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本と酒と旅|知識の相関的飛躍

本を月に5冊以上読むという人は充分に読書家であると言えます。そういう人は本を読むことの面白さを体感しているはずで、読めば読むほどこれからも更に読み続けていきたいというサイクルに入っているのだと思います。

過去に読んだ本で得た知識は蓄積されており、現在読んでいる本と思わぬかたちで知識と知識が繋がっていくことで、世界への理解がどんどんと拡がっていく感覚を覚えます。こうして読書は辞められない習慣となっていきます。

また、本のなかに描かれていることと、現実のことが繋がっていくのも面白いもので、様々なことと知識が繋がっていきます。

先日、日本酒を飲みたいと思い、酒屋まで足を運んだところその地域の日本酒がなぜ美味しいのかを店員さんが説明してくれました。

愛知県岡崎市の日本酒なのですが、岡崎市の山奥には花崗岩があり、そこを辿る軟水を敢えて日本酒に利用しており、軟水にミネラルを含ませる技術を開発した酒蔵の自慢の一本を教えてくれました。軟水にはミネラルが含まれない性質があるようです。

日本酒にも様々な知識が詰まっています。

作家である島崎藤村に『夜明け前』という作品がありますが、これは長野県の日本酒に同作品から名付けられた日本酒です。昔は何も知らずに飲んでいましたが、後に小説から名付けられたことを知りました。この様にひとつひとつの日本酒にも歴史があり、それらを知ることは味わううえでの楽しみのひとつでもあります。

そして、休みの日に旅行に行ってみると、日本の様々な土地に文化が根付いていることや地形的な特徴があることがわかります。

日本酒の知識をいくつか持っていると、日本の様々な土地を訪れる度に、その土地の地形や産業の歴史を知ると、良い日本酒が造られる条件が揃っていることに気づく瞬間があります。そして実際に居酒屋に行ってみると美味しい地酒が置いてあることも多いです。

山がそびえて清流が流れている場所もあれば、土地柄の関係で物流で繁栄した土地に酒造りの技術が流れてきた場所もあります。

そういった土地を訪れに行くときに、電車のなかでは本を読んでいます。別に酒のことが書かれている本を読んでいるわけではありませんが、本を読んで物事を考えていると、何かしらの知識の繋がりが生まれてくることが多いです。

こうして本を読んでランダムに知識を入れこみながら、飲み食いするものにも知的関心を寄せ、あらゆる場所を訪れる日々を送っていると、どんどん知識が繋がっていって世の中への理解が飛躍的に上がります。

それで得る知識が役に立つかどうかはわかりません。すぐには役に立たないでしょうが、いつか役に立つかもしれないし、そのままかもしれません。

ただ、こうして楽しみながら世界の解像度を上げていく営みは、これからも続けて楽しんでいきたいものです。

本と酒と旅は知識の相関的飛躍を促してくれます。

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