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禅の道(102)朝を一日のピークに

――禅の生活は朝で決まる

一日の始まりである「朝」を、最大のピークに設定してみてはいかがでしょうか。朝から元気よくスタートを切ると、自然とゆるやかにエネルギーが落ち着いていき、夜には心地よい疲れを感じてぐっすりと眠れます。この“スタートダッシュ”こそ、シンプルながら最も効果的な方法だといえるでしょう。

たとえば休日に、だらだらと遅い時間に起きて一日を過ごすと、どうしても全体がだらだらした流れになりがちです。スタートの質がそのまま一日の質を決めてしまうわけです。まるで短距離走でスタートを上手に切るかどうかが、レースの結果を大きく左右するのに似ています。

禅の生活においては、朝がとても重要です。朝のうちにしっかりと集中し、活力を引き出しておくことで、一日の終わりには自然と疲れが訪れます。そのタイミングで深い睡眠が得られるのは、心身にとってもっとも道理にかなったリズムといえます。

ちなみに今日は立春。暦の上では春の始まりとされるこの時期ですが、昨年植えたばかりの梅の木にも、小さなつぼみが赤く膨らんでいました。寒さの中にも春の気配を感じられるひとときは、朝の時間を大切にした禅の生活のように、はじまりの新鮮なエネルギーを感じさせてくれます。

ぜひ、明日の朝からでも「一日のピークを朝に持ってくる」という意識で過ごしてみてください。きっと普段とは違う充実感と満足感が得られるはずです。

雪裏の梅華只一枝


ご覧いただき有難うございます。
念水庵 正道


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