海外旅行離れについて|周りの言葉がわからない安心感?
ここ最近は海外に行きたいと思わない人が増えているらしい。特に若い世代に多いらしく、パスポートの保有率は17%にまで落ち込んでいるそうだ。
もちろん、円安や物価高の理由には納得ができる。値段が安いところに行きたいと思うのは当たり前なので、これはひとつの事実なのだろう。
ただ、「言葉が通じないのが不便」「“推し活”のほうが大事」といった、そもそも海外への興味が減少している理由も多く、理由は為替だけではなさそうだ。
確かに海外旅行をするためには、一緒に行く人と仕事の調整をして予算を組み、飛行機とホテルを予約して、たくさんの行程を踏む必要があるのは事実だ。しかも、東南アジアの様な近隣の国であれば良いが、基本的には5日以上の連休を取る必要があるだろう。
こうして考えると、日本にいながら安全で便利な環境のもと、推し活に夢中になれることの方が優先されるかもしれない。日本は世界でもトップクラスに治安が良く、エンタメ業界も活況を呈している。そんななか、なぜわざわざ危険で不便な海外なんかに行かなければならないのだ。
一方で、そんな日本で暮らしていると、閉塞感のあるネガティブな声がネット上に蔓延している様子も目に付く。社会保障費が高まり続ける一方で人口は減り続け、政治家への批判や悪口も一向に減ることはない。社会を変えようという意気込みというよりも、一方的に不満をぶちまけているような書き込みを誰もが見たことがあるだろう。
もちろん声の主はそれぞれであるため関連性はないが、要するに日本の社会を居心地が良く思っている人がたくさんいる一方で、日本に不満を持っている人もたくさんいるわけだ。まぁ当たり前のことだけれど。
日本にずっと居続けてしまうケースも、日本への不満が溜まり続けるケースも、どちらも一度海外に出てみることで、その考え方は変わる。だからやっぱり多少のリスクは覚悟のうえで海外に行った方がいい。
僕は学生の頃に海外に行きたい気持ちはありながらも、行動力がなくその機会を逃したまま卒業してしまった。その後、大きな病気になった時にそのことを強く後悔することになる。なぜ、時間があるあの時に海外に行かなかったんだと。
それからというもの、仕事の合間を縫うように休みがあれば海外に出かけていた。年に数回はアジアのどこかの国に出向いていたのだ。
それにより得た価値観というのは今も物凄く活きていると感じている。安心安全な日本、閉塞感が漂う日本、海外に行ってからこれら日本のことを考えると、イメージはだいぶ変わってくる。
そして、海外に行って体験できるのが「周りの言葉がわからない」というあの感覚だ。今まで過ごしてきた生活は全て日本でのことであって、海外にいる間は自分のことを誰も知らず、全てがフラットで完全アウェーな状態に陥る。
僕はこの感覚がとても好きで、いつもとても清々しい気分になる。自分の過去のことが全てリセットされているような、底知れぬ解放感があるのだ。余計なことを気にしなくて良いなんて、なんて気持ちのいい瞬間なんだ。
安心安全な日本の社会で、身内からの目線を過剰に気にしたり、余計なことを気にし過ぎてばかりで、大切な時間を消耗している人は多いだろう。過去の失敗を引きずって未来と現在に積極的になれていない人も多いはずだ。
海外に行くことで、一瞬とはいえ、これらが全てリセットされた状態で物事を考えることができる。人生は短い、やはり若い人はもっと海外に行った方がいいと思う。
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