人生はトレードオフの連続
最近、仕事が夜遅くまで続くことが多く、深夜に営業している中華料理屋に足を運ぶことが増えました。
中華料理屋のメニューは青菜炒めや酢豚のような一品料理もあれば、餃子や焼売のような点心、チャーハンとラーメンなどのご飯ものと麺類、こういった非常に多くのラインナップがあり、どれも量が多く満足度も非常に高い料理ばかりです。
そんなメニューを眺めていると、どれも食べたくなりますが、胃を全摘出している少食な自分にとって、複数の料理を注文しても食べ切れないことが多いため、美味しそうでありながらも食べ切れそうなメニューを選ばなければいけない、判断が難しい局面に立ち向かうことになります。
経済学の用語に「トレードオフ」という言葉があります。
ラーメンも美味しそうだけど、青菜炒めとチャーハンを食べたらもう食べ切れないだろうな、と考えながら、この「トレードオフ」の概念を思い出しました。何かを得ようと思うと、別の何かを失うことになるのです。
思えば、僕が胃がんと診断されて胃の全摘出手術を受ける決断をした時も、トレードオフの考え方で説明ができたのかもしれません。
生きることを選ぶため、命と引き換えに主要な臓器である胃を失うことを選んだのです。他にも、治療費や仕事など、色々なものを失っています。
僕の場合は失うものが胃でしたが、他の種類のがんの患者さんは別のトレードオフによって決断を迫られています。それが、抜毛による今までの外見であったり、場合によっては出産であったり、生き続けるために非常にセンシティブで大胆な決断を下しているはずです。
患者さんに治療を選ぶ権利がある時代ではありますが、こういった想像もできない様な厳しい決断を自分自身でしなければならないように、人生は厳しく残酷なトレードオフの連続です。
こういった難しい決断をしなければならないことが、いつ起こってもいいように、自分の人生における価値観を常に磨き続けていきたいと思います。
人生は有限です。ひとつひとつの決断を大切に。
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