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手紙が好きな理由を書いていたら、戦争のことを考えた
コリスを小学校へ送り出し、車に乗り込んだ。二日間家にこもってばかりいたので、今日は出かける。車を運転するといつも、さまざまな思いが巡る。手紙っていいなあ。毎日、LINEやメッセンジャーでやりとりしている。テンポよく、あっという間にことが進んでいく。ものの10分もあれば、ペンネームだって決まってしまう。私のペンネームはそのようにして、決まった。
手紙ならどうだろう。
書くのに時間がかかる。ある程度まとまった量を書くので、考える。毎日手紙のやりとりをするわけでもないので、必然的に募る思いがある。書く間、ずっと相手のことを考えている。その時間は、自分にとっても相手にとっても、贅沢な時間なのかもしれない。手紙を書いて、切手を貼って、ポストに投函する。相手が手紙を手にとるまでの時間は、余韻タイムとなる。
私はこの、手紙時間が好きだ。
毎日じゃなくていい。毎日パンパンっと簡易的なやりとりをして繋がっている安心感を得るよりも、相手を思う時間が、穏やかである方が好ましい。でもこれは、日常の暮らしが送れていることが大前提だ。明日も生きるかわからないなかで、手紙の返事を待っていられるだろうか。メールで早く伝えたい、早く返事が欲しいと思うかもしれない。
話はとぶが、ガザの現地記者の記事を読んだ。戦禍では、通信が遮断され、連絡がとれなくなることで、互いの安否確認ができなくなる。家も破壊され、手紙なんて届かない。手紙は平和あってこそなのだ。明日の命があるかもわからない。
手紙を送れる暮らしを、朝起きて、朝食を食べて学校や職場へ行く。友だちとおしゃべりをする。ひとりで散歩する、本を読む。なんでもない特別な日常を、壊さないで欲しい。同じ人間なのに。
お金を寄付して建物を造っても、一発の爆弾で破壊されてしまう。そもそもの戦争を止める、攻撃や破壊を止めることでしか、悲しみはやまない。戦争が終わっても悲しみは残り続ける。
なぜ手紙が好きなのかを書こうとしていたのに、戦争のことがずっと頭にあって、話はそれてきてしまった。スピードを求めすぎてはいけない。武力行使もスピード解決しようとする思考なのではないか。話し合いでダメなら手を出してしまえ。どちらかが手を出すと、やられた方が報復する。その憎しみの連鎖が戦争を生む。
今年5月に映画会社ユナイテッドピープルの関根健次さんを取材させてもらった。関根さんは24年前、ガザで出会った少年の言葉を胸に、今も平和実現に向けて活動を続けている。関根さんの活動もたくさんの人に知ってほしい。
自分には、なにもできないってことはない。小さな声でもあげ続けること、行動を続けることが大事なのだと関根さんは教えてくれた。書くことは私ができる小さなアクションだ。
せっかく生まれてきたのに、その命を消さないでほしい。
平和で希望に満ちた未来を 映画会社「ユナイテッドピープル」関根健次の夢
関根さんが経営するユナイテッドピープルが上映している
『私は憎まない』 平和と人間の尊厳を追求するガザ出身医師の誓い、全国で順次上映会が開催されるそうだ。観たい。
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