中之島美術館に行ったらアートを観る理由が言語化できた
コロナ禍で美術館巡りを丸2年自粛した私が大阪の中之島美術館の「Hello! Super Collection 超コレクション展 ―99のものがたり―」には抗えずついに県外に出た。凄すぎて尊すぎて、アートを観る理由が言語化できた。書きます。
アートを観るということは、今は亡き人の生に触れ、生きる力をもらうこと。その人の心臓が動いているときに持てる力全てを注いで生みだした作品を前にすると、そうした力を使ってあなたにも何か出来るかもよ、と語りかけられている気がする。あなたに絵の才能がなくても、何か行動を起こしたいときに使う力は同じようなものだから、溜め込んだ力を放出する勇気やきっかけをアートは教えてくれる。もし今、ぐちゃぐちゃした塊を胸に溜め込んでいたら、ひとつ、アートを観に行くといいかもしれない。それがプラスのエネルギーに変わるかもしれないから。
画家の絵が感覚の全然違う後世の人々をいつまでも魅了するように、誰かの「全力」は誰かを惹きつけ引き寄せる。出会いが増えればチャンスも増える。いつも、は難しいけれど可能な限り前を向こう。もし停滞したり落ち込んだりしたらアートに触れに行くのは状況を打破するいい手段かもしれない。
モディリアーニ、バスキア、ロートレック、マグリット、ロスコー、ローランサン、アルチンボルト、ジャコメッティ……。どこか別の場所で見たあの人に出会える場所が美術館だ。パリや東京で出会った記憶が大阪で蘇る。今日初めて知った画家は別の場所でまた会えますように。確かにその人が生きた証を記憶しておく。
日本画から洋画、家具、彫刻、立体アート、ポスターまで、大阪らしいカラフルな特別展だった。中身の溢れんばかりの色彩とは反対に美術館の外観は黒一色。梅田駅から15分ほど歩くとメッカのような四角い建造物が現れる。
この特別展の作品はHPで写真で観ることもできるけれど、命の鼓動を感じたいなら足を運ぶしかない。次の特別展はモディリアーニ。また絶対行きます。構想から40年というこの美術館。開館ほんとうにおめでとうございます。