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幾何学的ね、君

私の事を何も知らないくせに、私のすきなものとか嫌いなものをしろうとしてくれる君はどんなに優しい人なのだろうか。

夜眠るときにキスをしてこないで私よりも先に寝ないで。
私が寝た後に君は私を抱きしめて、明日私がいなくなってしまうかもしれない事を少しだけ考えて、冬の寒くて静かな部屋の空気に、そのような悲しみだったり寂しさを全て溶かして、いつもより強く私を抱きしめてから、愛情だけで私を満たして、それから寝て。

そういう我儘を君はきっと嫌がるのだろうけど、つまらない毎日を君だけが楽しくできるのだから、その誰も持っていない、CIAもモサドも絶対に狙っている君のその特殊能力を無駄にさせたくないだけなのよ。

私の選ぶ言葉のチョイスで、君はいつももうどうにでもしてくれっていう顔で笑いながら両手を上に上げるけれど、私だってその顔が見たいが為にいつも使えそうな愛の言葉はないかと、いつでも文庫本の端を折れるように準備しているのだからすこしくらい私に付き合ってくれてもいいかもって思えないかな。

恋っていうものは私たちにはお手上げの超難問なのだろうけど、君は世界で一人だけのそれを解く事が出来る私だけのホーキング博士なのだから、私が目を覚ましたらその答えを教えて。


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