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「過去」に縛られちゃダメよ
私たちは、自分の感情を自分で作っています。自分で作ってるってどんなふうに??
私たちは、目の前の出来事を見たらまず何をするかというと、自分の中にある「過去のデータベース」に照らし合わせます。
照らし合わせたなかに「つらい」「苦しい」「悲しい」「恥ずかしい」というワードが引っ掛かれば、目の前の出来事を同じように受け止めて感情を作っていきます。
例えばAさんが「会議でBさんに反対意見を言われて腹が立った」としますね。
Aさんは「Bさんに反対意見を言われた」ときに記憶のデータベースの中をさかのぼります。やがて子供の頃にお母さんにやりたいことを反対され、ものすごく腹が立った経験が引っ掛かります。
すると、「Bさんに反対意見を言われた」ことも勝手に「腹が立つ」という感情に結びつけるのです。そして、「腹が立つ」という感情を作ります。
「Bさんに反対意見を言われた」ときに、Aさんはお母さんにたいして腹が立ったときの記憶がよみがえってきて「また反対意見を言われた!私は認められていない!いつも反対してくる!!」と腹が立つのです。
Bさんにとっては、
単なる反対意見でも悪意がなくてもです。
むしろ、「よかれと思って」のBさんの善意からだったとしてもです。
「自分はしたいことを反対される」というAさんの古傷がずきずきと痛むのです。
目の前の出来事に反応しているというよりも、過去の感情を再び味わっているようなものです。
相手には相手の事情があったかもしれません。あなたのことを思ってやったことかもしれません。
それなのに、過去の出来事に照らし合わせて、勝手に相手の考えを決めつけて「否定された」と思っていませんか?