半月板損傷の治療に再生医療を選んで1年。
「再生医療(PRP療法)」について実際に治療を受けた身として、自分自身の経過を辿ってみたいなと思います。
再生医療(PRP療法)に関しては、こちらをご覧いただけると↓↓↓
手術しないという選択肢
昨年9月に右膝の半月板損傷・軟骨損傷・骨壊死という診断を受けました。手術は避けたい、リスク少なく競技復帰したい、何かいい手段はないのか調べていたところ、ある記事を目にしました。
2019年9月上旬に診断を受け、絶望していた私にとって、本当にジャストタイミング。同年9月24日にリリースされたこちらの記事は、一筋の光が差したような本当に神々しい内容でした。ちょっと大げさですが。
しかも、知り合いの紹介で松田先生に直接連絡を取ることができ、診ていただけることになりました。後に知った話ですが、松田先生は私の地元である富山県の大学を卒業されており、ご自身もマラソンやトライアスロンをされています。いつも気さくに話をしてくださるので、当初、治るのか治らないのかと内心バチバチしていた私にとっては、松田先生の人柄だけでひとつ大きな安心感をいただいたように思います。ランナー向けの本も書かれています↓
注射1本15万。保険利かないけどやりたい
まずMRIを撮って私の症状に再生医療(PRP療法)は効果があるのか診ていただきました。私は半月板の損傷だけでなく、骨の一部分が腐っていたので、そもそも完治することはないと理解したうえで、先生の判断を仰ぎました。前置きとして、一度壊れてしまった膝とはずっと付き合っていかなければならないし、走り続けることで将来膝が変形するなどのリスクもあるという旨を伝えられました。結論としては「やってみましょう」ということで、PRP療法-FD注射を受けることになりました。効果がなければ別の手段を一緒に考えましょうということで、1ミリでも可能性があることを少し嬉しく思いました。
松田院長は「私の見解としては切れている半月板がみるみるうちに元に戻っていく魔法のような注射ではないと思っている」と前置きした上で、意義を語る。「ただ、膝の関節内部の状況が良くない患者に対し、PRP注射によって関節の炎症が収まり、組織を修復する因子が吸着され、関節内部の環境が劇的に良くなることはあり得ます。炎症が収まると痛みが取れ、それによって動けるようになる。(記事より一部引用)
1本目:骨壊死の影響が大きく、効果わからず
魔法の注射じゃないことを頭で理解しつつも、正直とても期待していました。陸上のハードル選手が回復しているという前例が、私の期待を膨らませていたのは紛れもない事実で、競技復帰に向けての希望でもありました。
ただ、個人差があることも忘れてはならず。人それぞれ体格も筋肉量も異なれば、生活や競技におけるバックグラウンドも全然違います。効果が出る時期も人それぞれです。前述の記事で取り上げられている秋本さんというハードル選手の方は、私と同じように半月板損傷で、注射後すぐに改善傾向が見られたそうです。私の場合はというと、残念なことに効果をほとんど感じられませんでした。膝に打ち込んだ注射の痛みが強烈だったことだけが印象的です。
【ここ大事①】
後日松田先生に伺ったところ、注射後に痛みを生じるケースは、まつだ整形外科クリニックのデータではほぼ1%程度だそうです。私が痛みを感じてしまった原因は、間違いなく「骨壊死の影響」だそうです。99%の人は痛みが生じることはないのでご安心ください!
注射の翌日以降も、軽いジョギングだけで痛いし、走った後はもっと痛い。日常生活の中でも、ふとした動作でズキっと痛む。そんなこんなで、注射を打って1~2ヵ月後の経過診察の際は、治るどころか以前より水が溜まっていました。その後も経過を見ていましたが、変化は見られず。15万円が風に吹き飛ばされていくのを黙って見守ることしかできないような心境でしたが、松田先生と相談した結果、2本目の注射を打つことになりました。えらくオカネのかかる足だなと思いつつ、治る治る治るという念を込めました。
2本目:なんか良い気がする
1本目の注射から約半年後、2本目を打ちました。ちなみに、採取した自分の血液が専門機関(※セルソース)に送られるので、まつだ整形外科クリニックでは採血後最短3週間で注射を打つことができます。
(※プロランナーの神野選手のスポンサー企業であることは知っていましたが、再生医療を行っている企業であることを今回初めて知りました。)
2本目の注射を打ちこんだときは、不思議と痛みが少なかったのを覚えています。1本目のときはあれだけ痛かったのに、と思うのと同時に、歩いてみた感触もなんとなく良い。そしてその後は、普段通っている治療院の先生とも相談しつつ痛いと感じることを生活からすべて排除しました。それまではリハビリがてら軽いjogを続けていましたが、自分の足が勝手に走り出そうとするまでは走らないと決めました。
【ここ大事②】
2回目の注射が痛くなかったのは、骨壊死の炎症が少し落ち着いてきていたからだと松田先生は推測されています。先ほども述べましたが、注射で痛みが生じるケースはほとんどありません。
2本目の注射以降、ようやく改善傾向がみられるようになってきました。屈伸ができなかったのに、抵抗なくできるようになり、トイレの和式が使えるようになりました。寝ているときや足を伸ばした状態の安静時に、キリキリとした痛みがあったのが、ほぼなくなりました。半月板損傷の特徴でもある膝の引っかかりみたいなものを、次第に感じなくなりました。一気に良くなったというわけではないですが、日々少しずつ「あれ、今日ちょっといいかも」と思える状態が積み重なっていったという感じです。2本目を打ってから4ヵ月後、ようやくjogを再開することができました。
始めは恐る恐る地に足をつける感じでしたが、今はjogを始めて2ヵ月半が経ちました。流しも少しずつできるようになってきました。再生医療を受ける前は、走っている最中も、走った後も、日常生活の歩行さえも痛かったのに、今はそういう不快な痛みはありません。違和感はまだありますが、それほど気になるものではないです。一見、かなり時間がかかっていますが、自己治癒力でここまで治せたことは自分の中ではかなり大きいです。
私には手術をしたくない理由があります。それは、過去に2回、別のケガで手術をしているからです。今も右足の舟状骨と、右足の大腿骨にボルトが入っています。さすがに3回目はない、手術が必要なケガをしたらもう競技は辞めようと決めていました。
実際、その局面に近いところにいるわけですが…再生医療という選択肢があって本当に良かったと思っています。
最後に。
再生医療という選択肢があることを多くの人に知ってもらえたらいいなと思います。私自身も再生医療を知り、また全力で走れるようになるかもしれないという可能性を見出せたからこそ、現状と向き合えているかなと思います。
ただ、15万円はやっぱり高いなと思うので…いずれはメジャーな治療法として保険適用になってくれたらいいなと思います。
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