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暑さで食欲減退気味にはブンボーフエで!
6月に入り、梅雨のジメジメとした暑さで食欲減退気味になります。そんな時期には、やはり暑い国の料理が一番!と云う事で、ベトナム料理の一品です。今回はブンボーフエです(牛肉の汁ビーフンのフエ風)。
フエとはベトナム中部の古い都市名で、ブンボーフエはベトナムでは代表的なお米の麺ビーフンを使った酸味の利いたフエの辛口麺料理です。スープは牛骨をベースに、店にもよりますが海老や豚等、様々な材料から作り、唐辛子・チリオイル等による辛味やマムルックと云うアミから作った発酵調味料(簡単に言えば塩辛みたいなもの)を加え、独特のコクと風味が足されます。それとニョクマム(魚醤)で、スープの味を調整します。ニョクマムは、タイのナンプラーと同じで、カタクチイワシベースの醤油(秋田県のハタハタを原料とした「しょっつる」、石川県の鯖や鰯を原料とした「いしる」、同じく石川県の烏賊を原料にした「いしり」、香川県のイカナゴを原料とした「いかなご醤油」も同じ魚醤の仲間です)。それに、レモングラスの香りが相まって、暑さで何を食べても美味しく感じられない口にはピッタリだと思います。パッと見、シンプルなベトナムの麺料理ですが、その中にベトナム全土で食べられている味が見え隠れしているのです。
お店で供される時は、別皿でシャキシャキモヤシとレモンorライムが添えられて出て来ます。それを麺の上に適量を乗せて、ライムやレモンを搾り、モヤシのシャキシャキ感を味わいながら頂きます。パクチーが入るか否かは、お店によって違いますが、タマネギスライスは生で、どのお店でも入るケースが多いようです。麺は中太麺程度の太さですが、米粉なのでスルスルッと喉越しが良く食べられます。タイ料理のように酸味や辛味がキツイわけでもないので、タイ料理は苦手だけどベトナム料理なら~とお思いの方は是非、一度ブンボーフエを召し上がって見てください。 大概お店の方から『辛いですが、大丈夫ですか?』と云われるでしょうけど、トムヤムクン程辛くないのでご心配なく。アッサリした味わいのスープに、アジア圏独特の香りを楽しんでみては如何でしょう。
(2015.6.10公開)