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毒と対峙する知恵~口にする毒~
いつも読んでいただき
ありがとうございます。
さおりんです。
人間がはじめて毒を利用したのは
おそらく狩猟でしょう。
やがて人間は、毒を上手に操りながら
歴史と文化を築いてきました。
今回は人間による毒の利用を
見ていきましょう。
日本では抗毒素の開発が進んでいて
抗毒素は毒素に結合して
その効果を中和する抗体です。
ウマなどの動物に毒性を抑えつつ、
抗原性を保ったものを注射して抗体を
つくり、精製して得られます。
毒蛇の抗毒素(血清)が特に有名で
ハブでは咬傷による死亡者が
激減しました。
ヘビ以外にももクモ毒や破傷風毒素、
新型コロナウイルスの治療にも抗毒素
(中和抗体)が用いられています。
毒の一部は人間が開発した技術で
無力化できるのです。
実際に、国内ではまだ使用されていない
セアカゴケグモの血清も
準備されているそうです。
![](https://assets.st-note.com/img/1690193423347-0efA8xFRFu.jpg?width=1200)
・フグ
フグ料理では、トラフグのてっさ(刺身)
皮や白子のポン酢が有名です。
フグは種によって有毒部位が異なり、
素人の調理は非常に危険です。
免許を持った料理人などは有毒の部位を
慎重に取り除いて調理しています。
・ウナギ
蒲焼などで日本人が好きな
二ホンウナギも有毒動物であり、
血液と粘液に毒をもちます。
ただし、これらの毒は熱に弱く、
加熱することで無毒化されます。
二ホンウナギの刺身を
あまり見かけないのは毒が理由でした。
・キャッサバ
タピオカの原料でもあり、
冷凍うどんにも使われている熱帯地域の
代表的な作物であるキャッサバは、
青酸配糖体とその分解酵素を別々の細胞
にもっています。
細胞が壊れると分解酵素がはたらき青酸
を発生させることで食害を防いでいる
のです。
食用にするにはこの根茎をすりおろし、
水に晒して青酸を溶かしだして
無毒化していきます。
キャッサバの主な毒抜き方法は
①水に溶かす
根茎を茹で薄く小さく切って
流水にさらします。
根茎をすりおろし、水にさらして
沈殿したデンプンを採ります。
②酵素による分解
根茎の皮をむき、細かく切るか
すりおろし、一晩から1日放置します。
(キャッサバ自体の酵素で青酸配糖体を
分解します)
根茎の皮をむき、薄切りにして天日干し
にします。
③微生物の利用
皮をむいた根茎にカビをつけて、
カビの酵素により青酸配糖体を分解します。
皮をむいた根茎を池や水たまりの水に
数日間浸け、微生物の酵素で青酸配糖体を
分解します。
根茎をすりおろし、袋に入れて1週間以上
放置し、繁殖した微生物の酵素で
青酸配糖体を分解します。
・こんにゃく
日本の伝統的な食材であるこんにゃくは、
こんにゃくの塊茎から作られます。
シュウ酸カルシウムを含むため、
以下のような工程で除去し食用にします。
![](https://assets.st-note.com/img/1690193477277-IEtpiST7FK.jpg?width=1200)
・シャグマアミガサタケ
毒キノコは決して食べないのが原則ですが
猛毒のシャグマアミガサタケは
フィンランドでは大量のお湯で
茹でこぼして毒抜きして食べられています。
販売もされていますが、特殊な毒抜き作業
の途中で中毒する危険性もある恐ろしい
きのこです。
・スギヒラタケ
長い間食べられる野生のきのことして
知られていましたが、
2004年に腎障害の素因をもつ人には
毒性があることがわかってからは、
毒キノコとして扱われています。
・アスベスト
長い間、魔法の鉱物として
重宝されてきましたが、1970年代から
人体や環境への有毒性がわかり、
現在では使用禁止となっています。
・ペニシリン
バクテリアの細胞壁の合成を阻害し、
生育を抑制します。
バクテリアにとっては、
毒ということができるのですが
人間はその利用を考えました。
このように役に立つ毒
というのもあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1690193511398-3UlLnR2tyn.jpg?width=1200)
次回は、研究者の方々への毒がテーマ
のインタビューをご紹介します。
ここまで読んでいただき
ありがとうございました。
さおりんでした。
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