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おすすめの本は?|「名刺代わりの10冊」が選べない理由
Xでいわゆる「読書垢」というアカウントを作り、読書の情報を収集または発信してSNSを楽しんでいる人が一定数いる。(僕も一応やっているが、投稿頻度が少ないために、note投稿をする別の場所という感じになってしまっている。本当はたくさん読書のツイートをしたい…)
そんな読書垢のみなさんは「#名刺代わりの10冊」といったハッシュタグを付けて、自分のお気に入りの本を10冊羅列してタイムラインに固定している人が多い。お気に入りの本を10冊挙げていれば、その人の人となりも何となくわかったりするものなのだ。
この様に、お気に入りの作品と言うのはその人を表現することに繋がるもので、「本棚を見るとその人がわかる」と言う人だっているくらいだ。
知り合ったばかりの人と話をする時に「趣味は何ですか?」と言われると「読書です」と答えることもあるが、そうすると大抵「どんな本を読むんですか?」「おすすめの本は?」と聞かれることになる。
そんな時に僕は、ここでの回答が「名刺代わりの一冊」になってしまうと思って何を答えようか迷ってしまう。10冊をじっくり考えられるならば、いろいろとかき集めて自分を表現できる気がするが、1冊となるとかなり難しい。
経済学の本を挙げたとしても相手は興味がない可能性も高いし、ノンフィクション本も同様な気がする。小説もジャンルが多いので、どれが相手に刺さるかわからない。
この様に、趣味が読書だと言っているにも関わらず即答ができないという、妙な状況に陥ってしまうことが多くある。面倒な性格だなと思う。
僕がなかなか「これ」という本を挙げることができないのは、シンプルに「どう思われるか」を過剰に気にしてしまっているのだと思う。知的に思われたいのかもしれないし、深みがあると思われたいのかもしれない。
相手はそんなことを考えているわけではないとわかっていても、何だか慎重になりながらも見栄を張ろうとしてしまうのだ。ただその場の会話が盛り下がらなければいいじゃないか、そんなことはわかっているがやっぱりうまく答えられない。
そう言えば学生の頃もある意味では同じだったかもしれない。当時は音楽が大好きでビートルズを始め、そこから更に古い音楽まで時代を遡るように聞いていたから、同世代の友人に音楽の趣味を聞かれても、相手に伝わる答えを持っておらず何を答えようか常に困っていた。(その後「スピッツ」という無難な答えをいつも用意するようになった)
この様な会話は別にお互いを知るためでも、相手にどう思われるか考えるためでもなく「元気ですか?」とか「今日も寒いですね」といった会話と同じように答えればいいのだと思う。誰もフランクな情報交換の時に人の趣味を深く探ったりはしていない。
だからと言って、「どんな本を読むんですか?」という問いに対する適当な答えを持ち合わせているわけではないし、今考えても何がいいのかよくわからないままだ。
だからそもそも「趣味は何ですか?」と聞かれた時に「ジョギングです」とか「筋トレです」と答えるようにしている。
読書垢の人たちはこういう時に本当に好きな本を答えているのだろうか、それが最近の気になっていることだ。