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L.Aで生まれた愛犬KIDが、今日19歳になった話🐕

我が家にはKidというチワワミックス(♂)がいます。とても大切な存在で、今夜は、私の小さな家族を紹介させてください😊
これを機に、愛犬家の方々とも繋がれたら嬉しいです。

愛犬との出会い

愛犬との出会いは、2006年、ロサンゼルス郊外のAzusaという街の小さなペットショップでした。
当時のアメリカでは保護犬制度の普及率が低く、ペットショップやブリーダーでの迎え入れが一般的だったように感じます。

初めて出会ったとき、Kidはまだ両手のひらに収まるほどの小さな子犬で、人懐っこく、楽しそうにぴょんぴょん♪ 跳ねていました。笑 その可愛らしい姿に、一目で心を奪われたのを覚えています。

初めて家に迎えた日

初めて一緒にお散歩した日

初めて同じ布団で眠った日

そのすべての瞬間が、今も私の大切な思い出です。

半年ほどルームメイトとKidと一緒に暮らしていましたが、アパートの解約に伴い、それぞれが新しい住まいへと引っ越すことになりました。
しかし、多くの家がペット禁止だったため、「これからKidどうする?」「いや、うちは無理。ペット禁止だし。」という話し合いの場が持たれました。
「Kidは命なんだけど。ものじゃないんだけど。」と思ったことを覚えています。(多分声にも出ていました。笑)

その時、「私がKidを引き取る!」と伝え、
「この子が命を終えるその日まで、私は彼の一生を支えていく」
その想いを抱いた、忘れられない日でもあります。

そこから、私とKidの二人きりのアメリカ生活が始まりました。
とはいえ、ペット可のアパートを見つけるのは簡単ではなく、何日か友人の家に滞在させてもらうこともありました。それでもどうにか自分たちの居場所を見つけ、Kidとの新しい生活をスタートさせました。

KIDと過ごした留学生活

Kidとの思い出はたくさんあります。
当時、学校の課題に追われる日々が続き、Kidとゆっくり過ごせる時間は決して多くはありませんでした。
特に美容学科を専攻していた頃は、英語の壁にぶつかり、授業についていけず、「明日なんて来なければいいのに」と毎晩泣いたこともありました。(留学あるあるですね!笑)

そんなとき、Kidは何も言わずそばにいてくれました。
留学中の寂しさや辛さを、Kidと一緒に幾度となく乗り越えてきました。

学業が一段楽した頃の週末などには、ランチを持って芝生でのんびりしたり、友人たちとラスベガスへ旅行したり、夕日をみながら海沿いをお散歩したり、バーベキューしたり、雪を見に行ったり、LAのたくさんの場所に愛犬との思い出があります。

他にも、Kidには数々のすっとんだエピソードがあります。
当時、私が住んでいた一軒家には犬用の小さなドアがあり、そこからKidは自主的に『脱走』という名の一人運動会を開催していました。

ある時は、四車線の大きな道路を、左右確認もせずに子犬が猛ダッシュ…(生きていたのが奇跡)私が住んでいた町の人々は動物に優しく、突然飛び出してきた犬を見てすぐに車を止めてくれました。本当危ない。
そして、後から必死に追いかけるアジアンガール(私)を見て、
「大丈夫か?」と声をかけて(叫んで)くれる心温かい人たちばかり。
「大丈夫!犬が逃げてるから、ごめんね!(おっちゃんありがとう!)」
と私も叫びながら、Kidの脱走(運動会)に人々を巻き込むのが日常でした。

また、うちの隣にはイケイケのお兄さんのいる家族が住んでいて、週末になるとイケイケマッチョな友人を数名招いてパーティーを開いていました。
そんなある日、Kidがまたもや脱走。
私が家の周りを必死で追いかけていると、パーティー中のお兄さんたちが気づき、「犬追いかけてんのか!俺らに任せな!」と、総勢7人が一斉にKidを捕獲しようとダッシュしてくれました。
しかし、あまりの俊敏さに誰一人として捕まえられず、息を切らしながら戻ってきた彼らは「君の犬、めちゃくちゃすばしっこいな…全然捕まえられない…」とギブアップ。
その直後、Kidも満足したのか、自分から戻ってくるというオチでした。
あのときのお兄さんたち、ありがとう!

そして、また別のある時は、メキシコ出身の方々の自宅に… 
と、まだまだ話は尽きないのですが、ひとまずここまでにしておきます。

こうして振り返ってみると、ご近所さんやルームメイト、周りの友人たちからもたくさん可愛がってもらい、Kidにとってもきっと素晴らしい犬生活だったのではないかと思います。


日本へ帰国しても、ずっと一緒に

その後、日本へ帰国し、実家で一緒に暮らし、結婚するときもKidとともに家を出ました。
それから妊娠して、長女の出産予定日を1週間後に控えた日、Kidと大きな公園へ散歩に出かけました。
「来週娘が生まれるから、これから始まる数年間、Kidに寂しい思いをさせてしまうかもしれないけど、Kidのことが大好きで、いつも大切に思っているから安心してね」と、心の中で語りかけました。
いや、もしかしたら声に出していたかもしれません。ここでも。笑


娘たちとKIDの時間

長女が生まれてからも、次女が生まれてからも、毎日のお散歩は絶対に欠かさないと決めていました。
でも、それは想像以上に一苦労。

私は、左手に長女を乗せたベビーカーを引いて、次女を抱っこし、Kidのリードは右手に持って一緒にお散歩。笑

いや、このときはまだ良かった。
少し歩くようになった長女と、抱っこ紐から暴れ出す次女を連れてのKidの散歩は、ある意味みんな命がけだったと思います。笑

通りすがる人には、きっとカオスな光景に見えたことでしょう。笑

娘たちが生まれた頃から、母として、そして大切なパートナーであるKidのことを、彼女たちの記憶に残してあげたいと思っていました。
もしかすると、それは難しいことかもしれない。
そう思いながらも、娘たちはスクスク成長していきました。

まだまっすぐ歩けない長女(当時3歳)と、よちよち歩きの次女(当時2歳前)。そんな二人のすぐそばを、Kidはスタスタと軽やかに歩きながらも、途中で立ち止まり、何度も振り返っては彼女たちを待ってくれました。

進んでは振り返り、また進んでは振り返る。
その優しい姿にも、娘たちは自然とKidを大好きになっていき、仲良しになりました。

いつの間にか、スムーズに歩けるように成長した娘たち。
いつの間にか、ゆっくり歩くようになったKid。
時間の経過と共に、今度は娘たちがKidの歩くペースに合わせて歩くようになりました。
「きっちゃん、こっちだよ。おいで」と、Kidが追いつくまでずっと待っていてくれる姿に、たくさんの想いが込み上げてきました。

そして、今日

2025年2月4日。
KIDは19歳の誕生日を迎えました。

最後とは思いたくないけれど、美味しいお肉を買ってきて、毎年恒例のさつまいもケーキを作って、お祝いしました。
お祝い時、深く寝てしまっていたようで、全然起きずに、もうダメかもしれないと覚悟しました。
「写真を撮るよ」と、子供たちに伝えて、気持ちを切り替え、寝ているKidとお誕生日の記念撮影を無事に終えたころ、目が覚めたのか、お肉もケーキも食べてくれました。良かった。
娘たちもKidにプレゼントを贈りたいと言い、似顔絵やメッセージを一生懸命書いてくれました。
娘たちの心の中にKIDの存在がちゃんと根付いたことを確信できた瞬間でした。

ただ、ここ数日、自力で立ち上がることも、歩くこともできなくなりました。

犬と一緒に暮らす。という最終章に入ったような気持ちでいます。

老いを感じるたびに、別れの時が近づいていることを意識せざるを得なくなり、涙がこぼれてきます。

でも、そのたびに「今日を大切にしよう」と思うようにしています。

別れが怖くないと言えば嘘になるけれど、心の準備はできています。

……と、自分に言い聞かせています。

でも本当は、ずっーーーと一緒にいたい。
いて当たり前の存在を失うことが、ただただ怖いです。

でも、私は母親だから、しっかりしなくちゃ(頑張ります)。

Kidは最後に、自分の命を懸けて、まだ幼い娘たちに「命の大切さ」を教えてくれることでしょう。

大好きなKidが、少しでも長く、穏やかに、幸せな時間を過ごせますように。

ただただ、心から願うばかりです。

犬が大好きなすべての方々へ。


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