禅の道(35)愛語
以下は、正法眼蔵「菩提薩四攝法」の「愛語」に関する記述を現代語に訳し解説したものです。
現代語訳
愛語とは、人々を見るときに、まず慈しみの心を持ち、その人を思いやる言葉をかけることをいいます。乱暴で攻撃的な言葉はありません。世間一般では、相手の安否を尋ねる礼儀がありますが、仏道では「どうぞご自愛ください」というような敬意を込めた言葉があります。そこには深い思いやりと敬意が込められています。
慈しみの心を持ち、人々を赤ん坊を思いやるような心で接し、そのような気持ちで語ることが愛語です。徳のある人は称賛すべきですし、徳のない人に対しては憐みの心を持つべきです。愛語を使うことを喜びとするうちに、自然と愛語を増やしていくことができます。そうすることで、普段は目に見えない、あるいは気づかれない愛語も、はっきりと表れるようになります。
今生きている間に、積極的に愛語を使うべきです。そうすれば、未来の人生でも、迷いのない進歩を続けられるでしょう。愛語は、敵意を持つ者を和らげ、徳ある人々との調和を生み出す根本の力です。
面と向かって愛語を聞くと、顔がほころび、心が喜びに満たされます。また、間接的に愛語を聞いても、その言葉は心の奥深くに刻まれ、魂に響きます。このことをよく知るべきです。愛語は、愛情深い心から生まれます。そして、愛情深い心は慈しみの心を種として育ちます。
愛語には、天地を動かす力があることを学ぶべきです。それは、ただ才能を称賛するためだけではありません。
解説
この文章の核心は、「愛語」とは単なる優しい言葉ではなく、相手を深く思いやる心、すなわち慈悲の心から自然と生まれるものであるという点にあります。仏教の教えでは、行動や結果を評価するよりも、その行為の背後にある心のあり方が重要視されます。
愛語の具体例
日常的な挨拶や声掛け: 「お元気ですか?」や「ありがとうございます」といった基本的な言葉も、心を込めて行うと愛語になります。
相手を褒める: 相手の良い点を見つけて褒めることは、その人を励まし、自己肯定感を高めます。
困っている人への共感や慰め: 苦しんでいる人に「大変だったね」と声をかけることで、相手の心を和らげることができます。
愛語の効果
相手を元気づける:
直接的に愛語を聞いた人はその場で心が明るくなり、喜びを感じます。周囲にも良い影響を与える:
愛語のエネルギーは聞いた人を超えて広がり、その場の雰囲気を変える力を持ちます。自己の成長にも繋がる:
愛語を実践することで、自分の中にある慈悲や愛の心も育ちます。
愛語の実践方法
言葉だけでなく、態度や表情にも気を配る。
相手の立場に立ち、共感を持って接する。
怒りや批判を抑え、常に温かい心で対応する。
「愛語」は、仏道だけでなく、日常生活でも活かせる素晴らしい教えです。乱暴な言葉ではなく、思いやりのある言葉を選ぶことで、自分も相手も幸せになる道を示しています。
昨日の朝、京都の家に飾ってあった模型の「坐禅像」をマキノに持って帰りました。以前に木製マネキンで私がつくったものです。いつも見出し画像でちょっと考えるのですが、今日はこれにしようと決めていました。この姿は無言の「愛語」ですね。この像をみるたび柔らかい気持ちになります。
毎朝6時半に、noteの記事を公開しています。ほとんどが予約投稿です。この時間帯は、暁天坐禅(朝の坐禅)中で、午前7時から朝課(朝の勤行)を行っています。たいていは午前3時ごろに目が覚めますので、朝活に記事を起こしています。私の記事は、自分なりの「愛語」のつもりです。
友人の席に向かって撮影しました。
今週末に彼と行く旅行が楽しみです。
ご覧いただき有難うございます。
念水庵
にゃんすいあん日記(5日目)
11月22日から数えて昨日で5日目です。
昨日は午後から土砂降りでしたが、にゃんたちはエアコンと空気清浄機の効いたなかで、すこぶる元気にあそんでいます。
とくに夜は活動が活発です。
そのせいか昼間は眠ってばかり。
やはりねこは夜行性ですね。
今日の動画はここのトイレ掃除編です。
(ごめんあそばせ)
まるで禅僧のようだ。
しつけが徹底していると感心しました。
このけなげさは誰に似たんやろか笑