仙人(不二身)の秘術:アボイド
かわし技(AVOID)
かわし技(AVOID)は、争いを避ける「不争の哲学」を体現した独特の格闘術です。この技術の本質は「闘わない格闘」にあります。たとえ相手が複数であったり、非常に強力な相手であっても、この技を用いることで決して敗北することはありません。その方法は、相手の攻撃を受け流すことに基づいています。
相手が殴る、蹴る、投げる、掴むなどの攻撃を仕掛けてきた場合、その攻撃がこちらに届く直前に身をかわすのが基本です。このため、相手の攻撃は何度繰り返しても効果を発揮することはありません。攻撃を避け続けることで、相手は次第に疲れ果てて降参せざるを得なくなります。しかし、ここで重要なのは、こちらが相手を打ち負かすことは目的ではないという点です。
かわし技は、相手の攻撃力を無力化することに主眼を置いています。このため、攻撃心や防御心を完全に捨てることが必要です。相手に対して何の敵意も持たず、ただ攻撃をかわすだけです。この訓練を通じて、虚実の体得が求められます。虚とは、空虚な心を持つこと、すなわち攻撃や防御に固執しない心の状態を指します。実とは、実際の動作において、相手の攻撃を正確に見極め、適切にかわす技術です。
AVOIDは、相手がどれほど強力であっても、その力を発揮させることなく、闘いを終わらせることができます。これにより、相手は自らの力の無意味さを悟り、闘争心を失います。この技術は、物理的な強さに依存しないため、老若男女問わず誰でも習得可能です。また、心身の鍛錬を通じて、内面的な成長を促す効果もあります。
さらに、AVOIDは究極の格闘技ともいえます。それは、単なる力や技術の優劣を超えて、精神的な高みを目指すからです。たとえば、猛獣が相手であっても、その攻撃をかわし続けることで、最終的には闘いを避けることができます。これは、相手を倒すことなく、自らの身を守るという極めて高度な技術と精神の融合によって成り立っています。
まとめると、躱し技(AVOID)は、闘わずして勝つことを目指す独自の格闘術です。相手の攻撃をかわし続けることで、相手を疲弊させ、闘いを終わらせることができます。この技術を習得するためには、攻撃心や防御心を完全に捨て、虚実の体得を追求することが重要です。これにより、物理的な強さに頼らずに、自らの身を守り、内面的な成長を促すことが可能となります。躱しの技は、まさに不争の哲学を体現した究極の格闘技と言えるでしょう。
躱し技(AVOID)の虚実の体得には、特別な訓練と修行が必要です。以下に、具体的な訓練方法を示します。
1. 心身のリラックス訓練
瞑想:静かな場所で坐り、深呼吸を繰り返しながら心を静める。無心の状態を目指し、心の雑念を排除することで、攻撃心や防御心を捨てる。
呼吸法:腹式呼吸を練習し、息をゆっくりと深く吸い、同じようにゆっくりと吐く。呼吸に集中することで心を落ち着かせ、リラックス状態を保つ。
2. 身体の動きを磨く訓練
シャドウボクシング:鏡の前で、想像上の相手に対して攻撃をかわす動きを繰り返す。スピードと正確さを高めるための練習。
スローモーション練習:すべての動きをスローモーションで行う。体の動き一つ一つを意識し、動作の正確さを確認する。
3. ペアワークの訓練
攻防の反復練習:パートナーと一緒に、攻撃と回避の動きを繰り返す。相手の攻撃を予測し、寸前でかわすことを練習する。
無抵抗訓練:パートナーに攻撃をさせ、その攻撃に対して一切の抵抗をせずにかわす。心の中で防御心を捨てることに集中する。
4. 実戦に近い状況での訓練
多人数攻撃回避:複数の相手から同時に攻撃を受ける状況をシミュレーションし、その中で攻撃をかわし続ける練習。周囲の状況を把握し、冷静に動くことが求められる。
不規則な攻撃回避:予測できないタイミングでパートナーから攻撃を受ける。反射神経と瞬時の判断力を養う。
5. 自然の中での訓練
森林浴瞑想:自然の中で瞑想を行い、周囲の音や空気を感じながら心を鎮める。自然との一体感を感じることで心身のリラックスを深める。
自然環境での回避練習:山や森林などの自然環境で、障害物を利用して攻撃をかわす練習。環境への適応力と柔軟な動きを養う。
6. 定期的な自己反省と改善
ビデオフィードバック:自分の練習をビデオに撮影し、後で見返して動作の改善点を確認する。細かい動きや心の状態を客観的に評価する。
日記:毎日の訓練内容や感じたことを書き留める。心の変化や進歩を記録し、自己反省の材料にする。
まとめ
AVOIDの虚実の体得には、心身のリラックス訓練、身体の動きを磨く訓練、ペアワークの訓練、実戦に近い状況での訓練、自然の中での訓練、そして定期的な自己反省と改善が必要です。これらの訓練を通じて、攻撃心や防御心を捨て、相手の攻撃をかわす技術と心の平静を身につけることができます。
今日は、仙人(不二身)の秘術を紹介しました。
わたしが現在取り組んでいる不争の技術です。
水のように身を躱します。
これを体得することが生涯の目的の一つです。
ご覧頂き有難うございます。
念水庵