老子24:謙虚で自然体であることの重要性
老子第二十四章の原文と現代語訳、そしてその解説です。
原文
跖者不立、跨者不行。自見者不明、自是者不彰、自伐者無功、自矜者不長。其在道也、曰餘食贅行。物或惡之、故有道者不處。
現代語訳
つま先立ちする者は安定して立てず、大股で歩く者はうまく歩けない。自分の姿を見せびらかす者は明らかでなく、自分の正しさを誇る者は輝かない。自分の功績を誇る者には真の功績がなく、傲慢な者は長続きしない。道(タオ)に従う者にとって、これらの行為は余計なもの、無駄な行為である。人々はそれらを嫌う。だから、道を得た者はそういった態度にとどまらない。
解説
この章は、自分を誇示したり、無理をしたりする行為が無意味であり、道(タオ)を理解する人はそういった行為を避けるべきだと教えています。老子は「自然なあり方」を強調し、無理やり何かをしようとすると逆にバランスを崩すことを指摘しています。
独自の視点
自然体であることの重要性
老子は「自分を無理に大きく見せようとすることは、実際には自分の欠点を露呈することになる」と言っています。これは、現代でも「背伸び」や「見栄」を張ることが、逆に自分を不安定にしてしまうことと同じです。たとえば、誰かに自分の能力を過剰にアピールしようとすると、実力が追いつかず、かえって評価を下げることになることがあります。競争社会へのメッセージ
現代の社会は、競争や自己アピールが強調されがちです。しかし老子は、「自然なあり方」に反するこうした行動を「余計なもの」として批判しています。功績や自分の正しさをアピールすることは一時的なものであり、真の成功や長続きする影響力は、自然体であり続けることから生まれるという教えです。道に従う者の姿勢
老子は道を「自然な法則」と捉えており、無理や誇り高ぶりの行為は、道の流れに反するものです。道を理解する人は、無駄な競争や自己アピールを避け、静かに自分の道を進みます。これは、成功を追い求めるというよりも、自然に身を任せて流れに従うことが大切だという教えです。
まとめ
第二十四章は、謙虚で自然体であることの重要性を説いています。現代の社会では、自己アピールや競争が重視されがちですが、老子の教えはそれとは逆の方向を指し示します。無理をせず、自然体でいることが、結果として安定と長続きする成功をもたらすという深い智慧がこの章に込められています。
謙虚で自然体である様子を具体的に説明するために、いくつかの日常のシチュエーションを例に挙げてみます。これらは、老子が説く「自然なあり方」に基づいた生き方を現代の生活に落とし込んだ例です。
1. 自己主張を控え、他者を尊重する
謙虚で自然体な人は、自己主張を必要以上に行わず、他人の意見を尊重します。たとえば、職場で会議中に自分の意見があるときでも、相手の話をしっかりと聞き、タイミングを見計らって静かに自分の意見を述べます。自分の考えを押し通すのではなく、相手の意見も取り入れて協力しながら解決策を模索することができます。
2. 見栄を張らず、ありのままを受け入れる
自然体な人は、自分をよく見せようと無理に背伸びをしません。たとえば、友人との会話の中で、他人の成功や財産に対抗して自分を大きく見せようとするのではなく、ありのままの自分を受け入れ、他者の成功を素直に喜びます。物質的なものにとらわれず、自分にとって本当に大切なことに焦点を当てているため、無理なく自然に生きることができるのです。
3. 自然な関係を築く
謙虚な人は、他者との関係においても無理に相手を変えたり、自分の価値観を押し付けたりしません。たとえば、家族や友人との関係においても、自分の意見やライフスタイルを強要することなく、相手の個性や価値観を尊重します。また、無理に親密になろうとしたり、距離を詰めすぎることなく、相手との自然な距離感を大切にします。これにより、相互の信頼や理解が自然と深まっていきます。
4. 自分の成功を誇示しない
謙虚な人は、自分の成功や成果を他人に見せびらかすことはしません。たとえば、昇進したり、重要なプロジェクトを達成した場合でも、それを過度に自慢することはせず、周囲の協力があってこその成功だと感謝します。自分一人で成し遂げたと考えるのではなく、他者の貢献や協力を素直に認め、感謝の気持ちを忘れない態度を持っています。
5. 自然なリーダーシップ
自然体で謙虚なリーダーは、指示を出して支配するのではなく、部下やチームメンバーが自発的に動ける環境を作ります。たとえば、プロジェクトを進める際、細かく指示をするのではなく、メンバーの自主性や能力を信じて任せます。そして、失敗した時も責めることなく、共に学び改善する姿勢を見せます。このようなリーダーは、威圧感がなく、周囲が自然とサポートしたくなる存在です。
6. 無理せず、自然な流れに任せる
謙虚で自然体な人は、物事を無理にコントロールしようとせず、状況に応じて柔軟に対応します。たとえば、仕事や人間関係で問題が生じた場合でも、焦ってすぐに解決しようとせず、状況を冷静に観察しながら、自然な解決方法を見つけます。無理に何かを変えようとするのではなく、流れに身を任せて、その中で最適な行動を取ることができます。
結論
謙虚で自然体であることは、自分を誇示せず、無理に何かを変えようとせず、周囲との調和を大切にしながら生きることです。老子の教えでは、道(タオ)に従うことで、無駄な争いや見栄、自己主張を避け、自然の流れに乗って生きることが重要だと説かれています。このような生き方は、結果的に自分自身にも周囲にも心地よい環境をもたらし、長続きする成功や幸福を手に入れることができるのです。
相田みつをさんに「雨の日には雨の中を、風の日には風の中を」という書があって、さしずめ今年の秋では「暑い日には暑い中を」となります。しかし建設現場の暑さは一般的な環境と大きく異なり、地肌がむき出しになっておりますので過酷な環境であり、猛暑を超えて酷暑と呼べる状態です。
昨日は三重県の現場の最終日でした。連日の気温は35度を超えており、地表面では40度以上ありますから当然に熱中症対策が必要です。空調服は涼しくて暑さ知らずのようですが、フアンの音によって聞こえにくくなり、汗がすぐ乾くので体温が逆に上昇するなど危険な一面もあります。
わたしも昨年までは空調服を着ていたのですが、今年は長袖の綿シャツにしています。休憩のたびにクールダウンして着替えます。体を動かして汗をかくことにはデトックスなど様々な健康効果があります。夏は一年中の毒素を体内から排出するチャンスと親から聞いています。
熱中症になれば元も子もありませんから、極力日陰・木陰を求めて頻繁に休憩します。水分と塩分補給は欠かせません。おかげで今日も元気で陽気にやってます。程よい疲れでバタンキュー。寝付きも目覚めも頗るよろしい。土木技術者の夏。緊張と弛緩の夏。。。お後が宜しいようで。
アニメ映画「コクリコ坂から」の主題歌に使われた原曲です。
夏にもうそろそろ「さよなら」したくなりました。
ご覧頂き有難うございます。
念水庵
わたしの秘密基地の日記です↓