見出し画像

週休3日は忙しい

「週休3日」になるというニュースを見つけた。東京都の職員が導入することを目指すらしい。

これが世間でどう受け取られているか、反応は様々だと思うけれど、実現したら嬉しいことだとは思う。子育てと仕事の両立もしやすくなるし、疲弊する従業員も減るだろう。

もちろん懐疑的な反応もあると思う。そもそも実現ができないのではないかというものだ。

2018年に施工された働き方改革の時には、残業が禁止される企業が増えたけれど、結局のところ仕事が片付いたわけではなくシンプルに生産性が下がっただけの企業も多かったと思う。社員が定時であがるなか、残業規制の配下にない管理監督責任者がその分の仕事をやっていたケースもあったんじゃないか。退社した後に自宅で持ち帰り仕事をしていた人もいるかもしれない。

だから、本質的には制度として「週休三日」を定めたとしても仕事の総量は変わらないのだから、どこかに皺寄せが行ってしまうと考えるのが普通だ。大切なのは短時間でいかに高い成果を出せるかであって、ただただ休みを増やせばいいわけではない。

でも、東京都のような大規模で影響力のある自治体が主導することで、日本人の価値観が変化するきっかけになるのだとしたら、この取り組みはとても良いものになると思う。

「週休三日」ということは、週のうちに4日しか労働日がないのだから、仕事をさばくことができる日数はだいぶ少ない。休みが多いことに喜びを感じながらも、仕事が終わらないという切迫感も同時に抱くはずだ。

この時に全従業員に「時間は限られているから、効率よく仕事をしなければならない」という考え方が定着すれば、それこそが「週休三日」の成果になるのだと思う。

働き方改革が施工された時に、日本の労働者と比較してドイツの企業(アディダス)に勤めるドイツ人の仕事を一日追う特集があった。ドイツ人は短時間労働で生産性が高いことで有名である。

彼らは早朝に出社して、会社に併設されているジムでトレーニングをしてから仕事に取り組む。そして物凄い集中力でパソコンを叩きながら電話をかけ続け、早々と17時に退社してその後自分の時間を過ごしていた。そして、年間のうちに数カ月に渡る長期休暇を誰もが取得している。

短時間働いてさっさと帰っているというイメージをしていたとしたらそれは大間違いで、ドイツ人は労働時間中に猛烈な働き方をしていたのだ。だから日本も仮に週休3日になったとしたら、猛烈な集中力で仕事に取り組む必要が出てくるのは間違いない。

だから「週休3日導入」と聞いて「やったーたくさん休める」と呑気な気分でいたら、現実の仕事に忙殺されて痛い目に遭う気がする。

こうして考えると「週休三日になる。忙しくなりそうだ。」という妙な心持ちで構えているのが賢明なのかもしれない。

いいなと思ったら応援しよう!