あるクリスマスの夜のケーキ
私が覚悟を決めたケーキ。
専門的な大学を出て、関連した仕事をしていた20代の最初の頃。
ケーキはおろか、自分の食事はできあがったもの。
時計の短針が頂上から右に傾きはじめた時間によくよく冷えた家の灯をつける。
部屋が寒すぎるからストーブを付け、ひとまずとお風呂で温まりつつ浸かって。
ふと、冷えたお湯だったものに体温をじわじわ奪われては眠りこけていたことに気がつく夜も少なくなかった。
仕事に"疑問符"が浮かびはじめたのはいつ頃だろう。
生活に"仕方ない"がセットになったのは