を振り返る度に、『食』を通して誰かに笑顔になってほしい、元気になってほしい、そんな思いが胸の中で大きくなって歩むことになった料理研究家としての道。
『小さな幸せをキッチンから』にはそんな思いが込められています。
まだまだ駆け出しの料理研究家だけれど、食を通して幸せと笑顔を1人でも多くの方に届けたい。
常にそう願いながら今日もキッチンに立っています。
私の料理の先にある笑顔を想像しながら。
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