年金払わぬ中国人|デフレの先輩が教える社会課題
中国の若者が年金の支払いをボイコットし始めているらしい。背景には人口減少と不動産バブルの崩壊があるらしく、若者の間で不安や閉塞感が増大しているようだ。
人口減少や不動産バブル崩壊による社会不安はわかるけれど、中国の様な共産党の国家主導型の国でも年金の支払いを逃れようとするのかと思い、少し意外な気持ちになった。
さて、この現象、日本にどこか似ていないだろうか?日本もバブル崩壊によって景気停滞が始まり、超高齢化社会が進むなかデフレ経済を30年以上過ごしてきた。もしかしたら中国でもNHK受信料未払いのような問題すら起こっているかもしれない。
こうしてお隣の国を歴史も踏まえて眺めてみると、日本は世界からおいて行かれた様に思えていたものが、実は社会問題の先頭を走っているのかもしれないとすら思えてくる。長引くデフレと超高齢化社会という地味で重大な社会問題と向き合った歴史は、今のところ他にないのだ。人口が減少する歴史はあるが、中世ヨーロッパのペストの様なパンデミックや戦争が原因のものばかりである。
だから、これから日本人は「デフレの先輩」として、「人口減少社会の先輩」として、他国の手本になることで独自の地位を築くことができるかもしれない。
未だ経験したことのない人口減少社会なのだから、難しい問題がこれからたくさん起こると思う。孤独死や年金や労働力不足や、他にも想像できないことが起こり、どれも地味で現実的でしんどいものばかりだと思う。
それをテクノロジーで解決しても良いし、脱成長で受け入れても良い。国民が幸福感を感じて日々を過ごせていたなら、ある程度はこの問題を乗り切れたと言えるのだと思う。
今も日本には閉塞感が広まっているけれど、まずはお隣の中国に対して「デフレの先輩」としてお手本になることから、前向きに取り組んでみてはどうだろうか。