出家のススメ(3)
今回のテーマは「お金の集め方」です。出家するのにお金が必要?なんて思った方は、この業界?の現実をご存知ないからでしょう。いまや世間一般のフツウの出家にはとんでもないお金がかかるのです。訳わからん世界です。そんな常識とはキレイさっぱりおさらばした非常識な実践方法です。
1,いったい何にお金がかかる?
フツウは親や師匠が全部用意するので出家者にはお金の心配は不要です。今回の話はそうした環境というか一般常識とかけ離れてますので、何にお金が要るのか、どうやって工面・調達するかを見ていきましょう。
どこぞのいかがわしい宗教にハマれば全財産とか途方もない金額を要求されます。そうした被害に会わないためには、まず依存を捨てて真に必要なものにお金をかける、言い換えれば必要最低限のモノだけを買うことです。
衣食住です。じつはそれだけなんです。何を着て、何を食べ、どこに住むかだけでしょう。お坊さんの格好をしたいですか?毎日精進料理やご馳走を食べたいですか?立派なお寺や庫裡に住みたいですか?
出家すなわち修行するのに、特別なものは全く必要ありません。普通の衣類で十分でしょう。着物や作務衣でなくてもいいのです。当り前です。食べ物も普通に。住む所つまり修行場所だけが普通じゃないところです。
この修行場所が、出家のススメ(1)と(2)で申し上げた「お寺」の外観です。ここにお金がかかります。土地と建物ですね。ミニハウスやトレーラーハウスでもDIYで小屋を建てようが、それこそ完全に自由です。
あとは、せいぜいウェブサイトの開設費用ぐらいでしょう。初期費用は土地代も全部含めて100万円程度に抑えておくことをおすすめします。
2,先立つものの調達方法
この話は、全部わたしの経験(成功と失敗体験)がベースです。他の方法も無限にありますから(心配しないで)聞き上手でお願い致します。
預金・貯金があればそれを使います。なければ借金など決して考えないでください。結論は、普通に働いて初期費用を調達しましよう。
わたしの場合は勧進と称し寄付集めに回りました。千円頂いたときは礼状まで書きました。三万円が最高額でした。それでも30万円集まりました。
現実はそんなものです。義理と人情と人間関係。一文無しに近い状態でしたから安直な方法を選んだのです。しかし気づきました。
この方法では遅すぎる。命短し恋せよ乙女。やっぱり普通に働いてお金を貯めよう、と。贅沢は敵だ。欲しがりません勝つまでは。
3,真に必要なお金は?
本当に必要なお金は、お金の方からやってきます。これは実感です。実際に集まってくるのです。これが信じられるかどうかです。やった人はみんな知ってます。本気でやってると誰かが助けて下さる訳を。
思いというのは、願いであり、一念ですね。これは真理です。行動こそ真実とはこのことでしょう。お金は集めるじゃなく集まるものです。
✅ジャングルを伐採してから、電気が必要だと思いました。仮設の電気を引くのにお金が必要です。手元には5万円しかありませんでした。
✅小屋を建てるのに材料と道具が必要でした。お金は10万円しかありません。悩む暇はありませんでした。
✅下水道がありませんから合併浄化槽が必要でした。お金は20万円しかありません。市の助成金を申請しました。
✅建物には電気配線が必要です。お金は40万円しかありませんでした。友人の友人が友人と二人で無償でやって下さいました。
✅住むには水が必要です。お金は80万円しかありません。そのお金を全部使って鑿泉ボーリングして揚水ポンプを設置しました。
つぎからつぎへとお金が必要になりました。いつもギリギリでした。それでも何とかなるのが出家者(修行者)の強みです。
お寺を建てる。その一心が行動を後押しします。実際に誰かが援助して下さる。結論、お金の心配はありません。志の方が断然強いからです。
4,お金に関するまとめ
✅お金は衣食住にかかるが、とくに住(修行場所)にかける。
✅自分ができる調達方法を採用する→普通に働くなど。
✅とにかく修行場所を作ることに注力・専念する(一意専心)
✅お金は「心配だが心配いらない」という道理を信じる。
✅修行者は志によって強靭となる。
✅プラクティス(修行=実践)に援助者が現れる。
次回はいよいよ本題に入ります。
テーマは「なぜ出家をすすめるのか?」です。
乞うご期待!
いつもありがとうございます。
(1)と(2)も是非ご覧頂きたく存じます。
念水庵 正道