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禅の道(13)山水そのものが経

道元禅師の「正法眼蔵 山水経」には、山や水がただ存在するだけで悟りの境地を映し出しているという深い示唆が含まれています。この記事では、この山と水の繋がりが私たちの日常生活や自然環境にどのように影響しているかを考えてみました。

まず、山は私たちが日々頼りにする水の源です。山々に降り注いだ雨や雪は、地表をゆっくりと流れながら地下にしみ込み、やがて清らかな沢水となって流れ出します。その水は琵琶湖のような湖に集まり、やがて川を通じて海へと流れ出していきます。この壮大な水の流れは、自然が織りなす循環の一部であり、私たちの田畑を潤し、作物を育てるための生命の源でもあります。

また、この流れはただの水の移動ではありません。川を下り、湖を経由し、最終的に海に達するまでの過程で、多くの栄養素や微生物、土砂などが運ばれ、豊かな生態系を育む一助となっています。この栄養の循環によって、湖や海の環境は活性化し、魚介類などの生物が栄えるのです。そうして、山から始まった水の旅が、田畑に命を吹き込み、海の環境を育み、人々の生活に恩恵をもたらします。

道元禅師が示した「山水経」の思想を通じて、山と水がただあるだけでこの世界に豊かさを与えていることが見えてきます。この壮大な自然の流れに思いを馳せることは、私たちがどれほど深く自然と繋がり、恩恵を受けているかを改めて認識することでもあります。


見出し画像は、台風一過の昨日の夕暮れに念水庵の池のほとりから撮影しました。「秋の日はつるべ落とし」とはよく言ったものですね。夕方5時ごろに作務をおえて道具を片付けているあいだに、あっという間に真っ暗闇になりました。日較差も顕著で朝晩は冷え込み日中は汗ばむほどです。

お天気は快晴で行楽客の行きかう「メタセコイヤ並木道」は撮影のための路駐が多く地元民としては複雑な心境ですが、これから紅葉が深まりやがて落葉して雪景色となります。私たちには見慣れた光景ですが、行楽の方にしてみればシャッターチャンス。どうか良い思い出を残してください。

昨日の訪問は、サルの親子連れだけでした。県道を走るバイクの爆音がときおり聞こえるほかは、鳥たちの声と木々の揺らめき、落ち葉がひとひら、枯れゆく草花、嫌われ者のカメムシ、水の音、そして私の耳鳴りぐらいです。

昨日は連休二日目、今日は最終日です。友人と雪囲いをする予定です。この辺りは平気で1m以上積もります。静かだなあと外に出てみると何にも無かった地面にどかっと雪が積もっていることがままあります。この雪が一年中絶えることのない豊富な水のもとになっているのです。


ご覧いただき有難うございます。
念水庵

ネットでしかお会いできない方に向けて、スマホで撮った動画をyoutubeに上げています。○○の一つ覚えで、撮ったまんまの編集なし1分以内の動画ですが、雰囲気を感じて頂ければ幸いです。
昨日の朝に朝日に煌めく水を撮りました。
カラスの声も朝は元気で、夕刻にはどこか物悲しく聞こえます。

自然は、立派やね。

こころの師、今は亡き宮崎奕保禅師(永平寺78世貫主)の呟きです。


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